不動産投資で事業拡大のための方法 〜1件買ったら終わりではない〜

不動産投資で事業拡大のための方法 〜1件買ったら終わりではない〜

第十回では、不動産投資をすることで、戻ってくる税金や、経費の出し方のポイント、確定申告について解説をしました。

 

第十回はこちら⇒不動産投資の確定申告と節税方法  不動産投資解説I

 

第一回から第十回までを読むことで、不動産の検討のポイントから、実際の売買の際に注意すべき点、購入してからの税金や確定申告まで、一通りのことが理解できたかと思います。(初心者向け不動産投資解説(全10回))

 

中にはこの流れに沿って、1件不動産投資をしてみた、という人もいるのではないでしょうか。

 

しかし、不動産は、1件買えば、終わりというわけではありません。

 

買った後どうするかについては、色々な選択肢があります。中には、2件目、3件目と、さらに事業拡大をしたい、と思う人もいるかもしれません。

 

今回は、事業拡大のポイントと、2件目を買う時に潜む落とし穴について、解説していきます。

 

 投資における最大のポイント「複利効果」とは?

複利効果、と呼ばれる言葉をご存じでしょうか。投資に慣れた方なら、必ず聞いたことがある言葉だと思います。これは、投資の世界では、非常に重要視されています。

 

例えば100万円を、年5%で運用したとしましょう。100万円から生まれる利益は年5万円になります。

 

この5万円、使ってしまえば、来年また5万円が手に入ります。

 

しかし、5万円をさらに投資に回した場合、来年は、105万円の5%なので、5万2500円が手に入ります。そうすれば、翌年は元手が110万2500円になるのです。

 

これは、1年や2年で見ると、大きな違いはないかもしれません。しかし、長いスパンで見ると、大きく異なってきます。

 

たとえば、10年だと、普通に運用していると50万円、20年で100万円ですが、複利効果を使うと、10年で約63万円、20年だと、165万円と、大きな差になってくるのです。

 

つまり、投資で儲けた分を再投資すると、更に大きなリターンを得られる形になるのです。

 

不動産投資における複利効果とは?

では、不動産における、複利効果とは、何を指すのでしょうか。一般的に、不動産は複利効果を感じづらい投資と言われています。

 

なぜなら、不動産投資で得た収入を、直接同じ物件に再投資することはできないからです。

 

では、不動産において、複利効果を利用するということは、どういうことなのでしょうか。

 

それは、事業で出た収益を、使ったり貯めたりするのではなく、また、返済に回すのではなく、新しい物件に回す、ということです。

 

まず、不動産の収益は、毎月の余剰資金、または確定申告のタイミングで返ってくるものになります。

 

このお金を、儲かったからといって、全部使ってしまったり、ただ預金しておくだけでは、不動産の効果を十分に生かしているわけではありません。

 

せっかくですから、投資で得たお金は、複利効果を使って、さらなる収益を生み出すべきでしょう。そうすることで、更に収益性を高めることができるのです。

 

不動産投資における借り入れの位置づけ 利益を返済に回すべきではない?

中には、儲かったお金は、返済に回して、少しでも借金を減らしたい、と思う方もいるかと思います。確かにこの発想は半分正しいようにも見えます。

 

しかし、本当に不動産投資を拡大したいのであれば、返済に回すのは効率が悪いと言われています。

 

なぜ、返済に回すことが、効率が悪いのか、理由は2点です。

 

1点目の理由は、そもそも低金利であることです。

 

通常、マンションを買う際の金利は、1%後半〜2%台であることが一般的でしょう。これは、史上例をみない低金利です。

 

借金は悪だ、という考え方は、いまだ多くの人が持っているかと思います。

 

しかし、借金は、事業においてはレバレッジをかけて、収益を生み出す手段として、歓迎されています。実際、きちんと返済実績を作れば、金融機関も追加融資をしてくれることが多いです。

 

もう1つの理由は、建物分の金利は、控除対象になっているということです。

 

借金を返すことで、控除の金額が減り、トータルのキャッシュフローはあまり変わらない、というケースもあります。高金利の場合、この戦略は通用しませんが、低金利時代の今、借金を返す、というのはベストな手段ではないことを理解しておくとよいでしょう。

 

不動産物件で得た収益は「二件目の頭金」に使うのがベスト

では、どう活用するのが、最も効果的でしょうか。おそらく、「二件目の頭金に使う」のが、不動産投資としては最も効率がよいでしょう。

 

二件目の頭金に使うことで、借り入れ金額を抑えつつ、新しい物件を持つことができます。頭金を入れているため、利回りも改善しているはずです。

 

そうすると、更に収益が改善するため、さらに多くのキャッシュを得ることができます。これを利用して、3件目、4件目…と増やしていくことで、複利効果を存分に利用するのが、最も効率の良い投資法ではないでしょうか。

 

ただし、1点だけ注意点があります。この方法を行うには、限度があるということを理解すると良いでしょう。というのも、借りれる金額には限度があります。年収の6〜10倍くらいまでが、信用という意味でも、リスクをとるという意味でも、限度ではないでしょうか。

 

1件買ったら終わり、ではない!事業拡大のために検討すべきポイント まとめ

投資において、複利効果は重要です。得た利益を再投資することで、さらに大きな収益を得ることが出来るからです。

 

不動産は、複利効果を感じづらい投資と言われています。なぜなら、不動産はそれ自体には再投資できないからです。しかし、不動産においても、考え方を変えると、再投資により収益を拡大することは可能です。

 

不動産で得た収益を、預金に回しても、そこから得ることができる収益には限度があります。また、借金を返す、という選択肢も、低金利時代の今、ベストな選択肢であるとは言えないでしょう。

 

最も効率よく投資する方法は、不動産で得た収益を、2件目の頭金に回すことです。そうすることで、借り入れ総額を抑えながら、更に大きなキャッシュフローを作ることができるからです。借り入れ総額に限度はあるものの、こうやって2件目、3件目と増やしていくことで、不動産の投資効率を高めていきましょう。

 

次回はマンション投資2件目を買うときのタイミングと注意点についてです。
マンション投資2件目を買うタイミングと注意点

このエントリーをはてなブックマークに追加

SponserLink



関連ページ

マンション投資2件目を買うタイミングと注意点
マンション投資2件目を買うタイミングと注意点について書いています。
ワンルーム中古マンション投資でどれくらい稼げるようになるのか?成功のポイント
ワンルーム中古マンション投資でどれくらい稼げるようになるのか?現在4件保有しているサイト主の実績をご紹介します。
築浅物件と築古物件はどちらがおすすめか?投資メリット比較
築浅物件と築古物件はどちらがいいのか?メリット・デメリットを検証しました。
不動産投資は白色申告と青色申告どちらがいい?ステージによって使い分ける確定申告
不動産投資において確定申告はいつ青色申告にした方がいいのかについて書いています。
不動産投資の法人化のメリットとタイミング 〜サラリーマンでも社長に?〜
法人化のタイミング、メリット・デメリットについて
不動産事業で法人化するまでの手続きすべて解説します!
不動産事業の法人化の手続きについて
ワンルーム中古マンション投資で事業を始める方法・成功のコツ まとめ
ワンルーム中古マンション投資で事業を始めるまでの総まとめを書きました。