不動産投資にかかる諸経費と税金について 不動産投資解説H

不動産投資にかかる諸経費と税金について 不動産投資解説H

第八回では、不動産の最大のリスクともいえる空室リスクを減らすために、立地をしっかり選ぶこと、また、オーナー自身が営業活動をすることで、リスクを軽減できる、ということを解説しました。

 

第八回はこちら⇒【空室リスク対策】賃貸物件にずっと入居者が入り続けるためには?不動産投資解説G

 

ここまでで、不動産を実際に選び、お金を借り、買って、入居者を見つける、というところまで来た形になります。

 

ただし、これで不動産投資が終わったわけではありません。不動産を購入した後も、まだまだやることはあります。

 

今回は、不動産を購入した後に発生する、登記と、納税について解説します。

 

不動産を購入しただけでは自分のものになっていない?

不動産は、どこで購入したことになるか、知っているでしょうか。賃貸不動産の場合、引き渡しがないので、想像がつきづらいかもしれません。実は、お金を振り込みしたときでも、融資が通った時でもないのです。

 

本来、不動産は、契約書を締結した時点で、所有権が移転します。これを法律用語で意志主義といいます。

 

しかし、契約書だけでは、この土地が誰のものか、というのが、当事者以外にははっきりとわかりません。そこで、所有した、ということを、第三者に示すために、登記を行うのです。これを行うことで、所有者であると、法律でも認められます。不動産にとって、登記は非常に重要です。

 

登記では、所有以外にも、様々な情報を得ることができます。たとえば、賃貸している場合は、賃借権というものを持っているのですが、賃借権を登記することも可能です。ただし、マンションの賃貸の場合、ほとんど賃借権は登記しません。実際に住んでいるという事実で、法律でも保護されるようになっています。

 

不動産を購入した場合、2つの登記を設定します。1つ目は、所有権の登記です。要するに、持ち主が誰であるか、ということを示すわけです。

 

もう1つは、抵当権の登記です。実は、金融機関がお金を貸すときは、必ずマンションを担保に取ります。返せなくなった場合は、金融機関が差し押さえできるようになっているのです。抵当権を設定することで、金融機関が担保にとっている、と示すことができるのです。

 

登記を設定するには、専門家に頼むのが一番です。大抵の場合、不動産会社が、司法書士を紹介してくれることが多いです。料金もそこまで高いわけではないので、お任せするのが良いでしょう。

 

気になる諸費用の詳しい中身とは?

マンションを購入する際に、見積もりには、頭金の他に、諸費用、と書いています。

 

この「諸費用」とは、いったい何のために使われるお金なのでしょうか。

 

諸費用は、主に手数料、と税金からなっています。

 

手数料は、不動産会社への手数料、および司法書士への手数料になります。司法書士への手数料は、登記を申請する際の代行手数料です。

 

一般的に、一物件に対し、5万円〜20万円くらいというのが相場です。

 

一方、不動産会社にも、売買の手数料を支払う必要があります。この手数料は、法律で上限が決まっています。税抜きで400万円以上の物件をかうばあいは、6万円+3%、という形で上限が決まっているのです。

 

ただし、下限は決まっていないので、値引き交渉は可能です。たとえば複数件買う場合や、不動産会社との付き合いが長い場合は、買い手の手数料は、安くしてくれるところも多いです。一方売る場合は、手数料の値引きは難しいようです。相談すれば値下げ可能なポイントなので、関係を壊さない程度に、お願いしてみてもよいかもしれません。

 

かかる税金は、印紙税と登記を登録する際にかかる、登録免許税になります。印紙税はマンションの売買金額によって変わってきます。たとえば2000万円のマンションの場合、契約書に1万5千円の印紙を貼る必要があるのです。

 

登録免許税についても、所有権移転は固定資産税評価額の1%、抵当権は債権額(借入額)の0.4%と決まっています。ここまでが諸費用のすべてです。

 

マンション購入後、しばらくすると納税通知が来る?

また、購入後しばらくすると、市町村から納税通知が来ます。これは不動産取得税といって、取得した年のみかかる税金になります。固定資産税評価額に対して、一定の割合でかかってきます。

 

また、同じような通知が、2年目以降も毎年来るようになります。これは固定資産税・都市計画税という税金で、不動産を所有していることに対して発生する税金です。こちらも固定資産税評価額に対して、一定の割合でかかります。

 

ただし、不動産取得税に比べると、約2/3で住むことが多いです。買った時期ではなく、その年の1月1日に不動産を保有していれば発生する税金になります。

 

知っておくべき、不動産と税金の関係 まとめ

不動産は、お金を払った時点で所有権が移るのではなく、契約書を締結し、なおかつ登記をあげることで、第三者に対しても所有を示すことが出来るのです。なので、不動産を購入した場合、必ず登記をあげなければいけません。

 

登記は司法書士が対応してくれることが多いでしょう。

 

また、不動産を購入した後にも、様々な費用がかかります。見積書には「諸費用」と書いていますが、中身は不動産会社への手数料および司法書士への手数料、および税金になります。税金はマンションの価格、および固定資産税評価額によって決まっています。不動産会社への手数料も上限が設定されています。

 

交渉によっては手数料は下げられるかもしれません。

 

また、不動産を購入してしばらくすると、自治体から納税通知が来ます。これが不動産取得税といって、取得した時に発生する税金です。二年目以降も同様の通知が来ますが、これは所有していることに対して発生する、固定資産税および都市計画税です。いずれも固定資産税評価額によって金額が決まります。

 

このように、不動産を購入したあとも、もろもろ費用が発生します。あとで請求がきて、お金がない、と騒がないように、事前に準備しておきましょう。

 

次回は確定申告についてです。
不動産投資の確定申告と節税方法  不動産投資解説I

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