目次
1.メットライフ生命とは:外資系生命保険会社(旧アリコ)
メットライフ生命はアメリカに本社を置く日本国内の外資系生命保険会社です。かつてはアリコの名前で知られた保険会社でしたが、もともとはアメリカの大手保険グループAIGの傘下の保険会社でした。AIGといえば2008年のサブプライムローン問題による金融危機およびリーマンショックにより経営危機を迎えアメリカ政府当局の管理下に置かれ経営再建を図っている中途であり、その再建策の一環としてアリコが2010年にAIGよりメットライフに買収され、アリコという名前は消滅し現在のメットライフという社名になっています。
日本においてはアリコジャパンという名前がいまだ根強いと思います。アリコが日本において初めての外資系生保会社であり、その歴史は40年に及ぶからでしょう。また頻繁にテレビCMを放映していたことからその知名度は同じ外資系であるアフラックに並んで抜群であったと思います。
2.メットライフ生命の販売チャネル:メディアによる通信販売
メットライフ生命の販売チャネルといえばコンサルタント社員と呼ばれる営業職員、今では定番の代理店営業や銀行窓販など多様な販売チャネルを有していますが、メットライフ生命ならではと言えばやはりCMや新聞などメディアによる通信販売でしょう。旧アリコより大々的なテレビCMによる販売宣伝を行ってきたということもあってか、実は日本にあまたある生命保険会社の中でも認知度という指標で見るとかつて旧アリコはトップに位置していました。
つまり日本国内で最もCMによって知られた会社であったと言えます。またこの認知度というものを高めるのにテレビCMはうってつけのメディアだったと言えます。では、生命保険販売においてCMによる影響とはどういったものなのでしょうか。
3.生命保険販売におけるCM:認知度をあげるには重要
生命保険は今でこそネットや通信販売などの対面販売に限らない販売チャネルが主流となっていますが、かつては営業職員による対面販売が主流でありその対面販売を有利に進めるうえで必須だったのがCMの力であったといえるでしょう。CMによる影響力というものは計り知れず、大手であろうが中堅であろうがCMなどで普段見聞きしている会社というものはやはりその認知度がものを言うため、たとえば飛び込み営業などにおいてはその会社を知っているか知らないかというのはその後の商談に大きな影響を及ぼします。
また顧客においてもCMで見聞きしている会社というのは安心感が持てるということもあり、やはりCMという広告媒体は生命保険にとってはかなり重要であると言えそうです。
ただしもちろんCMによる周知というものにも恐ろしい点があり、つまりCMの印象ばかりが強くて本来の商品についてはいまいちよくわからないという状態です。CMにおいてはまず社名をお茶の間に浸透させることが第一となってくるので、お金をかけて芸能人や著名人を起用したり自社キャラクターなどを使用したりと、何のCMかよくわからないというCMであふれている感があります。また商品内容を伝えるにしても良いことばかりを伝えており、メリットのみ伝えることに終始して視聴者に不安を与えているということもしばしばあるようです。
しかしながらCMの数十秒という短い時間の中では伝えられることも限られてくるので、伝えられる情報は制限されてしまうのは致し方ない部分はあります。そういった意味では顧客の側はCMによるイメージにとらわれすぎないこと、また販売する生命保険会社の側はCMによる認知度にあぐらをかくのではなく、しっかりと自社の説明およびニーズ喚起と商品説明を丁寧に行うことが重要であると考えます。
4.メットライフ生命とCM:イメージにとらわれない保険選び
CMというメディアを最大限駆使し、イメージをお茶の間に浸透させることでメットライフ生命は日本国内での成功をおさめました。ただそのCMについては製作費が保険料収入を上回った時もあったようです。CMはもちろん必要経費の一部ではありますが、剰余があれば配当金や保険料削減といった形でまず顧客に還元すべきという声があるのも事実です。保険選びの際はCMのイメージは抜きにして商品をしっかり吟味すべきでしょう。