ちゃんと知っておきたい不動産投資のリスク 不動産投資解説E

ちゃんと知っておきたい不動産投資のリスク 不動産投資解説F

第六回では、不動産投資をするにあたって、最大のポイントともいえる「お金の借り方」について解説しました。

 

第六回はこちら⇒不動産投資の融資審査がおりやすい人とは 不動産投資解説E

 

不動産投資にあたり、お金を借りることは重要です。なぜなら、レバレッジをかけることで、少額のお金で、リターンを得ることができるからです。

 

しかし、お金を借りるということは、リスクでもあります。

 

ここは、いったん立ち止まって、今回は再度、不動産投資におけるリスクには、どのようなものがあるのかについて、解説していきます。

 

そもそもリスクとは何なのか

まず、リスクという言葉をきちんと理解しておきましょう。リスクは、多くの日本人が「孫をする、失敗する」という意味で使いますが、金融業界では「期待値に対するブレ」のことを指します。

 

たとえば、1回10円で引けて、5回に1回100円であたるくじの期待値は20円です。一方、1回10円で、500回に1回10000円があたるくじの期待値も同様に20円です。

 

両者ともに期待値は同じです、が、後者の方があたりはずれが大きいです。これを、「リスクがある」状態と呼びます。リスクとは、ボラティリティのことであり、決して悪いことではないのです。

 

ハイリスクハイリターンは、リスクも高いが、リターンも大きい、FXなんかはこれにあたる投資法です。一方、ローリスクローリターンは、定期預金や債権などが当てはまります。不動産は、一般的には、ミドルリスクミドルリターンであると言われています。それなりのリスクをとって、それなりに儲ける、という方法になります。

 

不動産の抱える、事業上のリスクとは? 空室リスクを対処するために

では、不動産は、実際、どのようなリスクを持っているのでしょうか。大きくわけると、事業上のリスクと、金融商品としてのリスクに分かれます。

 

事業上のリスクで一番大きいのは、「空き室リスク」でしょう。

 

空き室だと、収入が入ってきません。返済や修繕積立金等の支払いはあるため、空き室の分だけ、月の収支はマイナスになってしまいます。

 

不動産オーナーは、最も空き室を嫌がります。

 

では、そんな空き室リスクに対しては、どのように対処すればよいのでしょうか。一番は、「空き室がゼロになることはない」と理解しておくことです。

 

どれだけ人が増えている地域であっても、空室ゼロはありえません。これを理解して、取り組むことが重要です。

 

どうしても空き室が嫌だ、という人には、サブリースと呼ばれる、いくらかお金を払って、空き室があるかないかにかかわらず、毎月お金が入ってくる方式、というものもあります。

 

また、他にも、事業上のリスクとしては、賃借人がお金を払わない「延滞リスク」や、マンションの設備にトラブルが起きて、予定外の出費が発生するリスク、また、火災や地震等の災害でマンションがなくなってしまうリスクもあります。

 

不動産の金融商品としてのリスク 価格下落リスク

また、金融商品としてのリスクは、価格の下落リスクです。不動産の値段は、土地の値段と建物の値段に分かれます。

 

このうち、建物については、当然、使用されて、経年劣化するため、その価格は年々下がっていきます。

 

一方、土地については、原則、市況によって影響を受けます。市況は、景気による土地の値段の上げ下げ、金利やインフレの影響、また、その地域の人口動態など、様々な影響を受けて変化します。

 

このリスクについては、「極力価値の落ちない場所を探す」ほかありません。価値の落ちない場所というのはありませんが、それでも、価値が落ちにくい場所というのはあります。

 

たとえば、大都市圏、駅近などです。駅から遠ければ遠いほど、そのエリアの魅力度が下がれば、不動産価値が落ちるのが早いです。

 

また、人口減少は、地方から順に起こっていきます。こういう社会情勢を頭に入れておくことで、価値の落ちない場所を探す、ということはできると思います。

 

また、価値が下がった時に、無理して売らないようにするために、ある程度の余剰資金を持っておくことも重要です。余裕を持っておくと、安い時に売らなくてよいだけでなく、買い増しもできたりするなど、メリットも大きいです。

 

ちゃんと知っておきたい不動産投資のリスク まとめ

投資におけるリスクとは、「失敗する」という意味ではなく、「ボラティリティが大きい」という意味で使われます。

 

その観点でいくと、不動産はミドルリスク、ミドルリターンであるといえます。

 

不動産のリスクは、大きくわけて、「事業上のリスク」と「金融商品としてのリスク」があります。事業上のリスクで最も大きいのは空き室リスクですが、空き室がゼロになることはないので、ある程度織り込んで投資をするべきでしょう。もしどうしても空き室が嫌な場合は、サブリースを使う方法もあります。

 

一方金融商品としてのリスクは、値下がりリスクです。しかし、不動産に値上がり、値下がりはつきものです。値下がりしづらい土地を選ぶこと、また、寝下がっても売らなくてよいくらい、余裕を持った投資をすることが、失敗しない秘訣です。

 

このように、不動産にはリスクがありますが、その分リターンもそれなりに大きくとることが出来ます。きちんとリスクを理解したうえで、投資を行うとよいでしょう。

 

次回は具体的な空室リスク対策についてです。
【空室リスク対策】賃貸物件にずっと入居者が入り続けるためには?不動産投資解説G

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