郵便局(かんぽ生命)や共済の生命保険は本当に安くて良いのか?

郵便局や共済は、一般的な生命保険と比べて何となくお得なイメージはありませんか。手軽に加入できることもあり、内容についてあまり深く考えずに加入する人も多いようですが、ここでは本当にお得なのかバッチリ解説したいと思います。

郵便局とかんぽ生命

かんぽ生命の保険を独占的に扱っているのが郵便局です。

「かんぽ」という名前は、民営化になる前に「簡易保険」と呼んでいた名残です。

かんぽ生命の主な保険

  • 新ながいきくん(終身保険)
  • 入院特約その日から(入院特約)
  • はじめのかんぽ(学資保険)

テレビコマーシャルをやっているので、ご存知の方も多いと思います。

その他、養老保険や定期保険も扱っているほか、アフラックと提携し、アフラックのがん保険も販売しています。

かんぽ生命のメリット

まずはメリットについて紹介します。

郵便局は全国どこにでもあるので便利

郵便を出したり、ゆうちょのATMを利用するついでに、かんぽ生命の保険の手続きができます。これはどの生命保険会社も真似できません。国営だった時代に利益度外視で作られた最強のインフラです。

間接的に国が管理している会社であるという安心感

かんぽ生命の持ち株会社である日本郵政株式会社は、民営化されたとはいえ、いまだ国が8割の株式を持っています。明治時代から国がずっと運営してきたという安心感を持っている人は、まだまだ多いです。

かんぽ生命のデメリット

保険料が安くない

意外に思う人もいるとは思いますが、かんぽ生命の保険料は決して安くありません。例として、新ながいきくん(定額型)とソニー生命の終身保険を比較します。

35歳男性、60歳払済、保険金額1,000万円の場合、ソニー生命終身保険は28,910円であるのに対し、新ながいきくんは月払保険料34,000円と、5,000円以上も高いです。

加入限度額が累計で2,000万円しかない

かんぽ生命は、前身の簡易保険の時代からの規制で、全加入保険トータルで2,000万円までしか加入することができません。一家の大黒柱に万が一のことがあって、死亡保険金が2,000万円では少ないケースが多いため、かんぽ生命の保険をメインの保険にするには無理があります。

担当者の専門知識レベルが低い

郵便局の窓口担当者は、かんぽ生命の保険商品については、もちろん何でも知っていますが、顧客のライフプランを作り、それに見合った保険を提案する能力は、ほとんどありません。

もともと簡単に加入できることが売りで、「ひと口入っておいたらいかがですか」といったゆるい勧誘しか行ってこなかったため、ライフプランや必要保障額に基づく保険の提案ができる人がいません。この点、保険ショップやファイナンシャルプランナー、外資系生保に比べると、相当見劣りがします。

共済の保険とは

全労済の「こくみん共済」、JA(農協)の「JA共済」、日本コープ共済生活協同組合連合会(生協)の「コープ共済(CO・OP共済)」、都道府県民共済グループの「都民共済」「道民共済」「府民共済」「県民共済」があります。

一般の保険会社と共済とでは、根拠法と監督官庁が異なります。

監督官庁 根拠法
生命保険会社 金融庁 保険業法
JA共済 農林水産省 農業協同組合法
全労災・県民共済 厚生労働省 消費生活協同組合法

共済の保険のメリット

では。共済の保険のメリットをみていきましょう。

気軽に加入できる

掛け金が月々1,000円のコースから用意されているため、気軽に加入できます。死亡保障と入院保障がセットになったものが主力となっています。

割戻がある

共済制度なので、余剰金が発生した場合は、お金が戻ってきます。

共済の保険のデメリット

保障が薄い

掛け金が安い分、保障も薄いです。たとえば「総合保障2型」(掛け金2,000円)の場合、死亡保障は400万円、入院保障は日額4,500円しかないため、共済をメインの保険とするには無理があります。

まとめ

かんぽ生命は、一般的なイメージと違い、割安な保険ではありません。共済も掛け金の絶対額は1,000円や2,000円というように安いのは確かですが、保障内容も加味すれば「おトクな保険」ではありません。

年齢にもよりますが、一般の生命保険会社でも、月々2,000円程度払えるなら、500万円の死亡保障と、先進医療特約がついた日額5,000円の医療保険に加入することもできます。

「とりあえず入っておこう」という理由で、かんぽ生命や共済を選ぶのは決してトクではないため、おすすめできません。

           

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