不動産投資は白色申告と青色申告どちらがいい?ステージによって使い分ける確定申告

不動産投資は白色申告と青色申告どちらがいい?ステージによって使い分ける確定申告

第十四回目では、築浅物件と築古物件、それぞれのメリットを比較しながら、投資初心者には築浅物件が、慣れてきたら築古物件がおススメである、と解説しました。

 

第14回目はこちら⇒築浅物件と築古物件はどちらがおすすめか?投資メリット比較

 

このように、不動産投資は、ステージによって、投資の方法などが変わってくることがあります。確定申告についても、ステージによって申告の方法が変わると言えるでしょう。

 

確定申告にも、白色申告と、青色申告の2種類があります。今回は、この2つの申告方法の違いと、メリット、デメリット、どちらを選ぶべきかについて、解説していきます。

 

白色申告と青色申告の違いについて理解しよう

以前、不動産投資を行う場合、確定申告をする必要がある、というのは説明したかと思います。

 

そして、確定申告には、白色申告と青色申告があります。

 

まずは、この2つの違いについて説明しましょう。

 

白色申告、青色申告ともに、個人事業主が確定申告をする際に使われる申告書になります。

 

この中でも、白色申告は、比較的簡単で、事務負担が少なくて済む申告方法になります。帳簿をつける必要がなく、届け出る書類も少なくてすむため、その簡便性から、よく使われている申告方法になります。

 

一方、青色申告は、白色申告に比べると、やや手間がかかる手続きになります。青色申告を行うためには、日々の取引をきちんと帳簿につける必要があります。

 

そして、その帳簿を元に、申告しなければならないのです。帳簿とは、現金出納帳や損益計算書、貸借対照表などのことを指します。また、これらの帳簿は、7年間保管する必要があります。

 

もちろん、こういった帳簿の作成や保管は、初めての方には難しく感じるでしょう。

 

しかし、今は、サポートしてくれるサービスがたくさんあるので、そこまで心配する必要はなさそうです。

 

青色申告をするメリットって、いったい何?

同じ申告でも、簡便な申告に比べると、青色申告は手間がかかってしまいます。

 

では、なぜ、青色申告をする個人事業主が多いのでしょうか。それは、青色申告を行うことで、税務面のメリットを享受できるからです。

 

青色申告を行うメリットは様々ですが、ここでは代表的なものを紹介しましょう。

 

青色申告特別控除を受けることができる

青色申告特別控除というのは、青色申告をすることで、特別課税所得が控除される仕組みのことです。単式簿記の場合は10万円、複式簿記の場合は65万円、控除することが可能です。

 

この控除の仕組みは、課税所得が高いほど有利に働きます。たとえば所得税率が20%の場合は、メリットは13万円ほどですが、40%の場合は、年間26万円も多く還付されることになるのです。これは最大のメリットといえるでしょう。

 

家族を従業員として雇用し、給料を払うことができる

個人事業主の場合、家族が事業を手伝っているケースも珍しくありません。その場合に、家族に給料を渡すことで、給与額を控除することができる仕組みです。

 

実は、白色申告であっても、「白色事業専従者給与」と呼ばれる、給与額を控除する制度はあります。

 

しかし、控除額は、一人につき50万、配偶者であっても86万円にしかなりません。

 

しかし、青色申告の場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を出すことで、事業主の所得を超えない、常識的な範囲まで給与を払うことができるのです。

 

その年の赤字が繰り越せる

不動産所得では、キャッシュがプラスでも、事業として赤字を出すことができます。その損失は他の所得と合算することが可能です。

 

合算して、なおも赤字である場合においては、その赤字を翌年以降に繰り越すことができます。それを利用することで、長期にわたり多額の還付を受けることができます。

 

サラリーマン投資家が青色申告に変えるのはどのタイミング?

このように、青色申告には、様々なメリットがあるため、多少手間がかかっても、青色申告に変えたい、という人も多いかもしれません。

 

では、どのタイミングで、青色申告に変えるべきでしょうか。

 

青色申告に変えるには、ある程度の事業規模が必要とされています。

 

不動産投資の場合、5棟10室というのが、一般的な青色申告の目安のようです。1件や2件では、そもそも青色申告をしようとしても、認めてくれないケースもありますし、事業規模が小さいと得るメリットも小さくなります。

 

ある程度事業規模が大きくなってきてから、青色申告に変えると良いでしょう。

 

また、結婚して家族がいる場合や、もともとのサラリーマン収入が高額だった場合も、青色申告に変えるべきであるといえるでしょう。青色申告は、原則控除額が増える仕組みです。日本の所得税は累進課税のため、高額所得であればあるほど税率も高くなります。

 

控除が増えるということは、戻ってくる金額も高くなる、ということです。

 

ただし、青色申告に変える場合は、それなりの手間をかけることを前提にしなければいけません。事前にソフトを入れたり、税理士に相談するなど、期初からきちんと準備しておくことが重要と言えるでしょう。

 

白色申告がいい?青色申告がいい?ステージによって使い分ける確定申告

白色申告は、一般的な、簡単にできる個人事業主向けの確定申告です。一方、青色申告は帳簿の作成や管理が必要だったりして、手間はかかるものの、様々なメリットが享受できる申告方法になります。

 

青色申告のメリットは、控除の金額が大きい点です。特に65万円の控除、家族への給与支払い、赤字繰越は、事業者にとってメリットが大きいと言えます。

 

しかし、青色申告は、ある程度の事業規模がないと認められないこともあります。また、1件や2件の保有だと、手間の割に得れる金額は小さいです。一般的に、5棟10室からが事業として認められると言われております。このほかにも、家族がいる方や、そもそもの給与が高額の方にとっては、メリットが大きい仕組みといえるでしょう。

 

初心者はまずは白色申告から始めます。5棟10室が見えてきた方は、メリットを得るために、青色申告にトライしてみてはいかがでしょうか。

 

次回は法人化のタイミングとメリットについてです。
不動産投資の法人化のメリットとタイミング 〜サラリーマンでも社長に?〜

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