私が不動産価格を150万円値引きに成功させた交渉テクニックについて
前編では、不動産売買の、特に価格の部分の交渉において、交渉を有利にすすめるために、不動産の価格は相対的なものであり、時期によっても人によっても異なるということ、不動産の価格は、需要サイドから決まる場合と供給サイドから決まる場合があるということ、そして、交渉においては、3D交渉術にあるように、ただその場の「戦術」だけではなく、「セットアップ」「取引設計」を含め、交渉そのものを有利にするための仕組みづくりが重要である、という話を解説しました。
前回の記事⇒不動産売買・投資ににおける交渉術の方法 〜安く買うためのテクニック〜
今回は、実際に、私が、150万円プラスアルファの値引きを実現させた事例をもとに、実際の値引き交渉について解説したいと思います。
実際の不動産投資の取引について
私は、昨年末に、中古マンションを1軒購入しました。山手線の住宅地の、駅徒歩5分の中古マンションです。25u前後で、リーマンショック前に建てられた、築13年ほどの物件でした。
売り出し価格は、2400万円と、相場的には適正価格で出ていました。しかし、私は、実際には、2250万円で購入することができました。くわえて、もろもろの特典を得ることが出来ました。
交渉相手は誰?
今回は、不動産会社が直接保有している物件でした。(仲介ではない。)なので、不動産会社と交渉をしていました。
値引きを成功させた実際の交渉のポイントは?
では、実際に、交渉をするにあたり、有利に働いたポイントを整理していきたいと思います。ハーバード流 3D交渉術のポイントに沿って解説しましょう。
取引設計におけるポイントは?
その不動産会社は、以前から付き合いがあったものの、まだ、その会社から物件を買ったことはありませんでした。しかし、私が何軒か不動産を所有していることは情報交換をして知っており、また、良い物件があれば買い増ししたい、ということを伝えていました。
そして、条件として、「ネットキャッシュがプラスであること」「税効果がとれること」「山手線内の物件であること」を挙げていました。
こういった物件であれば、検討のテーブルに載せる、それ以外は今のところ考えていない、と明確に伝えていたのです。
過去、その不動産会社からは、3つのうち2つを満たす物件の提案はありましたが、すべて首を振っていました。ただし、買う意思があることは、ずっと伝えていました。
このため、今回、この3つの条件を満たす物件があった時点で、まず真っ先に声がかかったのです。こういった、普段から、自分の要望をきちんと伝えること、そして、要望に合わない物件は断ることが、今回の取引につながったと考えます。
セットアップにおけるポイント
今回、本物件については、様々な背景がありました。「前のオーナーが現金化したくて、早めに売却した」「会社が12月決算で、決算までに数字を押し込みたかった」などです。
特に、「決算なので、少し値引きしてでも売りたい」ということを、先方は何度も言っていました。
ここは、大きな論点になります。私としては、「時間よりも、値段を重視して、安く買いたい」というのが第一の論点で、先方は、「値段を多少安くしてでも、今月中に決済を終わらせたい」というニーズがありました。
つまり、「今月中に、値引きした状態で買うこと」は、お互いにとってWin-Winだったのです。
そこで、私は、まず、最初の商談で、「値段だけがポイントになる」と伝えました。(実際、本当に論点はそこだったため。)
そして、値段が良ければ買う方針を伝えました。そうすることで、先方と「買う意思があること」「値引きを要求していること」を明確にしたのです。そうすることで、先方も、社内調整がしやすくなる可能性があります。
戦術におけるポイント
実際、最初に提示されたのは、「50万円の値引き+諸経費無料」でした。しかし、それだと、個人的には、利回りが投資基準ぎりぎりの状態であり、もう少し値引きが欲しい、と思いました。
そこで、「海外の株式の利回りが6%くらいなので、それと比較して考えたい」という旨を伝えました。その上で、300万円の値引きを依頼しました。さすがにその金額は通ると思っていませんでしたが、希望を伝えることで、先方の譲歩を引き出しました。
この部分で重要なのは、価格提示を先方任せにせず、こちらから逆提示すること、そして、その理由を明確にすることです。今回は、300万円にいかに近づけるか、を提示したことで、先方の値引きを最大限引き出すことができたと思います。
交渉の最終結果は?
交渉の結果、条件としては、「150万円値引き+諸経費分+10万円キャッシュバック」という条件を得ることが出来ました。都内の中古マンションでは、相場以上の利回りが取れていると思います。今回は先方が決算前ということで、最大限の譲歩を引き出すことができました。
不動産売買における「交渉術」の使い方〜有利に交渉をすすめるために(後編) まとめ
今回の交渉で良かった点は、
「相手に買う条件を伝えていて、希望にあった物件はすぐ提案がもらえるよう関係を築いていたこと」
「相手が決算前で、決算前に売るという目的を譲歩しつつも、値段については譲歩してもらうようなスタンスをとったこと」
「自分の価格の希望を、根拠を持って伝えたこと」
の3点だと思います。
もちろん、ここまでスムーズに行くケースというのは、あまりないかもしれません。
しかし、交渉というのは、遠慮せずに、きちんと要望を伝えることで、相手から思いがけない譲歩があるケースもあるでしょう。まずは、「きちんと交渉するんだ」という気持ちを持つことが、交渉術を身に着ける第一歩かもしれませんね。

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