共済について【共済と保険の違いとは?】

保険と似て非なるものに共済という制度があります。JA共済や県民共済など一度は耳にしたことがあるかと思います。

共済について

もちろん共済も保険もその商品の加入目的は同じです。万一の際に残された家族のためや病気等で入院や手術をした際の入院・手術の費用の補填など保険と同じ目的で加入するのが共済ですので、保険とほぼ変わりはありません。

また加入者より保険会社でいう保険料にあたる掛け金を募り、死亡等の保険事故が起こった場合に、保険会社でいう保険金にあたる共済金というものを支払う、という制度の仕組みとしても保険も共済もさほど大差ありません。

ただではなぜ共済は保険とは区別して考えるのでしょうか。もちろん似て非なるものですのでそもそもこの二つは別物なのですが、この二つの商品の間には大きな違いというものが2点あります。

共済と保険の違い:運営組織

まず1点目としては、共済というものの運営組織について論じる必要があります。保険においては保険者は保険会社ですが、共済においては保険でいう保険会社にあたる運営組織を共済組合といい、共済に加入するにはその共済組合の組合員となることが大前提となります。

保険は不特定多数の人が加入出来るのに対し、共済はその組合を構成する構成員、たとえばJA共済でしたら農協の組合員でなければならないですし、税理士の協同組合の扱う共済でしたらその税理士協同組合の組合員でなければなりません。必ず自らの運営する組合の構成によって被保険者集団が形成されなければならないというルールがあります。

共済と保険の違い:配当金

そして2点目としては、共済はたとえば保険でいう定期保険などの純粋な死亡の保障でも、保険と違って掛け捨てというわけではなく、配当金等による還元があります。その年の支払った死亡保険金等から余剰金が発生した場合に限りますが、優良な共済組合ですとその還元率は4割を超えるともいいます。

この配当金によるものも大きいのですが、共済はやはり安いというイメージがあります。共済は保険とは違い非営利を目的としているため営業コストが少なくて済む分月々の掛け金が保険よりも大幅に安いのです。

保険料がもともと安くさらに配当金もあるためもっと安く感じるのでしょう。

共済のメリット、デメリット

もちろん掛け金が安い分、保険に比べると付加出来る保障もシンプルですし、保障額も控えめとなっています。ただそれを差し引いてあまりあるほど共済は安くしかも簡単に加入出来る商品として保険とは一線を画しており、そこが共済の最大の魅力であるといえます。

しかし、たしかに共済は手頃な掛け金ですが、その分保障は控えめであるということこそ共済のメリットでありデメリットであると思います。

やはり育児・教育費用や住宅ローン(参考:団体信用生命保険について)など何かとお金のかかる責任世代の時期には、共済の保障額ではやや物足りないと感じるでしょう。

ライフステージに合わせた保障の見直し

ただ必要保障額に応じた十分な保障を求めるのであればやはり保険を選択するに越したことはないのですが、ただ保障が大きいからというだけで安易に保険を選ぶのは性急であると思います。必要保障額というのは年齢や家族構成やその時のライフイベントなどによって異なりますし、段階的に変化するものなので、その変化に対応した保険商品や共済に加入することが望ましいのです。

ですので、必要保障額が大きい責任世代の時期は保険を、独身の時期や子供の独立後など必要保障額が小さい時期は共済を選ぶなど時期によって入る商品を変えることもお勧めです。以上のように共済とは保険とは違った魅力を持った大変良い商品であることには変わりはないのですが、共済単体で考えるということではなく、常に保険とセットで考え必要な時期に必要な保障を用意するための一つの選択肢であると考えた方が良さそうです。

           

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