「はじめのかんぽ」は本当におすすめできる保険?評判と返戻率の特徴を徹底検証

かんぽ生命の保険ラインナップのなかで、新ながいきくん同様主力商品なのが「はじめのかんぽ」です。

簡易保険時代から学資保険は有名でしたが、かんぽ生命になって学資保険がリニューアルされて発売された「はじめのかんぽ」は果たして良い保険なのかどうか、調べました。

はじめのかんぽとはどのような保険か

従来から販売されていた学資保険のリニューアル版です。子供の進学のタイミング等に合わせて学資金を受け取れるので、計画的に教育資金の積み立てをすることができます。はじめのかんぽでは、学資金の受け取りのタイミングにより、3つのコースが用意されています。

1. 大学入学時の学資金準備コース(加入年齢:0~12歳)

17歳または18歳で満期となり、大学入学時にタイミングを合わせて学資金を受け取れます。

2. 小・中・高+大学入学時の学資金準備コース(加入年齢:0~3歳)

小学校・中学校・高校・大学それぞれの入学前のタイミングで、学資金を受け取れます。3

3. 大学入学時+在学中の学資金準備コース(加入年齢:0~12歳)

大学入学時に加えて大学1年・大学2年・大学3年・大学4年になるタイミングで、学資金を受け取れます。

学資保険の返戻率競争

学資保険の主目的は、学資の積み立てです。従って、積み立てる金額が同じなら、受け取れる学資金の金額が大きい(返戻率が高い)学資保険が一番優れているということになります。この点、簡易保険時代の学資保険は返戻率がトップクラスだったこともあり、大変人気がありました。

その後、競合他社も返戻率を意識した商品開発を行い、返戻率の高い学資保険が続々と誕生したため、相対的に簡易保険の学資保険の人気は下降していきました。そこで、かんぽ生命になり、学資保険のテコ入れ策として誕生したのが「はじめのかんぽ」だったわけです。

保険料払込免除が命取り

「はじめのかんぽ」は発売当初、返戻率競争でそこそこのポジションにいました。しかし、2016年6月2日に、掛け捨ての特約である「保険料払込免除特約」を取り外すことができなくなったことにより返戻率が大幅に下がってしまいました。これにより、今では学資の積み立て手段としての魅力がかなり損なわれています。

保険料払込免除

保険契約者である親が死亡した場合、その後の保険料の支払いは免除となる上に、当初の契約内容通り、学資金を受け取れるしくみです。

これだけ聞けば、素晴らしいしくみだと思うかもしれませんが、保険会社側も無償でこのようなしくみを提供しているわけではなく、免除になると予測される金額分の保険料は、余分に徴収しています。しかもこの保険料は掛け捨てであるために、保険料払込免除特約が学資保険の契約についていると、返戻率が悪くなるわけです。

親の死亡保障で代替可能

例えば、毎月2万円の保険料を払っていたとして、満期まであと10年という時に親が死亡したとします。保険料払込免除の特約がついていれば、この場合、2万円x12か月x10年=240万円の保険料は、支払を免除されることになります。

いっぽう考え方によっては、既に親が加入している保険で十分な死亡保障が確保されているなら、その死亡保険金から240万円を学資保険の保険料として支払えばよいわけです。

学資保険返戻率の比較

では、他社の学資保険と返戻率で比較をしてみましょう。

返戻率 保険商品名 払込期間 保険期間
104.03% 日本生命保険『ニッセイ学資保険こども祝金なし型』 18年 22年
103.84% ソニー生命『学資保険(無配当)III型』 18年 22年
102.24% 日本生命保険『ニッセイ学資保険こども祝金あり型』 18年 22年
101.97% 富国生命保険『学資保険みらいのつばさ J(ジャンプ)型』 17年 22年
101.48% ソニー生命保険『学資保険(無配当)Ⅱ型』 17年 17年
101.22% 富国生命保険『学資保険みらいのつばさ S(ステップ)型』 17年 22年
96.25% アメリカンファミリー生命保険『アフラックの夢みるこどもの学資保険』 18年 22年
95.45% かんぽ生命保険『学資保険はじめのかんぽ 18歳払込済 21歳満期(学資祝金あり)』 18年 21年
94.86% かんぽ生命保険『学資保険はじめのかんぽ 全期間払込 18歳満期(学資祝金なし)』 18年 18年
94.48% かんぽ生命保険『学資保険はじめのかんぽ 全期間払込 18歳満期(学資祝金あり)』 18年 18年

(全て契約者は30歳男性、被保険者は0歳男性の契約例)
このように、日本生命・ソニー生命・富国生命がはじめのかんぽよりも、高い返戻率を誇っています。さすがに返戻率100%未満、つまり元本割れというのは、積立商品として魅力を感じられません。

まとめ

はじめのかんぽは、かんぽ生命の学資保険です。学資金の受け取りのタイミングにより、3つのコースが用意されています。

学資保険でもっとも重要視されるのが返戻率ですが、はじめのかんぽは、保険料払込免除の特約を取り外せなくなったことで返戻率が悪くなり、他社の学資保険と比べると、魅力がない商品になってしまいました。

この先、同特約を取り外せるように変更される可能性もありますので、実際に加入を検討する際には、念のため確認してください。

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