入院日数の平均は60日か120日か【短期入院がトレンドの傾向】

最近の医療保険は入院保険や手術保険は当たり前のこと、先進医療特約や放射線特約など医療の進歩に合わせた進化を遂げてきましたが、そうは言っても人間は生きている以上は病気もケガもするので入院による治療といったものはどうしても必要であり、それに対応する医療保険の核となる部分は入院保険となるでしょう。

入院日数「60日型」or「120日型」:再度入院は、前後の入院日数を合算

日帰り治療や通院による治療というものが一般的にはなってきましたが、やはり大きな病気ではまだ入院をベースとした治療が広く行われ、さらに家計にとっては入院費用を含めた治療費はある程度の負担となるでしょう。

そんな中で入院保険をメインとした医療保険選びは家計にとって重要な位置づけにあると思います。その入院保険でも加入の際に考慮するポイントの一つとして「支払限度日数」があります。

「支払限度日数」とは同一の疾病もしくはケガの治療のための一連の1入院あたりの支払の上限日数のことです。一般的には「60日型」と「120日型」の2つから選ぶパターンが多いです。

同一の疾病もしくはケガの治療なので、たとえば「60日型」の入院保険ですと入院した日数が70日であれば60日まで、「120日型」ですと70日まで支払われるということになります。

また同一の疾病もしくはケガの治療のための入院ですが、一連のものであればよく、たとえば一度退院をしても180日以内で同一の疾病もしくはケガの治療のためであれば再度入院しても一連の入院と見なされ、前後の入院日数を合算して給付金を支払うということになります。ではこの「60日型」と「120日型」のどちらを選ぶのがベターなのでしょうか。(参考:医療保険の入院日数は何日がいいの?【入院日数の平均】)

 入院日数の平均は?:9割以上が3か月以内

現代の医療技術の進歩や診療報酬点数の問題から合理性・効率性を重視した早めの退院勧奨と自宅療養の促進の結果、1入院あたりの入院日数は一昔に比べだいぶ短くなっています。平均的に言うと男性は1入院あたり約34日間、女性は36日間となっています。もちろん年齢による差異もありますが、50代でも50日程度なので何か月も入院しての治療ということはなくなってきています。

疾病別に見ても悪性新生物や肝疾患で30日弱、糖尿病で約38日、高血圧疾患で約45日程度とやはり主要な疾病は60日未満です。また厚生労働省のデータによると「入院した人のうち9割以上が3か月以内に退院している」ということから、以上のことを踏まえると「60日型」で十分大抵の入院日数をカバーすることが出来ると言えます。

もちろん「120日型」の方が保険料が高くなることを考えると、削れるべきところは削るという保険設計の観点から「60日型」で十分と言えるでしょう。

まとめ:公的医療制度を利用すれば60日で十分

ただし入院日数が120日をゆうに上回るケースもあります。脳血管疾患や認知症などの疾病は「60日型」ではカバーしきれないほどの入院日数になってしまうことが多いです。そういった保険に対応するために「120日型」に加入するのもいいのですが、今では比較的入院が長期になりやすい脳血管疾患を含めた成人病の治療のための入院に限り支払限度日数が120~730日になるといった特定疾病に対応した入院保険も販売されていますし、もしくは120日を超える入院日数ならばむしろ医療保険に頼らず、公的医療制度の高額療養費制度等を用いてカバーした方がよいでしょう。どちらかと言えばやはり「入院日数の短期化」というトレンドに乗って支払限度日数は統計上では「60日型」で十分かと思います。

どちらかと言えば入院による治療費よりも放射線や先進医療などの治療費の方が大きく、さらに一時的に資金が必要となるため、そちらをカバーできる先進医療特約や放射線治療特約などの一時金の支払いのある特約の方に、保険料を回したほうがいいかと思います。短期化の傾向にある入院ですが、どちらかというと支払限度日数にとらわれずトータルな特約の組み合わせでカバーすることが望ましいと言えます。

           

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