【保険の正しい選び方】保険営業職員が売りたがる保険と消費者が入るべき保険の違い

保険会社が提案してくる生命保険のプランには、一定の傾向があります。そしてその傾向は、必ずしも消費者にとって好ましいとはいえないものです。ここでは、国内生保(外資系を除く)の営業職員が売りたがる保険の傾向をまとめました。

生命保険の提案を受けるときに、相手のペースにならないために押さえておいてください。

提案プランと営業職員の歩合率

営業職員には保険種類ごとの販売ノルマはありません。基本的に、営業職員は自社の保険ラインナップのなかで、どれを顧客に販売してもかまいません。一方、営業社員に支払われる歩合給のパーセンテージ(歩合率)は、保険種類ごとに違います。こうなると、営業職員としては、できれば歩合率のよい保険種類を販売したくなるのが人情です。

提案プランの傾向

保険会社は、ある意味歩合率によって、営業職員に販売させる保険種類をコントロールしているとも言えます。そして、その結果として、営業職員が提案するプランに強い傾向となって現れます。

国内生保全体的に言える傾向ですが、提案プランの8割は「アカウント型」か「定期保険特約付き終身保険」です。どちらも、積み立て部分の主契約に定期保険特約などの特約が付いた保険です。

これらの保険で契約者が注意すべきポイントは、

  1. 積み立て部分の大きさ
  2. 特約更新時の保険料の増加

です。

1.積み立て部分の大きさ

積み立て部分の大きさについてですが、問題なのは、主契約といいながら実際には主契約部分が小さく、特約部分が大きいことに気づきにくいことです。

ひとつ例を挙げます。

定期保険特約付き終身保険4000万円に加入しているとしましょう。主契約は終身保険、特約は定期保険特約です。問題はその比率ですが、実は終身保険が200万円、定期保険特約が3800万円というように、主契約が保障額全体のわずか1/20の保障しかないこともザラなのです。積み立て部分は主契約ですから、9割近くが掛け捨てになってしまっています。

2.特約更新時の保険料の増加

定期保険特約の保険期間は10年や15年が主流です。つまり10年、15年経過したときに、定期保険特約は自動更新になります。前述の例でいえば、3800万円の定期保険特約がさらに10年、15年更新になります。

問題は、定期保険特約をはじめとする多くの特約は、更新すると保険料が上がってしまうことです。

歩合給は保険金額で決まる

契約者として、提案される保険種類以外に注意が必要なポイントがあります。

それは、保険金額です。保険金額とは、万が一のことがあった場合に支払われるお金のことです

この保険金額が、営業職員の歩合給と深いかかわりがあるのです。

営業職員の歩合給のパーセンテージについては前述のとおりですが、「何」に対する歩合率かというと、それが「保険金額」なのです。

例えば、月払保険料5,000円なら払えるという見込み客がいるとしましょう。

営業職員としては、同じ5,000円なら、できるだけ保険金額が高くなるように提案プランを考えようとします。保険金額が高くなればなるほど、歩合給が高くなるからです。

定期保険を例にとってお話しすると、30歳男性の場合、

60歳満了なら保険金額1,800万円(月払保険料5,058円)

10年満了なら保険金額3,100万円(月払保険料5,084円)

となっています。(オリックス生命定期保険「ファインセーブ」の場合)

つまり、同じ保険料が5,000円でも、30年間の場合は1,800万円の保険にしか入れませんが、10年間の場合は3,100万円の保険に入ることができます。

営業職員としては、3,100万円のほうが保障が大きく見栄えも良く、歩合給も単純計算で約1.7倍(3,100/1,800)になるため、3,100万円を提案する可能性が高いということです。

しかし、もし保障額が1,800万円あれば十分としたら、1,300万円(3,100万円– 1,800万円)分は無駄になりますし、前述したとおり、10年満了の定期保険は10年後、20年後、30年後、40年後、というように10年ごとに保険料が上がっていきますから、契約者にとってはデメリットが大きいです。

まとめ

提案される生命保険のプランは、基本的には契約者のニーズに合ったものであるべきですが、そうではないこともあることを認識しておきましょう。

特に注意が必要なのは、「アカウント型」や「定期特約付き終身保険」です。

両方とも、掛け捨て部分が過大であることに気づきにくいのが要注意ポイントです。

具体的には、
・積み立て部分の大きさ
・特約更新時の保険料の増加
を必ずチェックしましょう。

また、保険営業担当者の歩合給の関係上、同じ保険料であればできるだけ保険金額が高いものを勧めてくる傾向が強いので、なぜその保険金額が自分に必要なのかを必ず確認しましょう。

提案内容について、なぜ自分にそれを提案するのかという根拠や理由を説明してもらい、必ず納得してから申し込みをすることが大事です。

           

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