簡易保険について【告知や医師の診断なしで加入できる】

かんぽという名前はテレビCMなどでしばしば耳にしたことがあるかとは思います。かんぽとは旧日本郵政公社・現かんぽ生命保険が運営する簡易生命保険のことです。

 簡易保険の名称の由来:告知や医師の診断が必要ない

郵便局で販売されている生命保険と考えればよいですね。この簡易保険の名称の由来としては、

①告知や医師の診断が必要ないことや職業上の制約がないこと、

②身近な存在である郵便局で申込が可能であることから付いた名称であると言われています。

一般的な生命保険は簡単な告知から医師の診断までのいずれかをもって保険加入とみなしていましたが簡易保険にはそれは必要なく、また保険運営的に排除すべき危険な職業に従事する者も簡易保険では加入の対象となり、日本国内においては世界最大の保険会社である日本生命よりもその保険契約は多く、かんぽ生命保険は世界最大の保険会社といわれています。

 簡易保険の歴史:官営から民営化へ移行

簡易保険の歴史は古くその起源は98年前の1916年にさかのぼります。まだ保険事業に関する規制等がなかった頃には、国の運営する保険事業ということで生命保険の普及という大きな役割を担ってきました。

運営主体が官営の日本郵政公社から、2007年小泉政権下の郵政民営化により民営の簡保生命保険に移行したのですが加入要件や商品内容にほとんど差異はありません。しかしいわゆる政府保証がなくなった点が大きな違いとして挙げられます。

 簡易保険の特徴:病人も危険な職業の方も同じ保険料で加入できる

政府保証とは簡易生命保険法により定められた簡易保険の保険金および年金の支払いを政府が保証するといったものであり、いわゆる民間生命保険にありがちな「破たんリスク」というものがありません。この簡易保険の特徴ですが、一番は加入時の手続きのことであり前述したとおり告知や医師の診断が全く必要ないことが挙げられるでしょう。

つまり健康体でも病人であっても一律に加入が可能でさらに同じ保険料で継続が出来るというのは他の生命保険ではありえず、これは簡易保険の最大のメリットと言っても良いです。そして職業上の制約がないことも大きなメリットとして挙げられます。スポーツ選手やスタントマンでなくとも、たとえば船乗員なども他の生命保険会社では危険な職業と認定され保険加入上の制約がありますが、そういった制約も簡易保険ではありません。

 保障内容がシンプル:無駄がなく保険料も安い

簡易保険の商品としてのメリットとしていたって保障内容がシンプルであるという点があげられます。いわゆるシンプルな単品としての終身保険・定期保険・養老保険・学資保険・年金保険・医療保険に、入院保障や災害特約、介護特約などこちらもいたってシンプルな特約を付加できるといった構成になっています。(参考:死亡保障保険の節約方法【保険料を安く済ませるには】

この無駄のないシンプルな構成の保障となっているため、当然に他の生命保険会社の生命保険商品よりも保険料は大幅に割安となっており、この保険料の割安さも簡易保険のメリットの一つとして挙げられるでしょう。

 デメリットについて:保障は小さく抑えられている

もちろんいうまでもなくメリットばかりではありません。当然国内で販売されている生命保険に比べ、簡易的な保険であるという名称からもわかるように、加入に対する制約が少ないことからも保障は小さく抑えられており責任世代が加入する生命保険としてはやや物足りないものとなっております。

また民営化前と後では既契約については取扱いが異なります。一口に言うと民営化前の契約は民営化後のかんぽ生命保険では保障内容の変更・特約の追加等変更が一切できないのです。つまりメンテナンスとして必要な保険の見直しが全く出来ないというデメリットがあげられます。

この点は非常に大きなポイントであり、既契約者は解約するか足りない分を他の保険で追加しなくてはなりません。以上のように簡易保険もメリットデメリットのある生命保険ではありますが、もちろん自らのライフプランに即し、大きな保障が必要のないライフステージにおいては最も加入すべき保険の一つとなるでしょう。

           

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