助産師から整形外科と産婦人科の混合病棟へ転職
まずはじめに助産師という職業についてみなさんどれほどの知識があるでしょうか。
私はと言うと高校生になるまで「助産師」という仕事について興味を持ったこともありませんでしたし、それこそ将来自分が出産の手伝いをすることになるなんて夢にも思っていませんでした。
高校三年生の進路を決めなければならなかった時、私は獣医学部に進学したいと考えていました。
しかし、担任からは冷たい一言。
「獣医になるためにはお金もかかるし時間もかかる、何より成績が足りない。」
とのこと。
確かにその通りでした。
しかし先生はこうも言いました。
「お前は人とのコミュニケーションに長けている、人と関わる仕事をしたほうがいい、動物がダメなら人間はどうだ?看護師はいい職業だ。」と。
私はその時、なるほど、看護師も悪くないかもしれないと思い、それから看護師という職業について調べることにしました。
そしてたまたま図書室で数々の出産の写真が納められた1冊の本を見つけました。本のタイトルは憶えていませんが、病院での出産ではなく、家に産婆が来て出産を手伝っている写真が多く載っていました。
その出産風景を収めた写真集を見た時、あーこういうこと、やってみたいなと思ったのです。それが私と助産師という職業との出会いでした。そこからの進路決定はスムーズに進みました。そして私は看護学部に進学し、助産師の資格を取得しました。当時22歳でした。
どこの病院がいいんだろう?病院の探し方・選び方
大学4年生になったころ、就職先を探さなければならない時期にさしかかりました。
次々に学友が就職先を決定していく中、私はどの病院が良いのか決めきれずにいました。ある助産過程を一緒に受講した学友に就職先について尋ねたところ、彼女はこう言いました。
「私は大きい病院で忙しく仕事をするのではなくて、小さいところでも一人ひとりと密に関わることが出来るところがいい。」
それを聞いて私は高校時代に見た写真集を思い出しました。私も町の産婆さんのような存在になりたいのだと改めて思ったのです。そして私はその友人と同じ病院に就職を決めました。病院での助産業務は思った以上にハードなものでした。
たくさん泣いたこともありました。でもその経験があったからこそたくさんの知識を得ることが出来たのだと確信しています。
なぜ転職しようと思ったのか
私が就職した病院は「BFH(赤ちゃんにやさしい病院)」に指定されているとても長い歴史を持った病院でした。
主には母乳育児を推進しており、出来るだけ母乳だけで育てたいという思いが強いお母さんたちがたくさん出産しに来ていました。私はそこで乳房ケアについてたくさん学ぶことが出来ましたし、もちろん赤ちゃんや母親についてもたくさん学ぶことが出来ました。
しかし、その反面この病院は、ある意味とても特殊であるということにも気付いていました。
そして他の病院ではどのように赤ちゃん、母親にアプローチしているのかとても気になり始めたのです。
加えて私は、一生助産師としてだけ働いていてよいのかとも感じていました。
どこに転職しようと思ったのか、どのように転職先を探したのか?
そして私は考えました。看護師として、助産師として赤ちゃん、母親だけでなく全ての患者に関われる場所はないかと。
まず2〜3つの転職サイトに登録しました。そしてどのような就職先を探しているのか、何度も何度も電話で転職サイトの方と話し合いを重ねました。
面接も4〜5つ受けました。そしてその中で自分の条件に合った就職先を見つけることが出来たのです。
そこは整形外科と産婦人科の混合病棟でした。
以前の病院と違って、規模は大きくたくさんの疾患を学ぶことができ、そして助産業務も行うことができ、私が正に探していた病院にたどり着いたのです。
※転職の流れについてはこちら
⇒助産師の転職方法 まずは転職サイトに登録しました。
待遇、給料などの違いは?
さて、そこで気になるのが待遇や給料ですよね。私の場合ははっきり言ってそこまで大きな違いはありませんでした。
しかし、転職先の病院は母体が大きかったのでしっかりした福利厚生が約束されていました。
夏休みもありましたが、転職した最初の年は1日しかありませんでした。給料は夜勤の回数によりますが、夜勤を月に6回こなし24万〜27万程度手取りでいただいていました。
転職を考えている助産師さんへ
まず転職サイトに登録してみましょう。しかし自分で自分に合った転職先を探すことも大切です。
転職サイトの方からも情報をもらいながら、自分で探した病院はどういうものなのかなど、意見を交換し合うことが重要であると思います。そして、今の環境に満足していない、他の病院で働いてみたいけど、なかなか辞めるという行動に踏み出せないあなた。
あなたにとって一番大切なものは何ですか?給料?待遇?それともキャリア?仕事に対する充実感?何を一番大切に働いていますか?一度その職場を離れてみて気づくことが必ずあると思います。やっぱり同じ病院で働きたいと思ったとしたら、それはそれで良いのです。
そのようにして戻ってきた職員も中にはいました。
大事なのは、今の状況に満足していないのに、その場に居続けることは正しいことではないと気付くことだと思います。大丈夫です。
あなたには看護師、助産師という資格があります。それはとても強いあなたの味方でしょう。勇気を出して一歩踏み出してみませんか?