不動産投資の融資審査がおりやすい人とは 不動産投資解説E

不動産投資の融資審査がおりやすい人とは 不動産投資解説E

第五回では、不動産投資の事業としての側面の重要性と、下見に行くべき理由と、下見に行った際に見るポイントについて話をしました。

 

いよいよ物件を買うことを決めたら、次は重要な「お金を借りる」という行為が発生します。

 

自分のお金だけで不動産を買うことができれば、リスクは小さくなりますが、高い買い物のため、なかなかキャッシュでマンションを買える人が少ないかと思います。

 

今回は、マンションを買うための「金融機関にお金を借りる」の部分について解説します。

 

不動産ローンは今が借り時?審査がおりやすい状況か

まずは、不動産投資ローンに関わるマクロ的な説明からしましょう。アベノミクスが起こったあと、金融機関は積極的に融資することを求められました。

 

ただし、企業はリーマンショックの痛い経験があるため、なかなかお金を借りてくれません。

 

ですが、アベノミクスにより、日銀からはどんどんお金が刷られるので、お金が余ってしまいました。この矛先が向いたのが、不動産ローンです。

 

銀行は不動産ローンの金利を下げたり、貸出条件を緩和することで、不動産ローンを借りやすくしました。

 

その背景を受け、新築のワンルームマンションを中心に、不動産投資熱が再度過熱しました。2016年の不動産への貸出金は12兆円となっており、過去最高の数字になっています。

 

あまりの過熱ぶりに、日銀が「注視する」というコメントを出して、今は落ち着きつつありますが、大きな状況は変わっていません。

 

基本的に、金融機関は、「貸したがっている」状態で、あり、投資家にとってはチャンスだといえるでしょう。

 

金融機関は「モノを担保に」「人に貸す」 融資審査の判断基準について

では、金融機関は、どのようなスタンスで、投資家を選んでいるのでしょうか。

 

金融機関の基本的なスタンスは、「人に貸す」です。あくまでマンションは担保物権であり、最終的にお金を貸すかどうかは、金融機関との面談のあとに決定します。

 

ただし、借りる金額の上限というのは、モノによって決まります。新築であれば100%フルローンというのも可能ですが、中古だと頭金をある程度いれる必要がある場合もあります。この金額については、不動産業者を間に挟んで交渉してもらった方が、後々の交渉に響かないのでよいでしょう。

 

金融機関との面談で気をつけるべきポイントは?

では、具体的に、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。

 

まず頭に入れていただきたいのは、金融マンは、リスクを嫌う傾向がある、ということです。

 

口では貸したい、貸したいと思っていても、返せなくなった時のリスクを彼らはとりたくないのです。なので、本心では保守的である、と理解しておいてください。

 

金融マンが気にしているポイントは、「お金を返せるかどうか」です。お金を返せるかどうかの指標として見ているポイントは、「支出が少ないかどうか」と「収入が多いかどうか」、そして、「借入額が適切かどうか」です。

 

支出が多いかどうかについては、これまでの貯蓄額等で判断されます。中には、どのように貯めたか、まで聞いてくる金融マンもいます。これは事前に、保険や株まで含めて、持っている資産を示せばよいでしょう。

 

収入が多いかどうかについては、今の収入はもちろんのこと、転職予定があるかないか、まで聞いてくることもあります。転職が多い場合は、収入が安定しない、と見られることもあります。転職が多い場合は、なぜ転職したか、をきちんと答えれるようにしておきましょう。

 

ただし、「転職後も、安定した収入がある」という観点を、忘れずに伝えた方がよいでしょう。

 

また、セミリタイア希望、という方もいるかもしれませんが、これはあまり金融機関に伝えない方がよいかもしれません。なぜなら、金融機関は、あなたに安定収入があるから、貸出を行っているのです。安定収入がなくなるかもしれない、という話をわざわざする必要はありません。

 

最後の「借入額が適切かどうか」は、「今後さらに借金する気なのか」と言い換えてもよいでしょう。今後さらに借金をする場合は、将来返せないリスクが増えるため、金融機関は貸し渋りをすることがあります。

 

よく、「今後マンションをさらに買い増す予定ですか?」と聞かれることがありますが、これは、「はい」とすぐ答えるのではなく、「リスクを考えながら検討する」くらいにとどめておいた方がよいかもしれません。

 

不動産投資の融資審査がおりやすい人とは、出さない人 まとめ

アベノミクスもあり、金融機関は、基本的には不動産ローンを貸したがっています。そのため、投資家にとってはいいタイミングといえるでしょう。

 

金融機関は、「モノを担保に」「人に貸す」と言われています。借りれる限度額は物件によって決まることが多いですが、最後の借りれる、借りれないの判断は、金融マンがあなたと面接を行い決定されます。

 

金融マンは、リスクを恐れる傾向にあります。きちんと「安定的に返済できる」ことを面談で示さなければいけません。

 

特に、「安定的な収入があり」「支出も多くなく」「今後、不動産の買い増しも含め、リスクは慎重に検討する」ということを示せば、きっと、借り入れもうまくいくでしょう。

 

逆に、リスクをとる、という姿勢は、不動産オーナーとしてはよいかもしれませんが、金融機関受けはよくありません。これらを知ったうえで面談に臨むと、成功率も変わるかもしれませんね。

 

次回は不動産投資のリスクについて改めて解説しています。
ちゃんと知っておきたい不動産投資のリスク 不動産投資解説F

このエントリーをはてなブックマークに追加

SponserLink



関連ページ

不動産投資を行うべき理由 不動産投資初心者向け解説@
不動産投資を行うべき理由について
不動産投資セミナーには行ってはいけない理由 不動産投資初心者向け解説A
不動産投資を始めるに当たっての勉強方法について。セミナーはお勧めできない理由。
不動産仲介会社の選び方・見分け方 不動産投資解説B
不動産仲介会社の選び方・見分け方です。
稼げる不動産物件の見分け方・選び方 不動産投資解説C
不動産仲介会社の選び方・見分け方です。
必ず物件の下見に行くべき理由とチェックするポイント 不動産投資解説D
全くの初心者の方向けに不動産投資を始める方法について解説しています。
ちゃんと知っておきたい不動産投資のリスク 不動産投資解説F
「空室リスク」「延滞リスク」「時価下落リスク」など、不動産投資のリスクについて改めて解説
【空室リスク対策】賃貸物件にずっと入居者が入り続けるためには?不動産投資解説G
賃貸物件にずっと入居者が入り続けるためにはどうすればいいか?その方法、ノウハウについて解説
不動産投資にかかる諸経費と税金について 不動産投資解説H
不動産投資にかかる諸経費と税金について書いています。
不動産投資の確定申告と節税方法 不動産投資解説I
不動産投資の確定申告について