入金はきわめて煩雑で時間のかかるプロセス(海外業者の包括的な問題点B)

入金はきわめて煩雑で時間のかかるプロセス(海外業者の包括的な問題点B)

多くの海外FX業者の利用をしてみて総じて問題と感じるもののひとつが入金のプロセスになります。

 

我々はネットバンクを使ったリアルタイム入金というものにすっかり慣れてしまってこれがまるで当たり前のように感じますが、このシステムも実際に入金したからリアルタイムで銀行からFX業者に入金されるのではなく、ネットバンクからの振込みが確認できる仕組みに過ぎませんので、実際業者に入金させるまでにはタイムラグがあるのですが、こうしたバンクアダプターのようなサービスを提供する業者がいるため、今では最大380行の銀行、信金などからリアルタイムで入金確認をしてFX業者が口座にその金額を反映させることができるようになっているのです。

 

正直なところ、ここまで便利なことをやっているのは日本のFX会社しかおらず、せいぜい海外ではクレジットカード入金でなんとかリアルタイムを実現することができているだけなのです。

 

したがって通常クレジットカードを利用しませんと、国内業者と同じようにリアルタイムでの入金などはままならないのが実情ということを事前によく納得している必要があるのです。

 

為替の取引なのに証拠金が海外への送金になり銀行から手数料を取れられるというのもなんとも間抜けな話ではありますが、これは送金する限り仕方のないことといえるのです。PayPalのような仕組みを使えるようにしている会社もありますが、それでもコストはかかります。

 

ほんの一部の会社はこうした送金手数料を少なくするために国内の金融機関に何らかの形で口座を設定し手数料は国内銀行への振込みだけにしているところもありますが、そもそも無登録の業者などではこうした便宜をはかる設定すらすることができないのです。酷い業者ではクレジットカード会社の認証も認められないために現金での送金しか方法を設定できないのが実情となっているわけです。

 

これははっきり申し上げられることですが、入金に対する手段の少ないところや不思議な海外の銀行口座に振り込みをすることを求めてくる業者はおかしいと考えるべきでしょう。

 

オーストラリアやニュージーランドに所在があってサーバーがシンガポールで、振込み先が上海などというのは冷静に考えてみれば相当おかしいということになるわけです。顧客から預かった証拠金を信託保全するわけでもなくキープするためにやっているだけのことで、よく考えればこうした業者はカバー先に売買依頼を出していないので、どこに証拠金をおいておいてもほとんど問題がないのかも知れません。

 

クリティカルに利益が出そうな売買についてだけカバー先に手持ちの資金で発注をしておけば、9割の顧客が勝手に負けてくれるのを待っているだけの可能性が高いというわけです。負けが出たときだけ決済されて証拠金をとられてしまうバーチャルトレードをやっているようなものだということについては、ある程度疑ってかかったほうがいいと言えます。

 

まあ誤解を恐れずにいえば、FX取引の個人顧客の特性をたくみに利用したビジネスモデルであり、箇条書きにして比較してみれば、国内のDD方式の業者も少なからず同じようなことはしているわけですから、こうした呑み業者がすべて呑み行為の違法業者だとは言えないわけです。

 

インターバンク市場と連動して動く売買システムさえ構築できていれば顧客との相対取引で設定された条件での支払いにさえ応じていれば問題は起こらないとも言えるのです。海外FX業者と付き合うことでとんだ仕組みを理解する羽目になってしまいますが、こうした背景があって日本人相手に高いレバレッジを提供しているのが一部の海外業者であるということだけは事前に理解した上で利用することが必要です。入金のプロセスひとつとってみてもおかしいと思ったらまずは利用をやめる勇気をもつ必要があります。

 

こうしてみると多額のボーナスが至急されるわけもよくわかりますね。顧客にFX売買をさせても結局9割以上が自滅でなくなるわけですから、最初に証拠金をクレジットで渡してそれもすべて使い果たしてしまっても、別に外部に為替の発注をしているわけでなければ何の損害にもならないということです。

 

もうひとつ、送金に時間がかかるのとは別に、送金したのにまったく反映されないというのは明らかな詐欺行為ですから、こういうことでそもそも問題が起きるのは話にならない会社といえます。一度でもそのようなことがあったらもはや取引する以前の問題の会社と見るべきでしょう。

海外業者の包括的な問題点(1)無登録業者がなぜ営業できる?

