不動産事業で法人化するまでの手続きすべて解説します!

不動産事業で法人化するまでの手続きすべて解説します!

第十六回では、不動産事業を拡大するにあたり、法人化するメリットと、法人化するタイミングはいつがいいか、ということについて解説しました。

 

前回の記事はこちら⇒不動産投資の法人化のメリットとタイミング 〜サラリーマンでも社長に?〜

 

法人化するタイミングとしておススメなのは、事業として黒字化した時(=節税メリットを生かせなくなった時)と、拡大しようと思った時、の2つです。

 

不動産を個人から法人に移すのもお金がかかります。早めに検討した方がよいと言えるでしょう。

 

とはいえ、自分で会社を設立した、という人は多くないでしょう。今回は、会社を設立するまでの一連の流れと、注意すべきポイントについて解説します。

 

会社設立の手続き、まず決めるべきことは?

会社といっても、世の中には様々な会社があります。まずは、どういった会社を作るかを決めなければいけません。

 

会社を設立するにあたって決めるべきことは、以下のような事柄です。

 

会社形態

株式会社、合同会社、合資会社など、会社は設立方法によって形態が異なります。株式会社に比べ、合同会社や合資会社は、設立時にかかる費用が少ないというメリットがあります。しかし、合資会社は、有限責任ではなく、経営者の責任が無限責任のため、不動産投資には向いていない形態といえるでしょう。実際に、多くの人は、株式会社か合同会社を選ぶことが多いようです。

 

会社名称

会社の名称は、変更することも可能ですが、基本的には一生に一度のタイミングです。後悔のないようにつけましょう。

 

代表者・役員

会社は代表者1名でも作ることができます。しかし、家族がいる場合は、家族を役員にして、給与を支払った方が、トータルで払う税金は安くなる可能性があります。家族が何か手伝ってくれている場合は、家族を役員にすることも検討してもよいでしょう。

 

法人の所在地

会社の所在地は、基本的には、事務所を借りたりしない限り、自宅でよいでしょう。会社設立のために事務所や部屋を借りる必要はありません。

 

資本金、株式の割合

資本金は1円からでも設立可能です。株式会社の場合、資本金に応じて株式を割り当てなければいけません。相続のことや、家族を役員にすることなどを考えると、実は様々な選択肢があるのです。

 

とりあえずということであれば、100%自分にしても問題ないでしょう。しかしながら、この部分については、税理士など専門家の意見を聞いた方がよいでしょう。また、資本金は1000万円未満であれば、税制面で優遇されます。よっぽどのことがない限り、1000万円未満におさえるのがよいでしょう。

 

具体的な会社設立の手続きは?

では、具体的な会社設立の手続きについて、見てみましょう。会社設立には、大まかに見て4つの流れがあります。

 

1. 会社内容の決定、印鑑の作成
まずは、上記の会社の内容を決めましょう。そして、その上で、社印および代表印が必要となります。印鑑を作るのには多少時間がかかりますので、余裕を持って進めるとよいでしょう。

 

2. 定款の作成および認証
次に、定款を作成する必要があります。定款とは、簡単にいうと、会社の形を書類にしたものです。ここに、会社名(商号)や、役員、所在地、目的、株式数などを載せる必要があります。

 

定款を作成すると、公証役場というところで認証をしてもらう必要があります。公証役場とは、私文書や会社等の定款の認証に加え、遺言や任意後見契約などの公正証書の作成なども行う、公的機関になります。この認証をもって、定款は定款として有効になるのです。

 

3. 登記書類の作成および登記
定款が作成されたら、いよいよ、会社の設立です。会社は登記をもって存在を認められます。登記書類には、定款や、資本金の払い込み証明書、発起人の決定書、印鑑証明など、様々な書類が必要になります。一つ一つは難しいものではありませんが、量が多いため、漏れがないよう注意しましょう。
書類を提出すると登記の完了です。直接法務局へ行くほか、最近ではオンラインで完成する場合もあります。

 

4. 開業
ここまでくると、開業までもうひと踏ん張りです。開業するには、登記した後、税務署や各自治体、労働基準監督署など、各所に届け出が必要になります。これらを提出して、ようやく会社運営がスタートするのです。

 

会社設立に費用はどれくらいかかるの?

では、会社設立にかかる費用は、いったいどれくらいでしょうか。

 

株式会社を作る場合、定款の印紙代、定款認証手数料、定款の謄本で約5万〜10万円かかります。なぜ幅があるかというと、紙と電子定款で金額が異なるからです。電子定款の場合、印紙代4万円はかかりません。

 

また、これに加えて、登録免許税として15万円かかります。これは紙であろうと電子定款であろうと変わりません。よって、全部で約20万〜25万円くらい必要になります。

 

合同会社の場合は、かかるのは、印紙代4万円と、登録免許税6万円だけになります。よって、6万〜10万円程度で設立可能です。合同会社を選ぶ人は、初期費用を抑えたい、という人が多いようです。

 

このほかにも、印鑑の作成など、細々したお金はかかってきます。全部で30〜40万円くらい準備しておくとよいでしょう。

 

また、専門家に依頼する場合は、さらに10万円前後かかってくることもあります。とはいえ、煩雑な手続きを正確に行ってくれる専門家は貴重な存在です。忙しいサラリーマン投資家の場合は、専門家を頼って、アドバイスをもらいながら進めるのがよいでしょう。

 

法人化するまでの手続き まとめ

法人化するには、まず、会社の形態を決める必要があります。株式会社にするか、合同会社にするか、役員は何人にするかなど、いくつか決めるべきことがあります。特に、株式会社と合同会社では、初期費用が異なってきます。慎重に進めるとよいでしょう。

 

法人化の主な手続きは、会社内容の決定、定款の作成、登記、そして各種届出に4つにわかれます。個々の手続きは煩雑で、書類も複雑なものが多いです。忙しいサラリーマン投資家の場合は、専門家のアドバイスをもらいながら進めるのが効果的といえます。

 

会社を設立するには、印紙税や登録免許税など、株式会社の場合20万〜25万円程度かかってきます。その他、印鑑の作成等でも費用が掛かってきます。最初は、少し余裕を持って、50万円くらい準備しておくのがよいでしょう。

 

次回で最終回です。総まとめを書きました。
ワンルーム中古マンション投資で事業を始める方法・成功のコツ まとめ

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