保険にまつわるクレームについて【適切なフォローで信頼関係を築く】

保険といえば、やはり顧客からのクレームはつきものの金融商品です。というのもまず形が見えない商品であるため顧客からは実態がつかみづらいということ、それから保険料を支払いその保険期間中に保険事故が起こった場合に反対給付を受けるという投機性を有していることから言った、言わないなどの水掛け論的クレームが発生するリスクが高いのです。

デメリットの説明こそ重要:トラブルを未然に防ぐ為に

たとえば車などの目に見える商品であれば見ればわかるキズや機能的な欠陥などがあるでしょう。しかし保険はまず目に見えません。保険証券という書類がありますが、あくまで保険契約を証明する書類であって保険そのものではありません。

ですので、欠陥がわかりにくいのです。ここで重要なのが保険商品には欠陥がないわけではなく、見えづらいということです。保険商品の欠陥とは何のことでしょうか。私はセールスマンの説明不足、もしくは顧客の理解不足こそが保険商品の欠陥であると思います。

ただこれはすべて加入時のセールスマンのしっかりとした説明があれば未然に防ぐことの出来るトラブルであると思います。その多くが当然ながら保険商品についてのデメリットの部分の説明をないがしろにしていることから起こるものです。

解約払戻金が出ない! :加入時の説明不足が原因の事例

たとえばこういった事例があります。ある顧客は、セールスマンの勧誘により医療保険に加入したものの、やはり経済的に保険を継続させていくことは厳しいと考え、加入から1か月で解約したいとの申し出をコールセンターに対してしました。この医療保険は掛け捨ての保険であり、顧客は解約払戻金があると考えていましたが、この医療保険では解約払戻金は発生しないということを聞き、加入時の説明では聞いていないとの不満を保険会社に申し入れました。

こういった事例のクレームは明らかに加入時の説明不足に起因するであると思います。まずは解約払戻金が出ないことの説明を欠いていた点が挙げられます。もちろんこの説明は契約に関する重要な事柄ですので、必ず説明しなくてはなりません。

セールスマンへの不信感:コールセンターに申し出る顧客の心理

しかし問題はもっと別の問題にあると思います。たとえば顧客はこの保険加入から1か月で解約しています。加入時にセールスマンのしっかりとしたニーズの喚起とアプローチ、顧客の経済状況から適切な保険勧誘をしていればまず1か月で解約するようなことにはならなかったのではないでしょうか。

もちろん先の経済状況など誰にもわかりません。しかし継続しない保険契約というのは大抵がその保険商品に対して魅力を感じていないケースがほとんどなのです。そして問題点として、顧客がコールセンターに架電をしているという点です。本来ならばセールスマンが窓口となって顧客の申し出に対応するものですが、それを避けコールセンターに申し出をしているところから、加入時にセールスマンが信頼を得られていなかったことと加入後に適切なフォローを行っていなかったことが想定されます。

 保険は定期的なフォローが必要な商品:人間関係を構築できればクレームは減る

四六時中自分の保険について考えている人はいませんので、商品内容などすぐに忘れてしまいます。そういったことにならないようセールスマンは定期的にフォロー活動を行う必要があると思いますが、もし人間関係がうまく構築出来ていればもしかしたらこのようなクレームには発展しなかったかもしれません。

もっと言えば仮に説明を怠っていなかったとしてもこういう事態は想定されます。なぜなら四六時中保険について考えている人はいないので、自分の加入した際に受けた保険商品の説明などすぐ忘れてしまうものです。そういったことにならないように定期的なフォローを行い商品内容の確認をしておく必要があるのです。したがって保険にまつわるクレームとは加入時のセールスマンの説明不足に起因することが多いのですが、加入後のフォロー不足は顧客の最初は小さかった不満を増大させる元となります。

加入後のフォローもしっかりしているかということもその保険契約の価値と言えるのではないでしょうか。
次回、保険にまつわるクレームについて②【年金保険】では、年金保険の具体例をあげてお話します。

           

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