生命保険もしくは医療保険に加入する際に悩む問題の一つに保険期間を10年更新の定期タイプにするかそれとも終身タイプにするかということがあるかと思います。
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定期保険【掛け捨てで割安】:終身保険【一生保障が続くが割高】
それぞれの特徴を挙げておくと、まず定期保険は主に10年や15年といった保障期間を契約時に定めた保険です。解約時に解約返戻金等のないいわゆる掛け捨ての保険であり、保険料は契約時もしくは更新時の年齢で計算されるため更新のたびに保険料が上がる仕組みになっています。
基本的には保険料は終身保険に比べて割安となっています。それに対し終身保険は保険期間が一生涯のものをいい、死亡するまで保障が継続する保険です。基本的には60歳などの払い込み満了年齢が設定され、それ以降は保険料を払わずに保障を継続できるものが多く、また全期間を通じ保険料は一定で変動はありません。
ただし人間はいつか死ぬため、その死亡を想定しての責任準備金を積み立てる必要があります。そのため終身保険は定期保険に比べて保険料が割高となっています。つまり定期保険のメリットは保険料が安いことであり、デメリットは掛け捨てであることと更新時に保険料が高くなることです。対して終身保険のメリットは保険料が変わらないことと一生涯保障が続くこと、デメリットは保険料が高いということです。
定期保険【死亡保障向き】:ライフステージごとに見直し
どちらも一長一短あり、必ずこちらを選ばなければならないということはありません。ただ加入する保険が死亡保障かそれとも医療保険かによって定期保険にするか終身保険にするかはある程度決めることが出来ます。たとえば死亡保障の加入を考えている際、死亡保障とはどういった性格のものかを考える必要があります。死亡保障とはすなわち万が一の時の残された家族のためのものであり、その時々のライフスタイルで大きく保障額が変化する性格のものです。
つまりライフステージごとで必要保障額というものが変動するため10年間を一区切りで考えられる定期保険はこの死亡保障に向いていると言えます。定期保険のデメリットの一つとして更新時に保険料が上がることを挙げましたが、これは逆に言えば更新時に保険の見直しが出来るというメリットでもあると言えるでしょう。
死亡保障額は変動する必要保障額に対応させるべきなので保険設計のしやすい定期保険が死亡保障には向いていると言えます。それに対し終身保険は死亡保障額が死ぬまで一定なので保険の見直しには向いているとは言えずどちらかというと解約ありきで加入する場合も多いので、死亡保障として用意するには不向きです。
終身保険【医療保険向き】:60歳満了で一生保障が続く
では医療保険はどうでしょうか。医療保険は死亡保障と異なり責任世代でなくともたとえば老後であってもむしろ老後の方が医療機関にかかるリスクというのが高くなるため年をとればとるほど必要となってきます。
そういった意味では必要最低限の医療の保障は常に持っておくべきと考えられ、更新時に保険料が上昇する定期保険よりも終身保険の方が向いていると思われます。ただ高齢期に収入が減少することを考えると60歳満了などで保険料の払込みが終了する終身保険の方がやはり医療保険には向いていると言えます。
ライフステージごとの見直しを:人生設計は保険もセットで考える
ただし終身保険に入っているから安心というわけではなく、ライフステージに合わせて保険の見直しというものは必ず必要になってきます。本当に今必要な保障かそれとも将来に向けての保障なのかをライフステージごとに保険料等を見直し必要がなかったり、家計的に一時的な資金が必要な場合は思い切って解約し返戻金を受け取るというのも手です。(参考:解約返戻金について)
必要なことはうまく定期保険と終身保険を組み合わせ、必要な時に必要な保障が持てるように、もしくはライフステージの急な変化に対応できるように柔軟に対応できるよう、常日頃から人生設計は保険もセットであると考えておいた方がいいでしょう。