公的年金保険制度について【本当に年金だけで生活できるのか】

少し前に話題となった「消えた年金」問題や、少子高齢化による現役世代にかかる負担の上昇や将来的な年金の財源の枯渇など何かと話題に事欠かない公的年金保険ですが、我が国の公的年金保険制度と言えば二十歳以上のすべての国民が加入し、要件を満たせばすべての国民が終身年金を受け取ることが出来る国民皆年金ですが、我が国の公的医療保険制度(参考:公的医療保険制度について)と並んで世界に誇れる制度だと言っても過言ではないと思います。

ではその公的年金保険について論じたいと思います。

公的年金保険とは:年金で生活できるの?

公的年金保険は二十歳以上のすべての国民が加入し、かつ40年間保険料を支払えば、満六十五歳に到達した際に老齢基礎年金が受給できる制度というのがおおまかな姿です。年金の支払要件は老齢年齢に達したというだけでなく、所定の障害状態もしくは死亡した際にも障害基礎年金、遺族基礎年金(または寡婦年金)という形で年金給付が受けられます。

公的年金保険ではよく2階建て、3階建てなどという言葉を聞くと思います。基本的にはすべての国民は1階部分にあたる国民年金に加入しており、一般の企業に勤める会社員などは厚生年金という形で、市役所などに勤める公務員などは共済年金という形で国民年金に上乗せされます。ここまでは2階建てまでの部分で、あとは3階部分として厚生年金基金や職域相当加算などでさらに上乗せが出来ます。

1階部分の国民年金は国民みな等しく一律の額であり、平成26年4月現在で老齢基礎年金額は約77万円となっております。12か月で割るとひと月約6万円ですので、これでは到底生活していけませんので2階部分や3階部分というもので加算することが出来るわけです。

企業などに属していない自営業の方も国民年金基金という2階建て部分の制度があるのでそれで上乗せは可能です。

保険料について:近年上昇する保険料

保険料について国民年金はすべての加入者が一律で平成26年6月現在では15,250円となっています。少子高齢化による財源枯渇の不安の影響もあり、物価変動や景況感によりやや変動はしますが平成16年より約300円ずつ上昇しています。

現役世代の保険料負担により老齢世代の年金を支えているというイメージが一般的ですが、財源としては現役世代の支払う保険料と国庫からの負担金の折半という形で構成されています。ただこの財源に関して言えば、少子高齢化による現役世代の負担増が問題となっています。

公的年金制度が抱える問題点:年金制度に対す不信感

昔は4人で一人の高齢者を支えていたという状況から今や2人で一人の高齢者を支えるという状況になりつつあります。その理由として少子高齢化による就労人口の減少と年金を受給する高齢者の増加が挙げられます。また年金保険料の未納問題も原因として挙げられます。

未納問題の原因としては不景気等による被保険者の経済状況に起因するもの(払いたくても払えない)や、消えた年金問題など社会保険庁等国に対する不安などが挙げられますが、保険料を掛けても年金を受け取れないのではないかという年金制度そのものに対する漠然とした不信感から未納問題が起こったものと思われます。

ゆとりある老後を送るには

やはり今後も出生率低下と少子高齢化は加速していくと思われ、年金原資はあと40年足らずで枯渇するとの見方もあります。労働力の低下により現役世代の保険料に加えて国庫負担金の財源も減っていくでしょう。

その中で今現在の現役世代は将来的には今のように老齢年金を受給できるかどうかははっきり言ってわかりませんし、過度な期待は出来ないといってもよいでしょう。

そういった状況に対し自助努力で老後をゆとりあるものに出来るかどうかは現役世代の頃にかかっていると言えます。個人年金や資産運用等を活用し、国に頼りすぎず自分の力で老後の資金準備をすることが求められている時代と言えます。

           

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