がん治療にかかる費用について【所得補償保険のすすめ】

2014年現在のがんの罹患者数は88万人、がんによる死亡者数は37万人といわれています。これが多いか少ないかは別にして、がんは今や治る病気となるまで医療技術は格段に進歩しました。しかし裏を返せばそれだけがんにかかった場合治療等にかかる費用とその間の生活費は大幅に大きくなり、さらにそれに対する準備の必要性も高まってきています。

もちろんがん治療にかかる費用も医療技術の進歩に伴って少しずつ抑えられてはきており、この先も抑えられていくものと思われます。

 がんの治療にはお金がかかる:就業不能で収入減

しかし実際にはその治療費用等は高額に及ぶケースが多く、それに対応する備えもしっかりしておきたいものです。たとえば早期治療が可能であった場合でも健康保険適用内で収まったとしても平均して手術・入院だけでも50万円はかかります。そこから通院による治療にかかる費用や治療の間収入が減ってしまった場合のその填補などを考えるとそれ以上の費用がかかってしまいます。

早期治療でないケースはどうでしょうか。命にかかわることなので当然今受けられる最高の治療を受けたいはずです。医療は確実に進歩しており、副作用の少ない新薬や重粒子線治療等の新しい治療法も確立されています。

 混合治療が認められない:新薬を試せば全額自己負担

ところがわが国日本においては新薬や新しい治療法については健康保険の給付対象とならないため、原則全額自己負担となってしまいます。これについてはたとえば健康保険適用となる治療法と併せて健康保険適用外の治療法を組み合わせた場合でも、混合治療が認められていない我が国においては適用分も含め治療にかかった全額が自己負担となってしまうのです。厚生省先進医療として定めている場合においては健康保険適用となる治療と適用外の治療の併用が認められ健康保険適用となる治療部分のみ3割負担となりますが、もともと高額な健康保険適用外の治療分についてはやはり全額自己負担となってしまいます。

ここでは詳細な説明は割愛しますが、高額療養費制度を利用することで高額な治療費用をすこし抑えることは可能です。ただし、高額療養費制度はあくまで健康保険適用内の治療診療に限り幾分か戻ってくる制度のことであり、新薬・新しい治療法を行った際にはやはり全額自己負担であるという認識でいた方が良いでしょう。

 保険の必要性:よほどの蓄えがない限り保険に頼るしかない

たとえばがん治療の最先端である陽子線治療は体に負担が少なく、かつピンポイントでの放射線照射が行える先進医療の一つですが、基本料と照射量合わせて280万円かかってしまい、その費用は高額に及びます。さらにより体への負担がかからず有効な治療をおこなうことのできる重粒子線治療という治療法がありますが、費用は平均して315万円かかってしまい、高額なのにもかかわらず健康保険適用ではないため、その費用は自ら捻出しなければなりません。また治療している間就労できていれば問題はないのですが、がんという病気を考えると休職せざるを得ないでしょう。(参考:がん保険の注意点【ガン保険比較、必用な特約の見極めポイント】)

そうなれば収入が一時的に無くなった状態のまま、治療費以外に生活費も捻出しなければならないため家計の負担は厳しいものとなるはずです。十分な蓄えがあればそこから切り崩して充てることができるのですが、そうでなければやはり保険による備えが最も合理的であると思います。がん保険はがんに特化した保険で比較的低廉な保険料なのですが、言うなればがん専門の保険であるため、がん以外にも脳卒中や心筋梗塞など現代人にはほかの成人病のリスクもあるのであまりおすすめしません。

 就業不能に備える保険:所得補償保険

がん・脳卒中・心筋梗塞と診断された場合に保険金の出る特定疾病保険に加え、一時的に失われた収入を填補するための所得補償保険に加入することをおすすめします。ただがんは治る病気ですが、それは定期的な検査による早期発見と早期治療が前提であることを忘れてはなりません。

           

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