信用格付けについて【加入の際の判断基準に!】

生命保険会社はバブル期以前はつぶれることはないとまで言われるほど安定した経営財務を誇っていましたが、バブル期後の超低金利の影響をまともに受け千代田生命の破綻を皮切りに大手生命保険会社が軒並み倒産していったのは、保険業界にとってはいまだにショッキングな出来事であると思います。

 バブル期以降、度重なる経済危機:最悪のリスクを想定

バブル期の高い利率で運用益を見込んでいた予定利率はバブル期後にはあまりにも重い足かせとなって、含み損が膨らみ倒産に至ったという経緯となります。もちろんバブル崩壊のような大きな経済的なインシデントは保険会社の予想を上回るものであったのかもしれませんが、それでもここ15年を見れば2003年の9.11の米国同時多発テロ、2006年のリーマンショック、2009年ドバイショック、2011年東日本大震災など経済的に大きな影響を与えうる出来事は数年刻みで押し寄せてくるものであり、生命保険会社のみならずすべての企業はそういった最悪のリスクを常に予想しながら経営を行うべきです。

生命保険会社は支払い時に備えて保険料の一部を責任準備金として積み立てておきます。来るべき保険金支払いに備えて準備しておく資金のことです。前述のような大きな経済的な出来事、または地震・津波などの自然災害が起こった場合に、保険会社の支払い能力が揺らいではならないからです。

 リスクに耐えうる判断基準:ソルベンシーマージン比率、信用格付け

保険会社の経営の健全さを示す指標として「ソルベンシーマージン比率」があります。未曾有のリスクに耐えうる保険金の支払い余力を示すもので、200%以上あれば問題はないとされています。今国内生保においてはそのほとんどが500%~1500%までの支払い余力を有しているため保険金支払いについては心配ないと言えるでしょう。

しかし、保険会社も企業であることから、保険金の支払いだけが安心でも経営は安心かと言ったらそうでもないでしょう。その経営の健全さを示すもう一つの指標として格付け会社による「信用格付け」があります。「信用格付け」とは格付け機関が国債や社債などの金融商品や、企業や政府などの信用リスクを「AAA」などアルファベット表記で評価した等級のことをいいます。

 信用格付けとは:国内の生保会社はほとんどがA以上

たとえば金融商品であれば投資家は投資を行う際の、銀行は融資を行う際の一定の指標として参考にします。もちろん格付けが良ければ良いほど信用度が高いということになり、たとえば格付けのアップダウンによって株価の変動が起こるほど重要な指標なのです。

では格付け機関はその商品や企業をいかに格付けするのでしょうか。基本的には格付け機関のアナリストによる財務状態や経営状態の分析や調査、ヒアリング調査を経て格付けが決定されます。

最も評価の悪いDから最も評価の良いAAA(トリプルエー)という風にアルファベットで評価が表されるのが特徴です。では日本の生命保険会社はどのような格付けに位置しているのでしょうか。日本国内においては最も安定的な健全度を誇る生命保険会社は東京海上日動の生保子会社、ソニー生命、日本生命の3社であると言っても良いでしょう。

最高評価であるAAAには及びませんが、いずれもAAには位置しておりこの3社は日本国内で最も健全性の高い生命保険会社であると言えます。

しかし、だからと言って他の生命保険会社が危ないというわけではなく、ほとんどの国内の生命保険会社がA以上つまりきわめて安定的という評価を得ていることから、おそらく国内の生命保険会社であればすぐに経営が傾くという心配はなさそうです。

もちろん信用格付けは信ぴょう性が100%保証できるかといったら怪しいものがあります。(参考:生命保険契約者保護機構)ただ保険商品を選ぶ際に商品だけでなくそれを販売・運用していく保険会社がどういった信用に対する評価を得ているかくらいは確認しておいた方がよさそうです。

           

お役に立てましたらシェアお願いいたしますm(__)m