不動産投資とREITは両立できる?どちらがおすすめか?

不動産投資とREITは両立できる?どちらがおすすめか?

知っておきたい不動産知識、第1回はREITについて説明しました。

 

前回の記事はこちら⇒REITとはなにか?不動産投資との違いは?

 

リートは不動産を証券化した金融商品であり、高いインカムゲインがあること、金融商品としては、ミドルリスク・ミドルリターンであることが特徴と言えるでしょう。

 

では、本当の不動産投資と、REITは、両立できるのでしょうか。また、両立すべきではないのでしょうか。今回は、資産運用の観点から、両者を比較したいと思います。

 

不動産投資とREITの特徴を整理する

まず、不動産投資とREITの特徴をしっかりと理解しましょう。

 

不動産投資は、対象が不動産そのものになります。

 

不動産投資の特徴を再度整理すると、

 

【不動産投資の特徴】
・2つと同じものはないので、個々の物件の良し悪しに収益が左右される。
・空き室リスクなど、事業上のリスクが存在する。
・一方、土地の値上がり、値下がりなど、金融商品としての側面も存在する。
・事業扱いなので、給与と相殺でき、税金のメリットが出ることがある。
・事業扱いなので、金融機関から、現物を担保とした融資が引き出せる。

 

このあたりが、不動産の特徴になります。

 

一方、REITの特徴をおさらいすると

 

【REITの特徴】
・金融商品であり、また、上場していることから、市場での流動性は高い。
・物件から出た収益は、配当利回りという形で還元される。
・土地の値下がりなどの要因は、REITの価格に反映される
・多くの物件をまとめて証券化しているため、事業上のリスクは平準化して、収益と相殺される。
・金融商品なので、給与との合算はできない。ただし、利益が出た場合の税金は、約20%程度。

 

このあたりがREITの特徴になります。

 

共通している部分と、全く異なる部分があるのがわかりますね。共通点は、土地の値上がりや値下がりの影響を受ける、という点です。一方、それ以外の点では、異なる部分が多くあります。

 

不動産投資とREITは両立可能!しかし…

結局のところ、REITと不動産投資は、両立できるのでしょうか。結論から言うと、不動産投資とREITは両立可能です。

 

なぜなら、そもそもの成り立ちが全く異なるからです。

 

不動産投資は、あくまで事業です。事業だからこそ、金融機関も融資をつけてくれるし、税金上のメリットを受けることができるのです。

 

ただし、REITはあくまで、金融商品です。株とか債券とかと同じで、配当と値上がりが目的で保有するものです。

 

そもそもの性質が全く異なるので、本来REITと不動産投資は、全く別物と考えるべきです。

 

別物であれば、当然、両立することは可能と言えるでしょう。

 

しかし、唯一の共通点である、土地の値上がり、値下がりの影響を受ける、という点においては、注意をすべきだと思います。

 

土地が急激に下がると、REITも、不動産投資も、価値が目減りします。逆に、土地が上がると、REITも、不動産投資も、大きく資産が増える可能性はあります。

 

今後、日本の地価が上がっていくかどうかは、物価などの経済的要因と、人口などのマクロの要因が複雑に絡み合ってきます。土地は有限のため、価値がなくなることはありませんが、土地の値上がりが続く、と強く考える人以外は、不動産投資とREITの両立は、リスクが高いポートフォリオを組んでいることを想定した方がよいかもしれません。

 

不動産投資とREIT、どちらかを選ぶとしたら?どちらがおすすめか?

では、どちらかを選ぶとしたら、どちらを選べばよいでしょうか。

 

基本的には、不動産投資をおススメします。理由は2つあります。

 

1つは、まず何より、金融機関からお金を借りれることです。投資に対しては、もちろん融資はつきません。

 

しかし、事業である不動産投資には、融資がつくのです。これが最大のメリットであると考えます。

 

たとえば、2000万円の物件で、年に20万収益が出るとします。その場合、利回りは1%になります。

 

しかし、これが、頭金の100万円のみで、あとが借入だとした場合、100万円で20万円の収益を出しているわけですから、利回りは20%と考えることができます。このレバレッジの活用が不動産投資の大きな魅力です。REITではこれはできません。

 

もう1つのメリットとしては、税金が合算できることです。たしかに個別物件の方が、リスクが大きいことは事実です。しかし、仮に空き室が出てしまって、マイナスになってしまっても、総所得を給与と合算できるため、ある程度の損失は吸収できます。これも金融商品ではできない、大きな不動産投資のメリットと言えるでしょう。

 

一方、REITにもメリットはあります。流動性が高いため、短期での売買があること、リスクは不動産投資に比べて限定されていること、手間がかからないことがメリットです。不動産投資をしたいけど、リスクが怖い、とか、とにかく手間をかけずに投資をしたい、という人は、REITでもよいのかもしれません。

 

不動産投資とREITは両立できる? まとめ

不動産とREITは、同じ不動産を対象とした投資であっても、異なる部分が大きくあります。

 

その最たるものは、不動産投資が事業であるのに対し、REITは金融商品への投資とみなされることです。本来であれば、REITは株式や債券と同じ種類の投資になります。よって、不動産投資とREITは全く別のものなので、投資可能と言えるでしょう。

 

しかし、土地の値上がり、値下がりのリスクがあることは、理解しておいた方がいいかもしれません。

 

もし、どちらか一方だけを選ぶとすれば、やはり、税金のメリットを生かせ、レバレッジが可能な不動産投資がおススメです。しかし、手軽に投資をはじめたい、または、リスクを減らしたい、という人にとっては、REITの方が手軽ではじめやすいかもしれません。

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