明治安田生命は国内大手生命保険会社と言われる４社のうちの１社であり、２００４年に明治生命と安田生命が合併し今に至っています。明治生命・安田生命いずれもわが国最古の保険会社であり、ともに明治初期に設立されています。
明治生命、安田生命の歴史：2002年に合併
明治生命については名は冠しませんが実は三菱財閥の系列です。三菱財閥とは日本三大財閥の一つで、他の歴史のある三井・住友と異なり、三菱財閥は幕末から明治初期という比較的近年にかけて、岩崎弥太郎によって設立され、三菱重工に代表される軍事・造船から一大コンツェルンに成り上がった財閥です。
三菱といえば今この日本において、あのスリーダイヤモンドのマークを見ない日はないというくらいに我々の生活に浸透した一大グループといってもよいでしょう。安田生命は明治初期に金融業で絶対的な地位を築いた財閥で「金融財閥」と呼ばれています。その影響力は三大財閥以上であったとも言います。
安田財閥といえば安田商店から発展した安田銀行（旧富士銀行）が有名であり、今日では世界最大の金融グループであるみずほフィナンシャルグループの前身でもあります。明治生命も安田生命もどちらも巨大なグループを背景に戦後日本の生命保険業界を支えてきた比較的堅実な二社でしたが、2002年に突然の合併を発表したことは生保業界のみならず経済界をも大きな衝撃を与えたといいます。
保険金不払い問題： 業務停止命令が下された
さて、その明治安田生命ですが、金融庁より保険会社としては最長期間に渡る業務停止命令が出されています。
内容としては平成18年頃社会問題となった保険金不払い事件によるものですが、保険金不払い事件はその多くが「請求されたものについてのみ支払う」という請求主義に基づく受動的な支払体制に端を発するものであり、(参考：保険金不払い問題について【加入できたのに、何故支払われないの？】)
いわば保険会社の積極的な販売とは真逆の、支払に対する消極的な姿勢が明るみに出た問題でしたが、この時の明治安田生命の不払いはすこし性質が異なり、告知義務違反教唆による保険金不払いという意図的かつ悪質なものであったため件の処分が科されることになったのです。
ただ言えることは多かれ少なかれどこの保険会社においてもそういった類の契約は存在し、処分を受けています。明治安田生命においてはその件数が多かったためこういった処分となったものです。
アカウント型保険の扱いを停止
では明治安田生命の主力商品といえばかつては住友生命と並んで一世を風靡したアカウント型保険「ライフアカウントＬＡ」という商品でした。アカウント型保険とはアカウントの名前の通り口座を意味する貯蓄保険を主契約とし、それに死亡保障や医療保障などが付加された総合保障保険です。
アカウントの部分は引き出しが可能であったり、積立部分を用いて死亡保障の買い増しをしたり、終身保険に移行することが出来るなど幅広い選択の出来る保険商品でしたが、今現在ではこのライフアカウントＬＡは取扱いを停止しています。保険の仕組みが複雑であることや保険料が割高であること、貯蓄が増えていかないなどの理由から専門家の間では評判のあまりよくない保険でした。
すべての保障が特約の保険：総合的にカバー
今現在では総合保障保険である「ベストスタイル」という商品が主力となっています。いわゆる組み立て自由な保険ですが、一般的な組み立て自由な保険はすべての保障が主契約なのに対し、このベストスタイルはすべての保障が特約という形態になっています。
定期保険に加え、がん及び６大成人病の保障や介護保障、入院保障や手術保障、それから生活サポート年金という年金払の終身保障が付加されています。
生活サポート年金という終身保障があるため保険料は若干割高ですが、総合的にカバーできる保険ではないでしょうか。明治安田生命のホームページにおいて保険料試算が可能であるため、保険加入の際は試算の上検討してもよいのではないかと思います。
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