海外不動産のリスクはどれくらいあるの?知っておきたいデメリットについて
前回は、日本を飛び出して、海外の不動産に目を向けてみました。
前回の記事はこちら⇒海外不動産投資のメリットとは?利回りが高く為替対策にも
海外不動産と一言で言っても、先進国なのか、新興国なのか、それにオフィスビルなのか、住宅なのか、様々な種類の投資があります。海外不動産は、日本に比べ、開発余地が大きく、インカムゲイン、キャピタルゲインの両方が期待できると言う点と、通貨を分散させることで、リスクヘッジができるという観点から、今、不動産投資家の間で注目が高まっています。インターネットの発達により、情報が取りやすくなったことも一つ要因として挙げられます。
しかし、海外不動産は、メリットばかりではありません。もちろんデメリットやリスクもあります。今回は、海外不動産のデメリットとリスクについて解説します。
海外不動産取引のデメリットは?
海外不動産のデメリットと言われているのは、次の4点です。
デメリット@:不確実な未来に投資する
海外不動産のメリットは、将来にわたって値上がりが期待できることです。しかし、それは、値上がりしない可能性もある、ということを理解しておいた方がよいでしょう。
たとえば日本の不動産であれば、契約さえすれば、マンションが建たない、ということはまずありえません。
しかし、海外であれば、日常茶飯事とは言わないまでも、契約したマンションの工期が遅れたり、工事そのものが中止になった、という話も聞きます。もちろんそういったこともなく、順調に資金回収できた例もありますが、日本の不動産に比べ、海外不動産、特に新興国の未開発物件に投資する場合は、その不確実性は、デメリットになる可能性もあります。
デメリットA:世界情勢やその国の法制度の影響を受けやすい
また、海外の不動産ということで、日本のルールが適用されないことが多くあります。日本であれば、もちろん物件価格の変動は、景気によって左右されたりする部分もありますが、常識の範囲内に収まることが多いです。
それはなぜかというと、日本の不動産のルールや慣習を、身をもってよく知っているからです。また、世界的に見ても、日本の経済、政治は、良くも悪くも安定しています。
しかし、海外不動産は、全く勝手が違います。
たとえば、明日にでもクーデターが起きる可能性がある国というのもあります。また、中国などに関しても、次の日に法制度が変わり、物件を差し押さえられる可能性もあったりします。金融危機が起きたりすると、不動産価値も合わせて暴落してしまうかもしれません。
このように、我々が予想だにしなかったことが起こる可能性が、やはり新興国では多いと言えるでしょう。これも一つのデメリットと言えます。
デメリットB:情報はやはり限定的
海外不動産の情報が手に入りやすくなったと言っても、その情報はやはり限定的です。
日本でもたまに見かけますが、不動産を売りたいがために、メリットだけを提示し、デメリットを隠す、というような手段をとられることもありますし、そもそも情報が二次情報、三次情報で、正しい情報ではなくなっているかもしれません。情報の取捨選択が非常に難しいことも、デメリットの1つと言えそうです。
デメリットC:銀行融資はつきづらい
日本の不動産と異なり、銀行融資は非常につきづらいです。なぜなら、海外の土地は評価が難しいうえに、そもそも銀行として担保扱いをしてくれないからです。別の資産を担保にする必要があったり、評価額の30%しか融資が出ない、という例もあります。
海外の銀行から直接借りるという例もありますが、海外の銀行は日本に比べると金利が高いです。さらに、海外の銀行とそもそも取引をするのは、かなりハードルが高くなります。
レバレッジが効くことが不動産投資のメリットの1つですが、海外不動産に関しては、レバレッジに関してはあまり期待できないでしょう。
海外不動産を始めるのに注意すべき点は?成功させるためには?
では、実際海外不動産を始めるのに、注意すべき点をあげてみましょう。
信頼できる事業者を探す、これに尽きる!
まずは信頼できる事業者を探しましょう。これにつきます。
信頼できる事業者を見極めるポイントは、「きちんと実績があるかどうか」です。
セミナーでそれなりに説明されても、いかに魅力的に見えても、実績がない業者を選んではいけません。多少利回りがよくなくても、海外不動産投資の実績が豊富であれば、いざと言う時にきちんとサポートしてくれるはずです。不確実な情報が多い分、未来ではなく、過去の実績を重視したほうがよいでしょう。
日本の不動産投資とは分けて考える
日本の不動産投資と海外の不動産投資は、日本株と海外株以上に異なります。なぜなら、不動産は、その国の事情に大きく影響を受けるからです。
なので、海外の不動産と日本の不動産を、同じ「不動産」という括りで投資することはおススメしません。海外不動産は、ハイリターンですが、その分リスクも大きくなります。単独で考えて、リスクがリターンに見合うかどうかをきちんと考えるべきでしょう。
海外不動産のリスクは?注意すべき点を紹介 まとめ
海外不動産は、メリットも大きいものの、それに伴ってデメリットも大きくなります。主なデメリットは、不確実性が多いこと、その国の制度等に大きく影響を受けること、また、情報が不確実で、融資がつきづらいことなどがあります。
日本の不動産投資と、海外不動産投資はそもそも全く別物です。魅力を感じ、海外不動産に投資するのは悪い選択肢ではありません。しかし、その際は、リターンを追いかけすぎず、信頼できる事業者を探すこと、加えて、日本の不動産投資とは別の投資であるときちんと理解して、投資を始めるとよいでしょう。
次回は海外不動産の具体的なやり方について書きました。
⇒海外不動産の初心者の始め方を具体的に紹介します。

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