キャリアインデックスのIPO評価分析 ~売り出し規模が大きく見送りが賢明か~

成果型インターネット求人広告サイトCAREERINDEXを運営する、キャリアインデックス(6538)が東証マザーズへ上場することが決まりました。

サイトの名前と社名が同じなので、ちょっと混同してしまいますね。ここでは英語表記のCAREERINDEXが求人広告サイトの意味、カタカナのキャリアインデックスが社名の意味で記載して進めていきます。

想定価格は6130円

BB期間は2016年11月28日から12月2日

仮条件は11月24日

公開価格は12月5日

上場日は12月14日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

主幹事はSBI証券です。

想定価格が6130円になっていふので投資額が大きくなり、参加し辛い案件になっております。売出し規模自体もマザーズでは大型に入る約30億円です。

求人広告サイトの運営という事業性も目新しさは無いのでIPOに人気が集まるというIPOでは無いでしょう。その辺りを考慮すると、このキャリアインデックスの案件は公開価格辺りで初値は落ち着くと予想します。

そのため

おすすめ指数は20です。

それでは、次項以降ではキャリアインデックスのIPOに関わる情報を解説していきます。貴方のIPOの参加の是非に役立てて頂ければ幸いです。

Sponser Link


キャリアインデックスの事業内容

キャリアインデックスの事業内容は「インターネットを活用した集客プラットフォームの運営事業」と有価証券報告書に記載されています。

キャリアインデックスは、複数の求人サイトを運営しています。

総合求人サイトCAREERINDEX

キャリアインデックスの売上大部分を稼いでいるサイトです。直近のデータでは77.8万人の人がCAREERINDEXに登録しているそうです。

また、契約した企業以外にもCAREERINDEXでは、ハローワークに掲載されている求職情報を掲載しています。

そして、CAREERINDEX上でハローワークの求職情報に応募した場合は、キャリアインデックスがハローワークに履歴書や職務経歴書などの応募書類を郵送して、応募手続きを行ってくれます。

一見非常に面倒なことをしていると感じますが、ハローワークの求職情報を扱うことで認知度の向上を計っています。

アルバイト・派遣に特化した求人サイト:Lacotto

このサイトはアルバイトや派遣に特化した専門求人サイトです。

アパレル関連に特化した求人サイト:FashionHR

このサイトはアパレルに特化した専門求人サイトです。

スクール情報に特化した情報サイト:CAREERINDEXスクール

このサイトは通信講座、学校、資格学習など、幅広い学習関連の内容を掲載した情報サイトです。

キャリアインデックスの求人サイトの特徴

成果報酬型

キャリアインデックスの求人サイトは成果報酬型の広告です。

成果報酬型とは、広告からの応募者数によって料金が変動する料金設定方法です。この方式は、掲載企業にとっては応募者数が少ない(成果が少ない)場合には安い広告掲載費で済むので、非常に企業側に都合の良いシステムだと思います。

多くの大手求人サイトが定額料金性を採用している中で、応募者数に応じて料金が変動する成果報酬型の料金設定をすることで、既存のサイトよりも料金面では大きな優位性を保っています。

1つのキャリアシートで全ての広告に応募可能

キャリアインデックスでは、1つのサイトの全ての広告に対して同一のキャリアシートで応募ができます。

これは、掲載企業だけでなくハローワークの求職情報に関してもです。

そんなことが可能なの?その辺りどうなってるの?と思って調べてみた所、ハローワークに応募する際には、何とキャリアインデックス側で手配してハローワークに書類を送って応募してくれるそうです。

非常に手間が掛かっています、、、ここまでやってくれるのなら、利用者も使い易いことでしょう。

求人サイトは儲かる?

日本には求人サイトが沢山あります。有名な所では、リクナビ、マイナビ、enジャパンなどなど、大きな求人サイトでは年齢や飲食店やアパレルなどの業種に特化した兄弟サイトまであります。

こんなに求人サイトが乱立していて儲かるのか?と思う方もいるのではないでしょうか?

