ネット保険の是非【保険料が割安なネット保険の落とし穴】

保険といえばセールスレディを中心とする営業職員チャネルが主流であったのは一昔前の話で、今やコストを限界まで削減したネット型の保険が主流となっているのは言うまでもありません。ネット保険といえば最大の特徴は前述の通り、コストを限界まで削減したことによる低廉な保険料にあると言っても良いでしょう。

月々の保険料が安さが魅力

保険の本質とは、月々保険料を払い万が一の際に保険金を受け取るというものなので、極端な話をすればサービスの良し悪しはあれど、同額の保険金を受け取るなら保険料が安い保険の方が優れていると言いきっても良いです。

つまり保険料が割安な保険こそ優れた保険であるならば、保険に関しては「安かろう悪かろう」は適用されず、安い保険料で加入出来るネット保険は今現在最も優れた保険であるといえるでしょう。

人件費カットしコストを削減:手間のかかる保険

しかしながら本当に安いだけで優れた保険であると言えるでしょうか。まずなぜ安いかということを考えなければなりません。月々支払う保険料は保険金の支払のために責任準備金として積立される純保険料と保険運営のために使われる付加保険料の二つに分けることが出来ます。

この付加保険料とは言ってみれば契約者が保険会社に支払うマージンと同じで、人件費などの経費として充てられる部分です。ネット保険は人件費をカットしているのでこの人件費の部分を削ることが出来、結果的に割安な保険料に出来るというメリットを持っています。人件費とはつまり手間賃のことであり、逆の言い方をすれば手間のかかる保険だということも言えるでしょう。ではどういった手間なのでしょうか。

まず契約申込に関する手間がかかるでしょう。たとえば営業職員による対面販売であれば丁寧に書き方や必要書類についても教えてくれるところを自ら不備なく正確に入力しなければなりません。入力という言葉を用いましたが、ネット保険なので当然パソコン等情報送受信の出来る端末を用いてインターネット上での申込となるので、たとえばパソコン等の扱いに慣れている方ならまだしも、そういった類の作業が苦手な方には非常に困難な申込となるでしょう。

既往症の入力漏れ:不備があっても全て自己責任

もちろん入力が大変なだけではなく、既往症があれば既往症の正式名称を調べて正確に入力しなければなりません。またネット保険ですので、対面販売であれば手渡しされる設計書や見積り、保険概要や保険約款についてもパソコン等の画面上で見ることになります。

つまりは対面販売であれば説明を受けるところを自ら見て理解しなければなりません。逆を言えば見てなければそれについては抗弁できないということになり、完全に自己責任で加入することとなります。家庭状況から判断してどれだけの保障が適切かつ必要で、家計から判断していくらくらいの保険料が適切であるかといったことも自分で考えたうえで加入しなければなりません。

そういった申込書等の書類上の手続きや商品についての説明、また家計や家庭状況を基にしたフィナンシャルプランニング的な相談についても付加保険料のカットを犠牲に自らの力でやらなくてはなりません。

また仮に加入に関してはしっかりと出来たとしても、ライフスタイルの変化やライフイベントに応じて保険はメンテナンスを行わなければならないものであり、当然そういったメンテナンスについても自己責任のもと自分でやらなくてはならないでしょう。

価格だけにとらわれず検討を重ねて加入する

ただこのネット保険については、他人から勧められるがままに加入するといった受動的なものではなく、自分で理解し自分で考え100%能動的に加入するものなので、本来の保険加入にふさわしい販売チャネルではあるとは思います。

ただ自己責任という言葉がついて回るので、安いからといってすぐ飛びつくのではなく、よく検討のうえ加入したほうがいいのは、ネット保険も変わらないと思います。

参考:ネット生保について【新しい保険の流れ、保険料の安さが魅力】

           

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