がん保険はアフラック社が発売した当初はまだがんという名前を出すのも憚られるほどに過剰なほどの畏怖を抱いていた時代でしたが、今ではありふれた保険の一つになるほど日本において普及しています。その理由としてはとりもなおさず日本においてがんというものに対する恐ろしさというものは医学がいかに進歩しようとも潜在的に無くなるということはなく、常にがんの不安とともにがんに対する備えというものを意識していたからでしょう。
では日本において普及しているがん保険と従来の医療保険はしばしば比較されることがあります。「がん保険と医療保険のどちらに加入したらよいか」もしくは「どちらも加入しており見直しをするためどちらかを解約したい」といった具合にがん保険と医療保険は比較対象として取り扱われます。ではその両保障に一体どんな違いがあるのでしょうか。
がんのみに特化した医療保険＝がん保険
ではそもそもがん保険はどういったものかを理解しておく必要があります。がん保険とは一般的には医療保険の一種で、がんで入院したら１日あたり５０００円という入院保障に加え、がんの治療のための手術・通院保障、または罹患した際の診断給付保障、治療に先進医療を利用した場合はその先進医療保障などが主な保障となります。
つまり一般的な医療保険をがんに特化させたものががん保険であり、がん以外の疾病については給付対象外となる保険です。がんのみに特化させているため保険料は基本的には医療保険より低廉であることが多く、保険料だけで見るとかなりの手頃感であると思います。
がん保険は加入すべきか：特約部分こそが重要である
医療保険はすべての病気を広く浅くカバーする商品であるためもちろんがんに対する保障もないわけではありません。それに対し、がん保険はがんのみを狭く深くカバーする商品であり、他の病気については一切保障はありませんががんについては手頃で手厚い保障があります。医療保険のみでいいのかそれともがん保険も持っておくべきなのでしょうか。
結論から言うとがん保険は加入すべきであると思います。もっというとがん保険の一時金の部分こそが必要な保障であり、入院部分や通院部分についてはさほど必要ないと考えるため、がん保険でなくとも特定疾病保障のような死亡保障系の商品でもよいと思います。
というのも今はがんでも短期入院の時代であり、がんですら長期の入院は見込めない時代となってきております。昔は手術による切除を行った後抜糸まで入院ということもありましたが、今は切らずに放射線照射でがん細胞を焼くという放射線治療による通院治療が定着してきており、もちろんがんという病気に限りませんが特にがんは昔に比べ、今はあまり入院による治療が期待できない中でがん入院保険というものから得られる恩恵は薄れてきていると思います。
高額な先進医療特約：安価なので加入をおすすめ
入院に対する備えよりもむしろ高額におよぶ放射線治療の治療費を用意する方が重要であるかと思います。
最近のがん保険では放射線治療を行った際に保険金がでる放射線治療給付特約などは保険会社や保険商品ごとには異なりますが、月の掛け金にして数十円～数百円程度上乗せになるだけなので、よい特約であると思います。
またがんと診断された際に一時金の出るがん診断給付特約などはがんと診断された際にまとまったお金が手に入りますが、こういった特約が付加できるがん保険は良質な保険だといえます。
今はこういったがんの治療のための特約の付加できる保険はどこの会社からも販売しているので、保険料等を比較検討し加入するのが良いでしょう。がん保険に限らずすべての保険に言えることですが入ってるだけでは何の意味もなしません。商品内容を理解し、いざということにしっかり使えてこそ、保険の価値が出てくるというものです。
