楽器可能な特殊物件のメリット・デメリットは?

楽器可能な特殊物件のメリット・デメリットは?

前回は、特殊物件のうち、ペット可物件について紹介しました。特殊であるが故に、家賃が高くとれたり、入居率を高くキープできたり、とメリットも数多くあるものの、トラブルの原因になったり、物件の損傷を早めてしまったりと、それなりにデメリットもあるのが特殊物件の特徴です。

 

前回の記事はこちら⇒特殊物件のメリット・デメリットは?(ペット可物件など)

 

今回は、特殊物件の中でも、ペット可物件と並んで注目度の高い、楽器可物件について紹介したいと思います。楽器可物件のメリットやデメリットを中心に、その特徴を紹介していきましょう。

 

音に関するトラブルは、実は結構多い?

まず始めに知っておきたいのは、マンションの住民は、音に対する不満を持っていることが多い、ということです。

 

具体的なデータを見ると、平成25年に国土交通省が実施した「マンション総合調査」によると、マンション内でのトラブルの原因として、最も多いものは、居住者間の行為・マナーに関するものであり、2人に1人以上がトラブルの原因になりえる、と答えています。

 

さらに見てみると、生活音というのは、「違法駐車」に引き続き、マナーの中でも2位と、上位の原因になっているのです。それだけ、マンションの騒音にイヤな思いをしている人は多いということでしょう。

 

音楽だし、少しくらいはいい、と思うかもしれませんが、どれだけいい音楽であっても、必要でないときに聞く音は、雑音以外の何物でもありません。騒音がもとでトラブルや、訴訟になったという例も存在しており、音といっても、バカにはできないものなのです。

 

楽器可物件のメリットは?

そのようなトラブルを避けるためにも、楽器可物件に住みたい、というニーズは多くあります。では、投資する側としては、どういったメリットがあるのでしょうか。具体的に紹介します。

 

入居率が高い

これは、ペット可物件と同じですが、やはり楽器可物件も、首都圏を中心に、ニーズに供給が追い付いていない状態です。入居者も、なかなかマーケットに楽器可物件が出てこないことはよく知っています。そのため、空き室が出ても、埋まりやすく、また、一人当たりの入居年数も長くなります。結果、入居率が高くなり、高い利回りを得ることができるのです。

 

家賃を高く設定できる

これもペット可物件と同じです。楽器可物件は、初期に物件自体に投資する必要があります。そのため、周りの楽器可物件も、そのエリアの一般的な賃貸物件に比べて、値段を高く設定していることが多いです。また、供給が少ないことから、多少高い家賃であっても、入居者も支払いをしてくれます。これにより、高い利回りを実現することも可能です。

 

楽器を弾く人以外にもニーズがある

これが、ペット可物件とは大きく異なる点でしょう。ペット可物件は、ペットを飼わない人にとっては、デメリットでしかないため、まずペットを飼わない人は入居しない、と言ってよいでしょう。

 

しかし、楽器可物件には、楽器を弾く人以外にも、生活騒音を気にせず暮らしたい、といった人が入居してくる可能性もあり、間口がペット可物件に比べ広く、お客さんが付きやすいといえます。

 

劣化等は普通のマンションと同じ

ペット可の場合、物件の損傷や劣化は、ペットがいる分ある程度覚悟する必要がありましたが、楽器可の場合は、そのような心配はありません。通常のマンションとおなじような損傷や劣化になるので、その辺はリスクが小さいと考えてよいでしょう。

 

楽器可物件のデメリットは?

では逆に、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

 

初期投資が高い

楽器可物件のデメリットの1つとして、初期投資にお金がかかるということがあります。通常の物件と異なり、壁に緩衝材を入れたり、遮音用の換気扇を導入したりと、決して安いものではありません。

 

しかも、防音にも種類があり、完全防音や、一部防音など、かけれるコストによって、得られる効果は様々です。どの防音タイプがよいかは、収支計画を見ながら決定する必要があります。

 

トラブルはゼロではない

トラブルは、ペット可物件に比べると少ない傾向はあるものの、それでも決してゼロではありません。窓を開けて演奏する、夜中のちょっとした音が気になる、など、設備だけではどうしようもない部分もあるからです。

 

こういったトラブルを避けるために、演奏時間の制限をしているマンションもあります。そうすると、マンションの魅力度は下がってしまいますよね。これも、どこまでベネフィットを提供するか、マンション全体のプランをする際に決める必要があります。

 

今後、楽器可物件はますます価値があがる?

今後、楽器可物件は価値がさらに上がるのでは、と言われています。

 

なぜなら、楽器可物件は、普通のマンションから楽器可マンションへの転用は、あまり現実的ではありません。しかも、初期の建設コストは、どんどんあがっていっており、家賃が増える分以上に、設備費がかかるケースもあるからです。新しく楽器可物件を作ろう、という人は、今はあまりいないです。

 

そのため、今の楽器可物件は、今後、ますます価値があがる可能性もあります。もし、手ごろな値段の楽器可物件が売りに出て言えば、今が買うチャンスかもしれません。

 

特殊物件のメリット・デメリットは?(楽器可物件) まとめ

楽器可物件も、ペット可物件同様、需要に対し供給が追いついていないため、人気がある物件になります。そのため、高い家賃や、高い入居率がキープできることがメリットと言えるでしょう。また、ペット可物件に比べて、入居者の間口が広いことや、物件の損傷が少ないことは、楽器可物件ならではのメリットといえます。

 

しかし、初期の設備投資が高く、また、グレードがあり、選ばなければいけないところ、そして、トラブルがゼロになるわけではないことなどがデメリットと言えるでしょう。

 

ただ、今後も、供給が絞られることから、楽器可物件はますます価値があがる可能性もあります。初期投資ができるのであれば、一度投資を検討してみてもいいかもしれませんね。

 

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