助産師看護師の夜勤業務について

前回は「分娩介助業務の基本、手順について」ということで分娩介助について書きました。

 

今回は助産師の夜勤についてです。

 

新人としての日勤の仕事に少し慣れてくると今度は夜勤業務が入ってきます。私は想像の付かない夜勤という業務が楽しみである反面新人でも出来るのだろうかと不安だった日を思い出します。

 

夜勤と一言で言っても病院により二交代、三交代制があり日勤、準夜勤、深夜勤などと表現も違います。

 

私自身二交代制での勤務しか経験がありませんので今回は二交代のお話がメインになります。

 

勤務時間と体制

二交代制夜勤は病院により勤務時間の開始終了違いますが、約16時〜17時スタートで次の日8時〜9時頃日勤への申し送りを完了し勤務終了となる病院が多いのではないでしょうか。二交代制の場合勤務時間が長いため90〜120分の休憩が含まれます。

 

また夜勤の明けた次の日はほとんど休みとなるため、夜勤明けで9時に仕事が終わった場合ほとんど2日間自由に過ごせる時間が作れプライベートも充実させる事が出来ます。夜勤前は勤務開始時間の約30〜60分前には病院へ入り、夜間帯に使用する点滴や薬剤の確認準備や検査の準備等夜勤業務の準備を行います。

 

夜勤は大変なことも多いです

夜勤業務は日勤と違い人数の少ない中での勤務になりますので一人一人の負担は大きくなります。

 

新人のうちは最初はプリセプターが一緒に夜勤に入ってくれたり、一人多目の勤務を組んでくれたりと配慮がありますので、その内に夜勤の流れを覚えて慣れていくことが大切です。
産科では出産は時間問わず新しい命が誕生しますので、夜勤では病棟担当、分娩担当、ベビー担当などと分かれて業務を行いますが、それぞれの業務をこなしながらお互いのフォローをしなければなりません。

 

時には緊急で帝王切開になってしまったり、母体搬送を送る側、受ける側等普通の業務にプラスし業務も入ってきます。オールマイティーに仕事が出来なければ夜勤が出来るとは言えない為難しい仕事と言えるのですね。

 

新人さんはこの時にどのような動きが自分には出来るのかを考えながら日勤で基礎を身につけイメージトレーニングをし、わからないことはどんどん先輩に聞いて少しでも早く夜勤の雰囲気になれていけるといいですね。

 

もちろんいつもいつも忙しい訳ではありませんので、安心して下さい。

 

夜勤業務の流れ

先程勤務の時間や夜勤業務の準備について少しお話をしましたが、申し送りが終わってからの流もお話させて頂きます。

 

申し送りが終了するとそれぞれの業務を開始します。病棟、分娩担当は部屋を回りを挨拶をして変化の有無を確認して看護を始めていきます。主に夜勤の病棟担当は妊婦褥婦の検温や必要に応じて注射、点滴の実施管理、NSTの装着や授乳介助などを行います。

 

分娩担当は昼間と同様分娩進行者がいれば管理を行い、分娩の介助をしていきます。昼間と違うのは一人で全ての分娩の進行者を把握し経過を観察、アセスメントしながら進行具合を判断して分娩介助しなければなりません。もちろん他の夜勤者も手伝ってくれますが、一人での責任は日勤よりもおもくなりますのでしっかりと一人で分娩進行を見れる力が必要となりますね。

 

夜勤のやりがい

今まで夜勤は大変だという内容を中心にお話してきましたが、人数が減る分大変なことも多いのは事実です。しかし日勤のように指導や検温など時間に終われる勤務ではないので出産がなければ患者さんとゆっくり関わる事が出来る勤務でもあります。

 

褥婦さんは特に夜中にかけて育児の不安を訴える事も多くあり、授乳介助出来る回数も自分一人で朝まで何度か確認しながら進められ朝にはママ一人で自信を持って育児が出来るようになった時の充実感は言葉では言い表せません。もちろん自分自身に経験や知識が無いとアドバイス出来る範囲も狭まってしまいますが、親身に育児相談に乗り付き合ってもらったという事だけで不安いっぱいになっているお母さんの気持ちの改善に繋がる事は事実です。

 

産婦人科の夜勤は出産が常にあり、いつ出産になるかわかからない中での夜勤になりますので仮眠すら取れない事も多々あります。そいうい時は辛いなと思うこともありますが、一人一人の方にとって素敵なお産になったと思えるお手伝いが出来ればという思いを大切に毎日働いています。

 

助産師という仕事は不規則な勤務が多くなりますので自分自身の体調管理をしっかりと行って自分の身体を大事に使って下さいね。

 

次回は助産師と保健指導について書いています。
助産師と保健指導について