生命保険による資産運用【リスクの低い年金保険で確実に資金を得る】

失われた20年と言われた長引く景気低迷の過中にある我が国の経済情勢において、アベノミクスによる若干の回復の兆しを見せたものの、依然として厳しい状態が続いています。さらに少子高齢化に伴い国の社会保険制度、特に年金制度の将来的な破綻が懸念されている昨今では、老後の年金不安の解消のための投資など自助努力による資産運用の風潮が高まっています。

リスクを分散し、確実にリターンを得る:必用な額を明確に!

もちろんローリスクハイリターンが最も理想的ですがそういった夢物語は存在せず、リスクをとればリターンも大きいといった商品しかありません。そういった意味では大きな利差を得るということよりも、必要な額の資金を算出しそれを用意するといった方法論がベストであることはいうまでもありません。

必要な資金を必ず得るという意味では出来るだけリスクを分散し、確実にリターンを得られる商品が好ましいと言えるでしょう。資産運用と言えば、銀行の定期預金や国債公社債などリスクの少ない商品から、株式投資やFXなど外国為替取引、投資信託、先物取引などハイリスクな金融商品や不動産経営など種類は多岐に渡りさまざまです。

生命保険での資産運用とは:貯蓄保険が向いている

では金融商品の一つである生命保険は、資産運用においてどのような位置づけになるのでしょうか。

生命保険といえば定期保険などの死亡保険と養老保険などの貯蓄保険に分類されますが、資産運用として向いているのは後者の貯蓄保険です。前述した株式投資やFXなどに比べればリスクは少ないもののリターンも少なく、どちらかといえば資産運用には適さないかもしれませんが商品によっては銀行の定期預金よりも利回りが良いものもあり、あながち資産運用に向いていないかと言ったら実はそうでもありません。

貯蓄保険といえば中途での解約を目的とした終身保険や満期祝い金を受け取るタイプの養老保険や学資保険、老後の年金積立となる年金保険があります。いずれも貯蓄のみの商品ではなくあくまで保険ですので、ここでは保険としての特徴の詳細は割愛しますが、保険商品としての特徴も備えながら貯蓄も出来るといった性格のものです。

予定利率が上がった時がチャンス!:年金保険

またここでは細かく触れませんが貯蓄保険のひとつとして変額保険がありますが、投機性が高くどちらかというと投資信託などリスクのある商品に分類されるので、ここでは定額保険のみを取り扱うこととします。定額保険の中でも最も資産運用が期待できるのが年金保険に他なりません。この年金保険という商品は定期保険だと10年間ですが、もっと長い30~40年のスパンで積立をし、10~20年のスパンで年金支払いをするといった長期の保険商品です。生命保険を語るうえで重要なのが、予定利率です。

予定利率とは将来これくらいの運用益が見込めるであろうという利率のことで、あらかじめ保険料に組み込ませるかもしくは年金の利差に充てられます。基本的には年金の利差に充てられますが、契約時の利率で30~40年運用されます。予定利率は今は低いですが、後々経済が回復し利率が上昇した時がチャンスです。

資産運用の優等生:注意点はインフレリスク

また年金を受け取る際には一括でなく文字通り長いスパンでの年金受け取りなので、一括で受け取るよりも利回りがよく、受け取る額の利差が期待できるでしょう。さらに年金を受け取る年齢を遅らせれば年金据置利率に基づいてさらに利差が見込めると思います。年金保険は保険商品ですので株式投資などに比べればリスクははるかに小さく安定した資金準備が出来ると思われ、資産運用の手段としては優等生の存在にあると思います。

ただその年金保険でも注意したいのが、将来インフレが加速した場合です。契約時の利率で運用するため、その後金利が上昇してもそれに対応することはありませんので、年金額の価値が下がってしまう懸念があります。

このようにインフレリスクも存在し、依然として予定利率低いままですが、リスクをあまり取らない年金保険は必要な額だけを用意するという資産運用の主旨からすれば、最も妥当な商品の一つだと考えます。

           

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