ハッキリ言えますが、ある一定の規模を越えれば求人サイトは儲かります。そもそも、求人サイトは運営費用が安く単価が高い傾向にあります。しかも、売上が上昇しても必要となる経費額は変わりません。

つまり、非常に儲けやすいビジネスモデルなのです。そのため、沢山の求人サイトが乱立して、しかも共存することができているのだと考えられます。

但し、今後は既存の定額性の求人サイトから、キャリアインデックスのような成果報酬型の求人サイトに企業は移っていくでしょう。それは、誰しも成果がでるかどうか分からずに高いお金を払う方よりも、成果分だけ料金を支払う方が良いと判断するでしょうからね。

キャリアインデックスの財務情報

売上
2012年3月 442,975,000円
2013年3月 625,396,000円
2014年3月 917,323,000円
2015年3月 1,500,712,000円
2016年3月 1,298,995,000円
2016年9月 787,091,000円

経常利益
2012年3月 126,926,000円
2013年3月 200,968,000円
2014年3月 303,705,000円
2015年3月 410,629,000円
2016年3月 233,185,000円
2016年9月 177,426,000円

純利益
2012年3月 122,813,000円
2013年3月 127,159,000円
2014年3月 184,193,000円
2015年3月 258,595,000円
2016年3月 151,329,000円
2016年9月 113,314,000円

自己資本比率は80%を保持しているので財務安定性は高いです。業績は昨年と比較して下降しており、今後安定推進するのか?再度上昇するのか?はたまた下降するのか?不透明な情勢です。

財務諸表からは、悪くは無いが特別良くもないという印象を受けました。

日本取引所グループに公開されているキャリアインデックスの有価証券報告書

キャリアインデックスのIPOは買いなのか?見送りなのか?

キャリアインデックスのIPOは見送りです。

売出し規模約30億円はマザーズでは大型の方に入りますし、想定価格も高いので参加を躊躇する投資家も多いと考えられます。

特別買いたくなる事業性や業績でも無いので、ここは見送りが良いでしょう。

見送りにポイントは以下の記事にも書いていますので参考にしてください。
IPO当選後に見送るかどうかの判断方法について

買い要因

  • 自己資本比率は高いので財務は硬いです

見送り要因

  • 大きな売出し規模
  • 業績の頭打ち感あり
  • 求人サイトはIPOでは人気が乏しい業種

キャリアインデックスの関連銘柄

キャリアインデックスの関連銘柄は、CAREERINDEXの主要取引先となる、キャリアデザインセンター(2410)リクルートホールディングス(6098)SBヒューマンキャピタルの親会社ソフトバンク(9984)の3社です。

この3社の業績が傾き広告の掲載を減少させると、キャリアインデックスの業績には、大きなネガティヴな影響を与えます。

キャリアインデックス 初値予想は?

キャリアインデックスの初値は、公開価格から0%から−5%辺りで落ち着くでしょう。

仮に想定価格の6130円で公開されたとしたら、初値は5517円~6130円になると予想します。

大きな売出し規模と、人気に乏しい事業性、頭打ち感のある業績を考慮すると、公開価格から若干下回る辺りで初日を終えると考えられます。

主幹事情報 SBI証券

キャリアインデックスのIPO主幹事はSBI証券です。

副幹事は、大和証券SMBC日興証券マネックス証券、エース証券、極東証券です。

この中でネットから応募できる証券会社はSBI証券大和証券SMBC日興証券マネックス証券です。

まとめ

キャリアインデックスのIPOは、正直な所、いまひとつの案件です。そもそも、想定価格が高過ぎるので参加の敷居が高いですし、業績も頭打ち感が否めません。

私はキャリアインデックスのIPOを見送ります。今年は、年末に向けて上場ラッシュが始まっていますので、無理にリターンが難しい案件に参加することは無いと思います。

機会は、ドンドンやってくるので焦らずに、どっしりと構えていきましょう。

ただ、SBI証券でIPOチャレンジポイントを得るために指値を最低価格にして申し込みはします。当選してしまったら見送るという方法でいきたいと思います。

参考:IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~

上場後株価分析を書きました。
キャリアインデックス上場後株価見通し ~株式三分割で好感も横ばい予想~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です