脳卒中の治療費について【長期リハビリ、就業不能になるケースが多い】

三大成人病という言葉はご存じの通りであると思いますが、最も一番最初に思いつくのはがんであると思います。がんは不治の病であるというイメージであったのが、医療の進歩により早期発見早期治療を施せば死に至る病ではなくなりました。ただしその治療費用がかかるため、その準備のためにがん保険という保険まであり、がんに対する備えは容易に準備することが出来ます。

しかしがんや心筋梗塞と比べると脳卒中は非常にやっかいな病気であるのにもかかわらず脳卒中保険というものはありません。脳卒中についてしっかりとした知識を持ち、どれくらいの費用がかかり、どういった準備をすればいいのでしょうか。

 脳卒中とは:脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の総称

まず脳卒中という疾病についてですが、脳内血管が破れたり詰まったりすることで脳に欠陥が行き届かなくなり脳内神経や細胞が機能障害を起こす疾病の総称のことをいいます。一般的には脳内の血管が詰まる脳梗塞や脳内の血管が破れる脳内出血、脳内のくも膜と軟膜間の動脈瘤の破裂によるくも膜下出血のおおまかに3種類に分かれ、脳卒中の死亡者数の7割が脳梗塞です。脳卒中はかつては日本人の死因No.1でした。

医学の進歩とともに罹患しても治すことができるようになり近年では死因No.1はがんとなっていますが、いまだに年間10万人以上が脳卒中を原因に命を落としているためいまだに非常に恐ろしい病気であると言えます。またがんと異なり、たとえ治療により治ったとしても、脳内の神経系に障害を残すことが多く、罹患者は長いリハビリを余儀なくされます。脳卒中の症状はなくなったとしても長いリハビリにより長期間就労が出来ないというケースが想定されます。(参考:就業不能保険の必要性について【就業不能保険の支払要件の厳しさ】)

後遺症によるリハビリ生活:就業不能で家計を圧迫

したがってがんよりも長期間にわたり生活費やリハビリの費用をねん出できるよう準備をしておくことが必要となるのです。では、脳卒中にかかった場合いったいどれくらいの費用がかかるのでしょうか。まず脳卒中の中でも代表的な脳梗塞のケースで見ていくと、脳梗塞罹患による平均的な入院日数が約108日間と言われています。1日あたりの入院等治療費は約2万3千円なので、単純計算で248万円もかかります。もちろん脳卒中の治療については健康保険適用対象の治療なので3割自己負担となりますので、その3割は74万5千円となり高額療養費制度を利用すれば自己負担額は約30万円弱となります。

しかしこれはあくまで治療にかかる費用のみです。脳卒中にはさらに後遺障害が残るケースが多いので場合によってはこれにリハビリ費用がかかってきます。リハビリ費用についても健康保険の適用があるため3割負担で計算すると1日1時間あたり2,500円程度で済みますが、当然リハビリが長期に渡ればそれだけリハビリ費用もかさんできますし、必要に応じて住宅の増改築も行う必要があるでしょうし、何よりももちろんその間の収入もないので、どちらかと言えば脳卒中治療に対する費用よりも、治療後のリハビリを含めた生活に費用がかかってきます。この費用をねん出するためには当然保険が好ましいのですが、いったいどのような保険で準備すればよいのでしょうか。

 がんよりも備えが必要:長期リハビリ生活を支える

まずは入院・手術をしたら給付金の支払のある医療保険への加入は必須でしょう。もしくは三大成人病に罹患した際に保険金の支払のある特定疾病保険による一時金支払で準備するという方法もあります。そして長期のリハビリ費用、逸失した収入をカバーする保険として所得補償保険などがあります。多くの所得補償保険は保険金額は直近12カ月の平均所得をもとに算出されているため、罹患以前の収入に近い金額を得ることが出来ます。填補期間は1年~5年など長期に渡るものもあるので、所得補償保険による逸失した収入の準備もしっかりしておきたいものです。以上のように脳卒中は長期にわたるリハビリが想定されるという点で、がんよりも恐ろしい病気であり、がんよりもしっかりとした備えが必要な重病であるのです。

           

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