これまで5社程度の海外FX業者を概観してきましたが、ほぼ4つぐらいの共通する問題点があります。

 

まず一つ目の最大の問題ですが、なぜ無登録業者がFXの売買を行うことができるのでしょうか?

 

これは日本の金融庁の行政監督下における厳しい免許事業を目の当たりにしている国内個人投資家にとってはまったくぴんと来ない話だと思いますが、他国では規制がしっかりしていないと事業ができてしまうのです。

 

ただしその事業の中身はだれからもギャランティされていませんので危険極まりない取引であって、証拠金の保全は図られませんし、証拠金ごと持ち逃げされても海外の話ですからまったくわからないことになってしますのです。まさに究極の自己責任ということになります。インターバンクもこうした業者のカバーは個人投資家相手のFX事業者としてではなくあくまで売買する業者として行っていれば、その先に何が起こっているのかは感知しない善意の第三者となってしまいますから、こうした状況が現実に展開されてしまうのです。

 

しかもわかりにくいのは当初無登録業者としてスタートしていても事業を行っていくうちに登録業者になってしまい、正規の業者にアップグレードしてしまうというとんでもない企業が存在するのです。これを認める行政当局もいかがなものかと思いますが、こうした状況が個人投資家にとっては業者選びをきわめてわかりづらいものにしていると言えます。日本ではありえない状況が海外に展開するFX事業者では許されてしまっているということについては、厳然たる事実として認識しておく必要があるということになります。

 

したがって店頭FX事業者を名乗っても、どれだけ信用できものなのかはとにかくしっかり調べて結論を出すようにすべきです。単なるスペック上の優位性から選んで取引してしまうととんでもないことが起こる可能性があるということなのです。このあたりは非常に理解しにくい話ですが、これが現実となっているわけですから、理解するしないの問題ではなく、認識せざるを得ないということになります。

 

ネット上を調べますと、かなり問題業者についての書き込みも多いですし、なにより海外のサイトに行きますと英語ではありますが、問題指摘をする利用者がかなり存在することに気がつきますので、ざっと見てみるといったいどんな問題が起きるのかがよくわかるようになります。

 

こうした無登録業者の場合、相場に大異変が起きたときに姿を消すケースが考えられます。1月15日のスイス中銀の決定によるスイスフランの暴騰のように本当に取引していれば、個人投資家とともにFX業者も応分の損害を受けることになるはずですが、なぜかこうした海外業者が多額の損失をこうむったという話がでてこないあたりも実に不思議な存在といます。我々国内の個人投資家では理解できないような業態が展開されている可能性もあるということは想定しておくべきです。

 

この無登録業者との相対取引でも利益が出せている人たちがどうやらいるということも驚きです。1から10まで嘘のトレードをしているわけではないところもこうした業者の存在を理解し辛いものにしているといえるのではないでしょうか。FX取引はそれ自体に大きなリスクが伴うものです。

 

したがってそこに介在する業者の存在にリスクが加算されるのはいくらなんでも取引しないほうがいいと言えます。ビギナーズラックで問題なく小額の利益を引き出すことができたとしても2度〜3度とその金額が大きくなったときに同じように利益を引き出せるかどうかはかなりのギャンブルになってしまいます。もともと引き出せないお金なら入金した証拠金に巨額なボーナスがついてきても納得の行く話しとなります。一部の海外FX業者は我々の想定を超えた存在である場合があるということだけはよく理解しておくべきなのです。

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