店舗不動産は「立地」が重要!成功させるコツについて

店舗不動産は「立地」が重要!成功させるコツについて

前回は、店舗・事務所不動産について解説しました。店舗用の不動産は、住居用に比べ、一般的に利回りが高く、また、保証金や、敷金の面で有利なこと、さらに、原状回復の必要がなく、スケルトンで引き渡しできるなど、メリットが多い一方、空室リスクや賃料下落リスクが大きいこと、そして、業態によって必要な設備が異なることから、投資としては上級者向けであり、ハイリスク・ハイリターンであると言えるでしょう。

 

前回の記事はこちら⇒店舗賃貸投資のメリット・デメリットは?高利回りが特徴

 

今回は、さらに一歩踏み込んで、店舗不動産で最も重要な「立地」について考えてみたいと思います。

 

立地が良いとはどういうことなのか、利益が確保できる立地とはどのようなものなのか、について解説します。

 

なぜ、店舗不動産において、「立地」が最も重要なのか?

まず、店舗不動産で、なぜ立地が大事なのかについて解説します。もちろん、立地がよければお客さんが多く来る可能性が高く、売上が期待できることが直接的な要因です。しかし、それ以外にも、立地が重要になるのは、以下のような理由があるからです。

 

物件の築年数はあまり問題にならない

住宅用の不動産であれば、築年数は大きく気になり、賃料に影響を大きく与えるところです。

 

しかし、店舗用の物件の場合、築年数はあまり大きな問題にはなりません。

 

なぜなら、店舗物件の場合、内装は、すべて借主が施工するからです。そのため、中の壁紙などは、そもそも全く賃料の交渉材料にはならないのです。このことから、余計に立地が家賃の材料としてフォーカスされるのです。

 

借主も「事業者」である

前回も少し話をしましたが、ほとんどの場合、借主も事業者になります。つまり、借主も自分のお金ではなく、どこからかお金を調達してきて、物件を借りたり、内装を行ったりするわけです。

 

その場合、お金の貸主に対して、事業内容について説明する必要が出てくる場合もあります。なぜなら、お金を出した人は、「きちんと事業をして、資金を回収できるか」を重視するからです。

 

事業内容で最も重要なのは、「どれだけ売上の見込みがあるか」です。その見込みをたてるのに、来店数は重要なファクターです。さらに、来店数を予想するのに、立地が重要な要素になるのです。このことから、立地は必要以上に重視される傾向があるのです。

 

「商圏」という考え方を理解する

店舗の場合、「商圏」という考え方で、立地がよいかどうかを判断する傾向があります。商圏は業態ごとに考え方が異なりますが、個人商店なら、10分以内にアクセスできる範囲が商圏と言われています。

 

店舗を出店する人は、どれくらいの商圏が店舗にあるかを調査します。たとえば、商圏にある世帯数や、男女比、年齢別の人口比、近隣の工場や学校など、どれくらいの人が店の商圏内にいるかをチェックします。これにより、どれくらいの売上が見込めるか、事業計画をたてるわけです。

 

つまり、店舗物件を買う際も、これらの情報が活用できるわけです。もし、商圏が良いのにもかかわらず、物件価格が低い場合は、投資する価値が十分にあります。一方、立地が良いのにもかかわらず、商圏で見てみると、いまいち、と言うケースもあるかもしれません。その場合は、投資を見送ったほうが良いと言えるでしょう。

 

密集地=いい立地、ではない?

また、店舗物件の立地については、密集地がいい立地であるかのように言われています。やはり駅前であれば家賃が高く、もちろん商圏として申し分ないでしょう。

 

しかし、それだけでいい立地として判断してはいけません。密集地であれば、それだけ競合も多いということになります。入ってくるテナントが競争力のあるテナントであれば、お互いにWin-Winになるかもしれません。

 

しかし、そうでないテナントの場合は、賃料の減額交渉などが起こるかもしれません。また、儲からないと判断した場合は、撤退することもあり、結果、空室率が高くなってしまうというリスクもあります。密集地であればあるほど、テナント間での競争も激しく、リスクも高くなってしまうことは理解しておいた方がよいでしょう。

 

一方、まったく密集していない地域でも、投資対象として魅力的な地域はあります。私の知り合いの話ですが、工場の近くの空き店舗を、安値で購入しました。近隣に店はなく、商圏もあまり大きくないエリアです。しかし、工場の近くというところに目をつけて、安値でスナックに貸出を行いました。

 

周りに店舗がないため、必然的に飲む場所を探していた工場勤務の方に、人気が出て、スナックは繁盛。かなり高い利回りで運用ができているそうです。こういった盲点をついて、投資を行うことで、高い利回りが期待できるのは、店舗物件ならではと言えるでしょう。ただし、ハイリスクであることに変わりはないため、注意が必要です。

 

店舗不動産における「立地」の考え方は? まとめ

店舗不動産は、住居に比べて、賃料における立地の材料が非常に高いウェイトを占めます。なぜなら、店舗の場合、内装は自分たちで工事を入れること、また、店舗の事業計画をたてる上で、立地は売上を大きく左右するからです。

 

店舗物件は、立地を「商圏」で考えます。立地がよいわりに、商圏が狭い場合もあれば、立地がいまいちのように見えて、商圏が広い場所というのはあります。店舗の経営者は、商圏という考え方を非常に重視するので、店舗用物件を選ぶ時には、商圏をいう考え方を導入してみるとよいでしょう。

 

また、立地がよくても、競争環境が厳しければ、家賃交渉や退店などのリスクは高まります。逆に、立地がよくなくても、盲点をつけば、高い利回りを得ることができるのも店舗物件の魅力です。

 

いずれにせよ、ハイリスク・ハイリターンではありますが、上級者向けの投資として、検討してみてもよいかもしれませんね。

 

次回は海外不動産投資について書きました。
海外不動産投資のメリットとは?利回りが高く為替対策にも

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