「地面師」に注意!不動産投資の詐欺に引っかからないためには?その手口と対策について
みなさまは、「地面師」という言葉をご存知でしょうか。
地面師とは、不動産専門の詐欺師のことを指します。不動産は取引が複雑で、素人にはわかりづらい部分があるため、意外にも詐欺など、犯罪行為が行われることがあります。ここでは、そういった不動産犯罪について紹介するとともに、詐欺にあわないためのポイントまで解説します。
被害額70億円?海喜館事件とは?
まず、2017年8月に発覚した、事件を紹介しましょう。
JR五反田駅を下り、目黒川の方向に少し歩いたところに、海喜館と呼ばれる旅館跡地があります。
東京都心で、600坪あることから、価値は非常に高い土地になります。
この土地を、積水ハウスが4月に売買予約をしたものの、契約を交わした相手が「成りすまし犯」であり、本人確認用の印鑑登録証明証、パスポートなどを偽造して、土地の金額をだまし取った、という事件がありました。
実際に積水ハウスは売買予約し、手付金を支払ったものの、土地の売買は行われなかったため、約70億円の損失を出しました。
積水ハウスといえば、年間売上2兆円を誇る、不動産業界のトップ企業です。そんな大企業であっても、このような犯罪を防ぐことができなかったのです。
よくある、不動産詐欺のパターンとは?
実際のところ、東京の不動産マーケットは、過熱気味といえるくらい、盛り上がっています。マーケットが活況になると、必ず、こういった犯罪も増えています。
では、どういったパターンの犯罪があるのか、整理して紹介します。
手付金に関する詐欺
マンションを買う際は、必ず、頭金や手付金の支払いを行います。この手付金の返却をしなかったり、ひどい場合だと、手付金を振り込んだら、一切連絡がとれなくなる、という事例もあります。
手付金は、マンションの契約が終了する前に支払うお金で、あまり購入の実感がないまま、「とりあえず支払わないと」くらいの気持ちで支払っている人も多いと思います。こういった盲点をつくことはよくあります。法律で、手付金は返還する義務があり、また、売買が成立した場合は、売買金額に充当することができます。
広告に関する詐欺
「おとり広告」と呼ばれるものもあります。これは、いかにも収益が高い、良い物件を広告として掲載し、それをもとに集客をかけるものの、実際に紹介するのは別の物件、というパターンです。
物件の紹介を拒否された場合や、別の物件を紹介された場合は、おとり広告の可能性があるので、注意した方がよいでしょう。
入居情報に関する詐欺
これは、詐欺というより、グレーな部分になりますが、入居情報等を良く見せて契約されるものの、契約が終わって実際に運用が始まると、実際の利回りは非常に悪い、というケースもあります。
例えば、「入居率100%」を謳っている物件で、実際は、その半分くらいが、その会社の社員が賃貸しており、契約後すぐ、賃貸を解約する、といったパターンなどです。
また、当初、修繕積立金を低く見せておいて、実際契約後、1〜2年後に修繕積立金が膨れ上がってしまい、収支が想定したものと違う、というパターンもあります。
こういった物件は、一見詐欺かどうか見分けがつかないものが多いです。また、法律で裁くのも難しいため、一層注意する必要があります。
詐欺に引っかからないためにはどうすればいい?
では、詐欺にあわないためには、どのようにすればよいでしょうか。
ポイントは、3つあります。まずは、きちんと免許を確認することです。
「宅地建物取引業」の登録がなければ、不動産の売買はできません。
この免許は、店舗に掲示が求められています。もし、店内に、免許の掲示がない場合は、法令に違反している可能性があります。
また、宅建業者としての登録があった場合、そういった詐欺等を行った場合、業務停止や免許はく奪等の罰則がある場合はあります。もし、少しでもおかしいな、と思ったら、免許について聞いてみるとよいかもしれません。
もう1つは、美味しすぎる話は、必ず疑う、ということです。例えば、都心で利回り15%という物件があるとします。
今、都内で利回り5%を超える物件が難しい中、こういった物件は魅力的に映るでしょう。しかし、美味しい話には何か裏があるものです。あまりに好条件な場合、その背景をきちんと確認する癖をつけると良いでしょう。
最後は、普段から不動産屋と交流をし、関係を作っておくことです。不動産会社は、常に競合の様子を探っています。なので、不動産屋が全く知らない会社の場合、その会社が本当に存在するかどうか、疑わしい場合があります。
不動産会社は、もちろん顧客の囲い込みは行いますが、必ずしも自社以外で物件を買ってほしくない、と思っているわけではありません。普段から、他社の話も、相談できるような関係を作ることが理想だと言えるでしょう。
もし、詐欺にあってしまったら?
万が一、詐欺にあった場合も、泣き寝入りしてはいけません。
国土交通省は、免許行政庁に相談することを勧めています。そこで、不動産に関するトラブルに関しては、サポートをしてくれます。(お金が返ってくるわけではありませんが…)
また、弁護士等も、相談に乗ってくれます。とにかく、きちんと相談することで、二次被害や次のトラブルが起こらないように努めましょう。
悪質な詐欺にご用心、不動産詐欺の実態とは? まとめ
海喜館事件に代表されるように、不動産マーケットが活況になると、それに伴って犯罪も増加する傾向があります。
特に、マンションの場合、手付金や、おとり広告、そして、収益情報に関する詐欺が多い傾向にあるようです。中には法律で裁けない、グレーなものを狙ってくる場合もあります。
詐欺を防ぐ方法として、免許を確認する、美味しすぎる話は疑う、そして、普段から不動産会社と関係を構築し、何かあったら相談できるようにする、などがあります。万が一、詐欺にあってしまった場合は、泣き寝入りせずに、免許行政庁や弁護士事務所などに相談してみるとよいでしょう。
景気のいいとき、うまく行っている時ほどこういった詐欺には注意が必要です。不動産投資は複雑なので、何かとまどったら、必ず確認する癖をつけると良いでしょう。

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