日本生命や第一生命といった国内生保は、古くから日本で営業を行っており、会社の名前に馴染みがあります。
一方、アフラックやプルデンシャル生命といった外資系生保は、そのユニークな保険商品性や販売手法で強味を発揮しています。実際に保険を検討する際、自分にとって良いのは国内生保と外資系生保のどちらなのか、正しく判断ができるようにそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
会社の信頼度
「国内生保」とは一般的に
- 朝日生命(1888年創業)
- 住友生命(1907年創業)
- 第一生命(1902年創業)
- 大同生命(1902年創業)
- 太陽生命(1893年創業)
- 日本生命(1889年創業)
- 富国生命(1923年創業)
- 三井生命(1914年創業)
- 明治安田生命(1880年創業)
の9社を指します。
ほとんどが創業100年以上の社歴を誇り、誰もがその名前を知っている保険会社ばかりです。国内生保は、会社の名前を聞いて、何となく怪しそうだと思う人は、まず誰一人いないでしょう。知名度・信頼度では文句のつけようがありません。
一方、外資系生保とは一般的に、
- アクサ生命
- アフラック
- エヌエヌ生命
- ジブラルタ生命
- プルデンシャル生命
- メットライフ生命
といった外国資本の生命保険会社を言います。
アフラックのようにTVコマーシャルをやっている会社は別にして、ほとんどの会社が国内生保と比べると、知名度では圧倒的に劣ります。
保険会社の信用度をどう見るか
保険会社の信用度は、知名度では測れません。「昔からある保険会社なら潰れない」わけではないからです。覚えている方も多いと思いますが、1999年東邦生命、2000年千代田生命と相次いで破綻しましたが、2社とも100年の歴史を誇る名門生保でした。
ソルベンシーマージンと格付け
保険会社の信用度を客観的に見る基準として使われるのが、ソルベンシーマージンと格付けです。
ソルベンシーマージンは、リスクに対応できる支払余力をどれだけ有しているかを判断するための行政監督上の指標のひとつで、200%を下回ると行政当局による改善措置がとられます。
格付けは、スタンダード&プアーズなどの格付け会社が、会社の財務状況を独自に調査し、格付けしたものです。
保険会社の信用度は、現状ではこれらの指標以外頼るものはありません。
保険商品のラインナップの違い
外資系はがん・医療など専門的な保険だけしかないと思っている人もたまにいますが、まったくの誤解です。恐らく通販からそのようなイメージが生まれたのだと思われますが、外資系生保も、国内生保と同じかそれ以上の商品ラインナップを持っています。
パッケージ商品と単品の組み合わせ
国内生保が販売している保険のほとんどは、パッケージ商品といわれる、あらかじめいろいろな保障が組み合わされてセットになったものです。
これによる最大の弊害は、「保険は複雑すぎてよくわからない」という消費者の声に代表される「複雑さ」です。
これに対して外資系生保は、顧客に必要な単品の保険を保険営業担当者がいくつか選んで組み合わせて提案をしてきます。本当に必要な保障に対応した、オーダーメイドの保険というわけです。
なぜ、国内生保がパッケージ商品を販売するのかというと、営業職員に高度な知識がなくても販売しやすいからです。大量の女性営業職員を雇って人海戦術で保険を販売している国内生保にとっては、もっとも適した商品ということですね。
消費者としては、パッケージ商品にいろいろ入っている特約は、自分にとって本当に必要なのかを吟味することが大事です。
担当者の信頼度の違い
外資系生保は、営業担当者の質で、国内生保に対抗しようとしています。どうすれば、顧客が抱えている経済的リスクを効果的にカバーすることができるか、という問いに対して最高の答えを出そうと、いつも考えています。
一方、国内生保の営業職員は、一般的に顧客の現状把握、改善提案に関して、そこまでの高度なスキルは持っていません。なかでも決定的に欠落しているのは、顧客にはいくらの保障が必要なのかという必要保障額の概念です。不思議なことですが、国内生保の営業職員に、「この顧客にはいくらの保障が必要か」と聞いても、まともに答えられる人は多くありません。
ということで、営業担当者の信頼度では圧倒的に外資系生保に分があります。
まとめ
会社が大きいか、歴史が長いかというのは、その保険会社のほんの側面にすぎません。ソルベンシーマージンや格付けといった客観的な指標で、保険会社を判断するようにしましょう。
保険商品のラインナップについては、どちらが優れているということはありません。大事なのは、その保険があなたのニーズにぴったりマッチしているかどうかです。
その意味では、まずあなたのニーズを正確に把握し、それにマッチした保険を設計する能力を持った外資系生保に軍配は上がります。
今後、保険を検討する機会が来た時に、保険会社を選ぶ参考にしてみてください。