少子高齢化でも助産師の需要は増加中(助産師外来のメリット)

近年少子高齢化が進み出生率も上がり悩んでいます。晩婚化が進み女性一人が出産する機会も減っている現状が大きく変化する見込みは少なく、助産師として活躍する場が減ってしまうのではないかと不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

確かに出生数が減少すれば助産師の需要は減ってしまう不安は私も助産師になる前に思い悩んだ事があります。

 

しかし、産婦人科医の減少により助産師の活躍する場はどんどん増えているのです。

 

逆に正常分娩を行える助産師の求人は増え、選ばなければ就職先に困ることもありません。

 

また産婦人科医不足をどのように補っていくべきか助産師の資格を活用して助産師外来や院内助産院を開設する病院も年々増えてきている状況です。ここでは助産師外来や院内助産院とはどんなことをしているのかお話していきたいと思います。

 

助産師外来とは

助産師外来とは今まで医師が行ってきた妊婦健診を助産師が行うことです。助産師は正常妊娠・分娩に関しては医師の指示が無くても取り扱う事が出来ますので妊婦健診も行うことが出来るのです。

 

もちろん順調な妊娠経過を辿っている妊婦に限られますが妊娠中期から後期にかけての妊婦さんが対象になることが多いです。

 

病院により内容や対象妊婦の違いはありますので一概に何週の妊婦が受けられるとは言えませんが、16週以降で助産師と医師が交代で妊婦健診を担当したり、妊娠中期は数回に一度助産師外来が入り、後期は助産師外来のみで健診を行うなど、その施設の助産師の健診レベルにより回数や内容は違うといえます。

 

もちろん途中で異常が発見された場合や薬の処方が必要な場合は医師の診察を受け必要な処置を行います。

 

助産師外来のメリット

助産師外来の最大のメリットはゆったりとした雰囲気で妊婦健診を受けられるというところです。

 

産婦人科医不足により一人一人の妊婦健診に当てられる時間が短く、長い待ち時間でやっと呼ばれたと思ったら座った瞬間に健診が終わってしまったという声を聞いたことはありませんか?妊婦さんの中には不安や質問を抱えて健診にいらっしゃる方もたくさんいますが、何も聞けないまま帰宅して次回まで悶々と過ごしていたという話も聞かれます。

 

そこを改善し安心したマタニティライフを過ごすために正常な妊娠経過を辿っている妊婦さんを対象に助産師が話を聞きながら健診を行うという助産師外来が広まってきています。

 

また助産師は女性であり、女性同士で話しやすいことや不安など話しやすい環境、自分の出産経験など経験豊富な話を聞けるのも人気の一つです。また安全に行うためにも完全予約制になっている所が多く、待ち時間が短くて済むという点でも喜ばれています。

 

助産師外来の課題

まだまだ助産師という名前が広まっていない現実がありますが、妊婦さんの中には医師に診てもらいたくて健診に来ているという方もいらっしゃいます。

 

そういう方こそ不安や心配事を抱えているのですが、話しかけるタイミングが掴めなかったと悩まれていたりします。助産師に対する信頼性はまだ医師に比べれば劣ってしまうのです。

 

もちろん助産師外来を担当する助産師は新人では任せられません。病院により異なりますが経験年数が5年〜7年以上など経験豊富な助産師が担当している病院が多いようです。助産師外来を立ち上げるに当り様々な研修に出向いたり、医師と何度も話し合いを重ね開設にたどり着いた施設がほとんどですので、正常と異常の境目や処方の必要性などの細かな項目はきちんと定められています。

 

もちろん少しでも異常を発見した場合にはすぐに医師へ報告、速やかに受診を促しています。

 

このように助産師外来開設は時間をかけ、安全第一という考えで進められているのです。そのような過程を妊婦さんにも伝えて安心して受診出来るような働きかけや助産師の特性、信頼性を伝えていく必要があると考えます。