人気デジタル漫画コンテンツ「まんが王国」を運営するビーグリー(3981)が東証マザーズに上場します。
想定価格は1820円
BB期間は2017年3月2日から3月8日
仮条件は3月1日 1,820円~1,880円に決まりました。
公開価格は3月9日
上場日は3月17日です。
仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。
大手デジタル漫画コンテンツのまんが王国をご存知の方も多いのではないでしょうか?
今回上場するビーグリーは、そのまんが王国を運営する企業です。
ビーグリーは、まんが王国を始めとして、どれも知名度があり、今後の拡大が期待できる優良コンテンツを複数抱えているので、これからが楽しみです。
ただ、IPOの案件として見てみると、、、
とにかく売出し規模が巨大なので、参加をオススメすることはできません。
今回の上場の売出し株式の多くは、大株主のベンチャーキャピタルからの持ち出しです。しかも、ベンチャーキャピタルの保有している株式の殆どを手放すので、、、ハッキリ言えば、今回の上場はベンチャーキャピタルの売出しイベントです。
参加してもロクな目に合わないので、見送るのが無難です。
今回のおすすめ指数は40です。
それでは、ビーグリーの事業内容・IPO情報を解説していきます。
貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。
目次
ビーグリーの事業内容
ビーグリーの事業内容は「コンテンツプラットフォーム事業(コミック配信サービス『まんが王国』の運営など)」と有価証券報告書に記載されています。
ビーグリーの主な事業は、まんが王国のデジタル漫画コンテンツです。この事業はビーグリー全体の約8割以上の売上を占めています。
そして、まんが王国からの利益源は主にユーザーの課金です。
まんが王国は、一定のコンテンツを読み込むと、それ以上読む為には課金をしなければ読み進められないようになっています。
まんが王国の課金は月額制の料金体系で月に300円〜1万円まで、、、利用ボリュームに合わせて決定することができます。
また、ビーグリーでは、基本的に漫画権利者と直接交渉を行い権利を購入して、サイトへ掲載しています。この方法なら、仲介業者による中間マージンが発生しないのでコンテンツの仕入れを安く済ませることができます。
更に、地味に行っていた幅広い広告展開が功を奏して、まんが王国の知名度は高まり、利用ユーザーも拡大しています。そして、ユーザーの拡大に比例して業績も拡大しています。
ビーグリーでは、そうして得た利益の一部をコンテンツの製作にも積極的に投資してコンテンツの開発に力を入れています。
できるだけ安く集めたコンテンツでユーザーを集めて利益を稼ぎ、新たなコンテンツの開発と広告を行う、そして、更にユーザーを増やしていく、、、良い事業の循環ができています。
今まさにデジタル漫画部門は戦国時代に突入している
近頃あっちでもこっちでも新しいデジタル漫画サイトが開設されています。
世は正に大デジタル漫画戦国時代に突入しました。
これだけ沢山のデジタル漫画サイトが開設されているのは、それだけ大きな需要があり儲かるということです。
現段階でデジタル漫画サイトに絶対的な勝者は存在しません。沢山のサイトが熾烈なシェア争いを繰り広げている段階です。
そして、これらのデジタル漫画サイトは大きく4種類に分けられます。
1.エロ漫画
いつの時代もエロコンテンツは強力なコンテンツです。そして、その強さはデジタル漫画コンテンツでも例外ではありません。エロ漫画と一般の漫画をミックスして配信するサイトもあり、 エロ漫画なんて、、、と侮ることはできません。
2.大手出版社のグループ
ジャンプやマガジンなどを出版している大手出版社のグループ会社が、デジタル漫画コンテンツを提供しています。本家の雑誌とコラボする、本家の雑誌のスピンオフ作品を提供するなど、本家とタイアップしたコンテンツが魅力です。
3.独立系漫画サイト
数は少ないですが、漫画コンテンツを自前で調達してサイトに掲載しているサイトもあります。完全オリジナルの漫画が多く、ここでしか読めない!というオリジリティの高いコンテンツが魅力です。
4.過去漫画サイト
主にかなり前に作成された漫画をデジタルコンテンツとして権利を購入して掲載しているサイトです。過去漫画コンテンツと共にオリジナル漫画コンテンツを提供している形を取っている物が多いです。
今回上場するビーグリーのまんが王国も、ここに属します。
各分野でデジタル漫画コンテンツは魅力を高めており、消費者としては嬉しい限りです。今後も競争を繰り広げて、より良いコンテンツを提供してもらいたいものです。
ビーグリーの財務情報
売上
2013年12月 –
2014年12月 単体 3,920,000,000円
連結 5,728,000,000円
2015年12月 単体 7,198,000,000円
連結 7,192,000,000円
2016年12月 単体 8,337,000,000円
経常利益
2013年12月 ▲300,000円
2014年12月 単体 ▲241,000,000円
連結 55,000,000円
2015年12月 単体 670,000,000円
連結 706,000,000円
2016年12月 単体 748,000,000円
純利益
2013年12月 ▲300,000円
2014年12月 単体 ▲115,000,000円
連結 30,000,000円
2015年12月 単体 298,000,000円
連結 232,000,000円
2016年12月 単体 407,000,000円
業績は良いペースで拡大を継続しています。
デジタルコンテンツは、今後更に市場シェアを拡大していくことが予想されているので、今後のビーグリーの業績も期待できます。
ここからの展開が楽しみな財務諸表です。
⇒日本取引所グループに公開されているビーグリーの有価証券報告書
ビーグリーのIPOは買いなのか?見送りなのか?
ビーグリーのIPOは見送りです。
とにかく売出し規模が巨大なので、これではとてもじゃないですが利益を得るのは難しいでしょう。
株式公開後の数日で売却するというIPO投資という、投資法の観点から見ると避けた方が良い案件です。
買い要因
- コンテンツの将来性は高い
見送り要因
- 超巨大な売出し規模
ビーグリーの関連銘柄
ビーグリーの関連銘柄は、大口のコンテンツ販売先である大手キャリアNTTドコモ(9437)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9984)の3社です。
この3社を通じて販売しているコンテンツはビーグリーの販売割合の9割に匹敵します。この中の1社でも、取引が停止すればビーグリーの業績は大きなダメージを受けるでしょう。
ビーグリー 初値予想は?
ビーグリーの初値は、大規模な売出しに推されて公開価格から-20%辺りになると予想します。
仮に想定価格の1820円で公開されたとしたら、初値は1632円辺りになるでしょう。
主幹事情報
ビーグリーのIPO主幹事はSMBC日興証券です。
副幹事は、SBI証券、SMBCフレンド証券、いちよし証券、エース証券、マネックス証券、岩井コスモ証券です。
この中でネットから応募できる証券会社は、SBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、岩井コスモ証券です。
今回の参加オススメ証券は、主幹事で当選本数も多く抽選方式が公平なSMBC日興証券と、参加することでIPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券です。
まとめ
今回のIPOは売出し規模が大きく初値が抑え込まれることが予想されるので無理に参加する必要はありまんが、ビーグリーの保有しているコンテンツの実力は確かなので、今のうちに株式を購入して、長期保有して成長を楽しむのもアリです。
私はIPOチャレンジポイントを貯めるためにSBI証券から、一応参加しておきますが、積極的に参加はしません。
参考:IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~
但し上場当日の様子を見て、大きく公開価格を下回るような展開になれば、長期保有目的に100株購入してみようと考えています。