解約返戻金について【無保険状態にならないように注意】

保険は加入したら長期に渡って契約を継続出来るにこしたことはありませんが、生命保険契約などの保険期間の長い保険契約においては、保険期間中にライフイベントが多々あり、その都度見直しをする必要があるので、どうしても入ってから満了を迎えるまで同じ内容というわけにはいきません。またライフイベントに応じて解約をする必要があることもしばしばあり、その際支払われる解約返戻金を当てにするといったこともあるでしょう。

 解約返戻金:既払込保険料の一部

しかしながらこの解約返戻金については以下のような注意が必要なので、加入時ならびに解約時には必ず詳細に説明を受けることが必要となります。まず解約返戻金=既払込保険料ではないということです。解約返戻金とは解約時に保険会社より払い戻されるお金のことを指しますが、ある一定の金額を控除した分が払い戻しとなります。保険の掛け金である保険料はその使い道が大きく分けて「純保険料」と「付加保険料」「貯蓄保険料」の3つから構成されています。

純保険料とは将来の保険金支払いに充てられる責任準備金積立のための保険料であり、純粋に保険金の原資となる部分です。それに対し付加保険料とは保険事業維持のためのいわば経費部分に充てられる部分であると考えてよいものです。

 貯蓄部分の多い終身保険は、解約返戻金も多い

そして残った貯蓄保険料の部分こそこの解約返戻金に充てられる部分なのです。そのため原則的に保険という金融商品においては基本的には既払込保険料総額>解約返戻金額となります。(ただし解約返戻金額が既払込保険料を上回る貯蓄保険などもあります。)たとえば一般的な死亡保険においては、たとえば10年更新の定期保険などはそのほとんどが純保険料で構成されているため典型的な掛け捨て商品ということとなり、解約返戻金は全くないかもしくはあってもごくわずかということになります。

それに対して終身保険は一生涯という全保険期間分の保険料の総和を毎月分に按分しており、たとえば今払っている保険料も将来の保険金のために積み立てているというイメージなので、いくらかの解約返戻金が存在します。そのため終身保険はしばしば解約返戻金の支払を目的に加入するというケースが散見されます。

無保険状態に注意:返戻金を充て掛け金を抑える保険も

この解約返戻金ですが満期保険金とは異なり、かならずしも予定された額が支払われるとは限らないという点が注意なのですが、解約返戻金が発生するということは、それはすなわち解約を意味することであって複数の保険に加入していればいいですが、解約返戻金をあてにするあまり無保険となってしまわないことの方が重要です。それにあたっては解約返戻金は何も解約時に支払われるというタイプのものだけでなく、たとえば低解約返戻金型、もしくは無解約返戻金型という保険商品があり、読んで字のごとくですが、解約返戻金の積立を抑えた保険タイプと解約返戻金が全くないという保険タイプです。

これは単に掛け捨てという意味ではなく、解約返戻金の積立を抑える代わりに保険料を割り引きにしているという保険タイプになります。つまりこれなら保険をやめることなく解約返戻金の恩恵を被ることが出来るということになります。もちろん一時金が必要である場合は別ですが、そもそも保険とは残された遺族の生活のためのものであり、それは継続を前提にした商品であるため、一時金を目当てに加入するという類の金融商品ではないのです。

もちろんライフイベントの急な変化というものはいつ来るかはわからないですし、一時的に入用であることもあるでしょう。しかし一時金をあてにするということであればもっと利率のよい金融商品も多々ありますし、何よりせっかく加入した保険であればその最適な見直しのタイミングまで継続すべきであるとおもいます。(参考:保険の見直しについて2【ライフイベント毎に必要な補償を考える】)

           

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