地震保険について【液状化、噴火、津波など自然災害全般が対象】

先の東日本大震災の傷跡もまだ記憶に新しいのもありますが、日本は世界有数の地震大国として有名です。そんな地震の国日本においてはもともと地震保険の関心が高かったのですが、東日本大震災によりさらにその関心が深まったといってもよいでしょう。

 大地震への備え:M7クラス地震の確立70%以上の驚異!

国の見立てではここ20余年の間に関東においてマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は70%以上とも言われているこの現代において地震保険の果たす役割も大きくなっているということは言うまでもありません。

大地震に対する備えの一つとして地震保険の加入を考慮することは至極当然のことと言えるでしょう。では地震保険とは一体どのようなものなのでしょうか。

 地震保険の特長:火災保険とのセット加入

まず、地震保険とは単独の商品ではないということが特徴としてあげられます。つまり住宅に付保する火災保険とセットしてはじめて加入できる保険商品なのです。もちろん火災による被害もピンキリですが、大地震による地震はそれとは比較にならないほど大きいものとなるでしょう。(参考:火災保険料取りすぎ問題)

しかし地震保険の保険金額は無制限に付保できるというわけではないのです。基本的には火災保険の50%までで、さらにその上限が建物5000万円、家財が1000万円までと決められているのです。ちなみに生命保険や医療保険はいくつも保険に加入できますが、地震保険は一社のみしか加入はできません。

どの保険会社も一律料金、同内容:危険地域は割高

次に地震保険はどの保険会社で加入しても全く同じ保障内容で全く同じ保険料であるという点があげられます。というのも地震保険は公共性が高く政府と損害保険会社が共同で運営しているからです。大地震の被害は日本国内で起こる災害のいずれよりも甚大なものとなります。

損害保険単独ではその保険金支払いに耐えることができず政府の再保険と共に支払いに備えるという形になっているのです。また地震保険料は都道府県によって異なります。もちろん地震の危険性の高い県や人口の多い県はそれなりに保険料が割高となるのです。保険金支払いについては全損・半損・一部損によって付保されている保障額のうち支払われる割合が決まっています。全損の場合は100%、半損なら50%、一部損なら5%と決まっています。

 液状化による被害も対象に:自然災害も含む

また東日本大震災によって問題となった液状化による損壊も以前は支払いの対象とはならなかったのですが、震災後は支払いの対象となりました。

次に地震保険と名がついてはいますが、その支払い対象は地震のみに限らず、火災保険では補償されない噴火や津波も含まれるという点があげられます。自然災害に対する備えは地震保険の方でカバーするといった形になっています。

以上の点より地震保険が他の保険商品とは一線を画するということが言えるでしょう。前述のとおり地震保険は公共性の高い保険であるため、当然保険会社に利益はありません。来るべき保険金支払いに備えて生命保険の責任準備金のように積み立てておかなければならないためです。

認知度は高いが加入率は少ない:備えて安心、転ばぬ先の杖

地震保険については法律で事細かく定めがあり、営利商品としての性格はありません。公共のためということはそれほど地震という災害は日本国においてありふれており、またいつ起こるかわからないためやはり大きな脅威でもあるということなのです。

それにもかかわらず地震保険は東日本大震災がありその認知度が高まったとはいえ、いまだ加入率は27%しかありません。地震保険に加入していても損害に認定されないのではないかといった地震保険は必要性が低いというイメージからか加入率は3割に満たないという現状になっています。

避難訓練や防災セットの用意など日々の地震に対する備えはもちろん大切なことですが、実際に地震が起きた際に大きな助けとなる地震保険の加入も一考すべきであると思います。

           

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