女性だけの保険について【付加価値、コスパ、保険設計を見直そう】

保険、特に医療保険においては女性保険というものが存在します。女性向けというよりはむしろ女性しか加入出来ない保険のことです。もっといえば女性しか加入出来ない特約が付加された保険のことです。

女性は男性と比較して心身ともにデリケートな分または子供を出産するという構造上、女性のみがなる病気や女性のほうがなりやすい病気というものが存在します。そのため女性がかかりやすい病気についてたとえば入院日額を2倍、3倍にしたりといった、女性特有の病気に対する保障を手厚くカバーという内容の医療保険がこの女性保険にあたるのです。

たとえば映画館やレストランではレディースデイというものがあり、女性が優遇されるというサービスは今ではめずらしくありませんが、この女性保険というものは果たしてコストパフォーマンス的にはどのようなものとなっているのでしょうか。

女性保険のコストパフォーマンス:女性の疾患にかからない場合は割高である

まず女性保険の内容を今一度確認すると、女性特有の病気にかかった場合入院日額が2~3倍になるといった女性入院の保障や、女性特有のがんにはじめて罹患した場合一時金が受け取れるといった一時金の保障となります。

つまり女性特有の病気の場合は保障が手厚くなるというだけで、その他の病気についてはなんら変わりはないということになります。つまり男性型の保障にさらに女性特有の保障分を上乗せするというだけであり、上乗せしている分どうしても割高になってしまうことになるでしょう。もちろん平均余命などの理由から男性よりもいくぶんか保険料は抑えられるでしょうが、それでも多くの女性保険の特約はつけなければ保険が成立しないというわけではなく任意付加ではあるため、つける価値がなければそれだけ割高ということになります。

わざわざつける価値とはつまり、それだけ女性特有の病気はすべての病気の中でかかりやすく、また女性特有の病気は他の病気に比べ治療費がかかってしまうということにかかってくるでしょう。

では、女性特有の病気とはそれだけかかりやすく、また治療費がかさんでしまうようなものなのでしょうか。

女性特有の病気のリスクについて:統計的には罹患率は低い

まず女性特有の病気とはどのようなものを指すのかというと、簡単には乳房の疾患・甲状腺疾患・女性器疾患・妊娠分娩産褥合併症などが挙げられます。

たとえば女性のがんの代名詞である乳がんを例に見ていくと、他のがんに比べどれだけのリスクがあるのでしょうか。実は乳がんに関して言えばがんで死亡した女性の数では5番目に位置し、大腸がんや肺がん・胃がんに比べるとその数はあまり多いとは言えません。さらにいえば乳がんには女性保険だからといって90日間の待機期間は免除されることはありません。子宮がんについても性別関係なく罹るがんに比べたら、その罹患率は低いと言えます。

もちろん乳がんも子宮がんも恐ろしい病気には違いありませんが、女性特有のがんばかり心配するよりもむしろ性別関係なく罹患する大腸がん・肺がん・胃がんに対する備えの方をしっかりすべきではないかと思います。

またかかる治療費においても結論から言ってしまえば女性特有の病気だからといって必ずしもその他の病気よりも治療費がかかるというわけではなく、そのためだけに女性特有の病気に対する保障を付加し、月々の保険料を高くするほど重要なものとは思えません。むしろどうせお金をかけるのであれば、女性保険分の上乗せをするよりはそもそもの入院保険の給付金日額を倍にしたほうが、数多くのリスクに備えることが出来、合理的だと言えます。

最後に:無駄か必用かを検討することが保険設計には重要

もちろんすべての女性保険が無駄であるとは言いません。ただ自分にとってどうしても必要かどうかを吟味して省くことが出来るのであれば省くことも重要な保険設計の考え方の一つと言えます。

参考:女性の保険について【増加する女性の病、進化する保険】

女性向けの保険なら→保険cafe

           

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