バイク保険と損害賠償【高額な損害賠償金に対応するためには】

身近な損害保険といえばパッと思い浮かぶのが自動車保険だと思いますが、その自動車よりも事故のリスクの高いバイクに乗るということであれば、そのリスクをカバーするバイク保険に加入すべきでしょう。

バイク保険:事故のリスクは車より高い

もちろんバイク保険に加入していればどんな事故が起ころうとも安心というのはやや性急ではありますが、自賠責保険だけでは心もとないのも事実です。

さらに一歩進んで加入している内容が事故に対応できるかというところまで考えた上で加入するということはなかなかないでしょうが、バイクによる事故の損害賠償とその金額というものは概算でも把握しておいたほうがよいでしょう。ではそもそもバイクのみに限らず事故による賠償金とはどんなものをいうのでしょうか。

賠償金:会社を休んだ間の逸失利益も含む

自分のみが損害を被った自損事故ではなく被害者という相手方のある事故であれば、まず相手方のケガや死亡に対する治療費=対人賠償というものがあります。これは治療費や葬儀費用という直接的かつ確実に金銭の損失があったため、積極損害という損害に分類されます。

またケガの治療のため会社を数か月休んだということであればその休んだことによる逸失利益も損害賠償に含まれ、消極損害に分類されます。

また精神的な苦痛や障害などが残った場合など肉体的苦痛に対する慰謝料、相手方の車の物損などの対物賠償もすべて含めてトータルで損害賠償ということになります。この通り相手方に賠償するのは治療費だけではないので、莫大な金額になることは容易に想像できるでしょう。

高額な損害賠償金:第1位~第3位が3億超え!!

また損害賠償金額が高騰している現代においては億を超えることは稀ではありません。近年の2000年代でのケースであれば、バイクによる人身事故の賠償金額が最高のもので第1位が3億8281万円(名古屋地裁)、次いで第2位が3億7886億円(大阪地裁)、第3位が3億6750億円(大阪地裁)(損害保険料率算出機構調べ)となっております。

どれにも共通していることが被害者がまだ20代~30代の若年者であったということです。つまり若年者であれば定年までの労働期間が長い分、事故に遭っていなければ得ていたであろう収入=逸失利益が大きくなるということから損害賠償金額も莫大なものとなります。

また第1位と第2位の事故は死亡ではなく後遺障害を負ったということから、その後の治療費やリハビリ費用、逸失利益を想定し3億という金額に達したものと思われます。(第3位は死亡事故ですが、医師という職業上の逸失利益から3億に達したと思われます。)

つまり若年者であればバイク事故で亡くなりはしなくとも、その後の後遺障害の慰謝料によってそれにかかる費用により賠償金額が莫大なものとなるのです。もちろん損害保険には過失割合という概念がありバイクの搭乗者のみが100%損害を被るということはあまりないことかもしれませんが、それでも賠償金額の億超えが当たり前の昨今においては、自賠責保険のみでは対応できないことがほとんどになるでしょう。(参考:自賠責保険について【自賠責保険のメリット、デメリット】)

お守り代わりの保険:事故は身近な所でおきています

また道路に出ればバイクの方が乗用車に比べ被害者となることの方が多いでしょう。しかしよく事故になりやすい交差点での右折時などの事故においては状況によりけりですが、乗用車が100%の過失ということはありえません。

動いていれば被害者であるバイクも幾分かの過失となり、保険から損害賠償を支払うということもあり得るでしょう。バイクに限らずですが、乗り物に乗る際は被害者だけでなく加害者にもなりうるという意識を持って、まず安全運転を心がけることと思いがけないことも起こりうるということから保険をお守り代わりにでも用意しておくことが、乗り物に乗る方の最低限のマナーであると思います。

           

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