保険はいざという時のためのものであって、常日頃保険のことを考えながら生活している人はいません。保険のことを考えることがあるとすればそれは保険料が家計を圧迫している時か、もしくは結婚や出産、住宅購入や子供の進学などライフステージの大きな変化のある時だと思います。
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ライフステージの変化に応じた見直し:過不足なくベストな選択を
たとえば加入している保険の保障額が必要保障額に達していない場合は保障の増額を行うかまたは新たに追加で新契約に加入するといった方法があります。必要な保障が足りていない場合は、新たに特約を付加するかまたは追加で新契約に加入するといった方法があるでしょう。
逆にライフステージから鑑みて必要保障額よりも加入している保険の保障額が課題である場合には保障額の減額といった方法で見直しをします。必要のない無駄な保障がついている場合は必要のない特約のみを解約するといった方法もあるでしょう。ライフステージの変化に合わせて種々の見直し方法があり、必要保障額や必要な保障を把握したうえで最適な見直しを行うのが良いでしょう。(参考:保険の見直しについて2【ライフイベント毎に必要な補償を考える】)
時代遅れの内容でないか検討する:医療は日々進歩している
ただ時代や医療の進歩に応じて保険商品もまた日々進歩をしています。たとえば新たに追加で新契約に加入する方法はまだしも、従前の保険の特約を追加したり外したり、もしくは保障を増額したり減額したりという方法では、保障自体は古い保険のままであり、ともすれば時代に即しない保険に加入し続けているということもあります。しかしながら新契約を追加で加入し、古い保険を解約という方法では無保険にならないよう保険料を二重で払うこともありえるのでベストの選択とは言えかねます。
そこでしばしば用いられるのが、加入している保険を無駄にすることなく新たな保険に加入できる、言わば保険の下取り制度であり、保険用語では転換といいます。転換契約とは今加入している保険の貯蓄部分すなわち解約返戻金額を元に転換(下取り)価格として新たな保険契約の一部に充てることで、今の契約は消滅し新たな保険契約の保険料の一部となり、普通に新契約にて加入するよりも割安で加入することが出来ます。
なぜ転換が良いのか:保険料が安く抑えられる
新たな保険に加入することになるのでたとえば主契約や特約の組み合わせや保障額や保険期間、保険料の払込期間や払込方法など総合的に変更することになるので、転換前と転換後の新旧比較を行い、どう変わるのかということや転換を用いることでどういったメリットデメリットがあるのかなど、その違いをしっかり確認・納得したうえでの契約となります。
たとえばメリットについては前述のとおり今の契約の貯蓄部分を用いてそれを頭金として新契約に加入するため、転換を行わずに新契約に加入するよりも保険料の面でメリットがあります。
貯蓄部分を使うので心配になる:転換の必用性の有無をはっきりと
しかし貯蓄部分を用いての新契約加入のため、当然に新契約には頭金部分は保険料に充当されその貯蓄部分は引き継がれません。また転換による新契約加入は転換時の予定利率を用いるため、今の契約の予定利率が適用されず、高い予定利率ではなくなってしまう可能性があります。
保険会社にとっては高い利率のままの商品をいつまでも継続して欲しくはないですし、また転換は新契約に等しいのでノルマの厳しい営業職員の立場的にも会社の立場的にも新商品が発売すればやはり戦略的に転換を勧めてくることになるでしょう。
もちろんすべての転換がいけないというわけではありません。してはいけない転換契約とは転換する必要があるか否かをよく検討しないまま契約してしまうことや、転換前と転換後の比較説明がないこと、または説明不足による認識不足といった契約時に問題があることが多く、もちろん転換自体はいい制度なのでうまく活用すればベストな見直し方法の一つであることには変わりません。
顧客がしっかりと自分の必要保障額を把握したうえで理解・納得したうえで加入するのが最も優れた保険であると言えるからです。