KHネオケムが東証2部に上場!初値は下回ると予想、IPOは見送りの方針

オキソ技術を活かして世界に挑む、KHネオケム(4189)の東証1部、又は東証2部への上場が決まりました。

想定価格は1670円

BB期間は2016年9月23日から9月29日

上場日は10月12日です。

仮条件は9月21日

公開価格は9月30日に決まります。

追加の正確な情報は、決まり次第日本取引所グループのホームページで確認できます。

IPO主幹事はみずほ証券です。SMBC日興証券SBI証券も狙い目です。

大株主にはベンチャーキャピタルが勢揃いし、公開比率は9割を超えています。一応ロックアップは掛かっていますが、ロックアップが外れる公募価格から50%上昇後からは怒涛の売りが予想されます。

その売りによってどこまで下降するのか?リターンは確保できるのか?が、未知数ですので、無理をして参加せずに見送った方が良い案件でしょう。

その辺りを考慮した結果

今回参加お勧め指数は30です。

ここまで読んで「ふんふん、今回は見送れば良いんだな?」と思った方、ちょっと待って下さい。

是非、自分の目と頭で事業内容や財務諸表を、しっかりと把握してから、参加の是非を決めて下さい。この記事を読んで、参加の検討を進めて頂ければ幸いです。

KHネオケムの事業内容

KHネオケムの事業内容は「溶剤、可塑剤原料、冷凍機油原料等各種化学品の製造、販売」と有価証券報告書に記載されています。

具体的な業務内容

KHネオケムは、昭和45年にオキソ技術によって質の高いアルデヒドの精製に成功、その後、そのアルデヒドを利用して、高純度エーテルや代価フロンの冷媒などを世界規模で提供しています。

アルデヒドを利用した開発素材は幅広く多岐に渡ります。

例えば電線被覆材、壁紙、床材、農業用温室ビニル、自動車コーティング材、自動車電機住宅の塗料、可塑剤、化粧品、エアコン冷蔵庫の潤滑油、半導体、ディスプレイ、光学材料などです。

提供商品が幅広くそれも基礎素材なので、一見将来有望に見えますし、ホームページにも日本で私達にしか製造できない製品があります!と豪語しています。

ですが、国外でなら、その製品を製造できるメーカーは他にも存在していて、今日のグローバル社会では低コストで輸送できるシステムがある事から、エアコン冷蔵庫の潤滑油以外の分野のシェアは決して高くはありません。

また、売上の7割は日本ですが、残りの3割は国外での売上です。そして、アメリカ、シンガポール、上海、台湾に4カ所に支店を出しています。

このようにKHネオケムは国内だけでなく国外でも幅広く事業を展開しています。

素材は新陳代謝を繰り返している

〇〇株式会社から新素材が開発されました!というニュースを貴方も見たことがあるのではないでしょうか?

今日の社会では、様々な企業の研究開発の努力によって新素材が日々誕生しています。

その中には、発表はされてから、特に陽の目を見ずに、ひっそりと消えていく新素材もあれば、発表後から一気に有用だ!と判断されて、注目を集める新素材まで色々な物があります。

そして、有用な新素材は既存の素材と代価し、そのシェアを拡大していきます。

しかし、開発当初の新素材は研究開発費用の関係で発表当初は価格も高く、大量生産も手間がかかることが多いので、既存の素材を全て駆逐する、というよりも過去の素材と新素材が上手く住み分けを行うように混ざり合っていきます。

そして、時が経ち新素材の価格が下がれば過去の素材が姿を消していくことでしょう。

そして、また新素材が開発されて、、、という風に素材の新陳代謝が繰り返されていきます。

そのため、素材メーカーは常に研究開発を続けて新素材の開発を行わなければ、いくら現段階で市場シェアを圧倒的に握っていても将来的に既存の素材を超える新素材を開発した他社にシェアを奪われてしまいます。

しかし、新素材なんて簡単に出来るものではありません。

小さな企業が殆ど資金を掛けずに、とんでもない方法で新素材を開発することもあれば、何百億も研究開発資金を投入しても新素材が開発できないのこともあります。

素材は競争が激しく、実力と運が絡み合う複雑怪奇な分野だと言えます。

KHネオケムの財務情報

売上
単独
2011年12月          50,691,000円
2012年12月          77,495,000円
2013年12月          86,895,000円
2014年12月          92,895,000円
2015年12月          84,494,000円

連結
2014年12月          143,488,000円
2015年12月            103,478,000円
2016年6月              39,319,000円

経常利益
単独
2011年12月            943,000円
2012年12月            260,000円
2013年12月          2,849,000円
2014年12月          1,369,000円
2015年12月          9,161,000円

連結
2014年12月          2,959,000円
2015年12月            6,327,000円

純利益
単独
2011年12月          1,346,000円
2012年12月                13,000円
2013年12月          1,972,000円
2014年12月          1,573,000円
2015年12月          9,079,000円

連結
2014年12月          2,604,000円
2015年12月            7,712,000円

財務諸表からは完全な成熟企業だと判断できます。

業務内容が基幹素材の提供の為、今後も継続した業績を上げられそうですが、新しい何かを産み出すまでは、大きく業績が上昇することはないでしょう。

因みに昨年業績が急上昇しているのは、本業とは無関係な子会社の売却によるものですので、昨年の業績は余り参考にしない方が良いでしょう。

日本取引所グループから公開されたKHネオケムの有価証券報告書

KHネオケムのIPOは買いなのか?見送りなのか?

KHネオケムのIPOは見送りです。

大株主を占めるベンチャーキャピタルからの売り出し規模が大きいので、リターンは僅かに得られる?か、、、若しくは、公募価格を割り込む可能性もあります。無理に参加せずに見送った方が良いでしょう。

買い要因

  • 僅かにリターンが期待できるので、その僅かなチャンスに賭ける!

見送り要因

・ベンチャーキャピタルからの大量の売り出し

・将来性に乏しい

・財務諸表を見る限り、業績に頭打ち感がある

主幹事情報 みずほ証券

KHネオケムのIPO主幹事はみずほ証券です。

その他の引き受け金融機関は、SMBC日興証券、大和証券、野村証券、SBI証券です。

この中で、ネットから購入の応募ができるのは、大和証券、SMBC日興証券SBI証券、みずほ証券です。

まとめ

KHネオケムは上場市場が東証1部又は東証2部であることからも分かるように成熟企業です。

近年は業績も振るわず、一株利益よりも配当金の方が大きくなっています。ちょっと、現段階では私は買う要素が見当たりませんが、もし、長期保有するのなら上場後数日間は様子を見て、株価が安定してから購入するのが良いでしょう。

しかし、未来は誰にも分かりません。

もしかしたら、近い未来にKHネオケムが新素材や新技術を開発して、株価が爆発的に上昇することもあり得ます。

もしそうなったら、きっとこの時に買っておけば良かったのに!と思うことでしょう。

IPO投資の当選確率を上げる方法 ~おすすめの証券会社SBI証券のIPOチャレンジポイントとは~

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