平均余命と保険【老後の生活費はどの位必用か】

我が国日本は保険の世帯加入率が9割を超える保険大国として有名ですが、同時に日本は世界有数の長寿国と言われています。生命保険文化センターの簡易生命表によると日本人の平均寿命は男性が80.2歳、女性が86.6歳と女性については世界一であるとともに、年々その寿命が延びています。

長寿=リスク」の時代:いつ、どの保険に加入するかが重要

ひとえに生活水準の向上や健康意識の高揚、医療技術の進歩などが寿命の伸びを促進したと言っても良いでしょう。もちろん長く生きるということはそれだけ長く生活しなければならないということであり、当然その分衣食住にかかるお金も多くなっていきます。

長寿であるということはお金がかかるということでもあるのです。つまり保険的な考えでいえば「長寿=リスク」であると考えることが出来るでしょう。

その長寿というリスクをヘッジするためにはどのような保険にどの時期に加入すべきであるかということが重要になります。またここで保険による長寿のリスクヘッジを考えるにあたって重要になるものが平均余命という指標です。平均余命とはある年齢の人があとどれだけ生きられるかという年数になり、0歳の人の平均余命が平均寿命ということになります。

平均余命から必用保障額がわかる:数値化することで具体的な対策ができる

たとえば現在30歳の男性の人の平均余命は平均寿命から現在の年齢を引いた約50年ということになります。この平均余命の考え方は一生の必要保障額を算定したり、ライフステージにおいて見直しの必要のある保険においては大変重要なものとなるので、自分の平均余命を知っておく必要があるでしょう。

ではこの平均余命を用いたざっくりとした必要保障額の算定について述べます。たとえば男性の平均寿命は約80歳であることから、老後の生活において必要保障額を算出することが出来ます。現在では定年退職が公的年金受給に合わせ65歳の企業も多いため、この65歳を用いると、65歳の時点での平均余命は15年ということになり、15年分の必要保障額が計算できます。

たとえば老後の必要な生活費はライフスタイルにもよりますが、月平均24万7千円かかると言われています。65歳男性の平均余命は15年ですから、単純計算で4400万円ものお金が必要となるのです。もちろん厚生年金や退職金そのた預貯金もあるので、どれほど個人年金等で資金を賄えばいいかというのは個別の問題となりますが、平均余命を用いるとざっくりと必要な保障額が算出出来るのです。(参考:生命保険による資産運用【リスクの低い年金保険で確実に資金を得る】)

漠然と過ごしては、無駄が多い:ざっくりとでも把握しよう

またもしくは生命保険に加入する際にもこの平均余命が役立ちます。夫30歳。妻28歳、子供3歳のという家庭があるとします。この家庭においていったい必要な保障額はいくらなのかというのも、この平均余命を用いるとざっくり算出できるのです。保険の対象は大黒柱である夫であるとすると、たとえばすぐ夫が死亡した場合の必要保障額についてです。

まず一家の月にかかる生活費を30万円とし、さらに夫分の生活費を控除し7割の21万円とすると、子供の大学卒業時である22歳までの19年間で4800万円かかります。子供の独立時には妻の年齢は47歳であり、47歳女性の平均余命は39年です。妻のみの生活資金として一家の生活費の5割である15万円で算出すると7020万円となり、あわせて約1億2000万円が夫死亡時に必要な保障額となるのです。

いずれもざっくりした数字ではありますが、平均余命を用いるとあとどれくらいの保障が必要になるのかということが計算できます。日々生活している中で自分はあとどれくらい生きられるのかなどと考えることはあまりないかとは思いますが、保険加入するうえでこれくらいあればいいだろうという漠然とした感覚よりも、平均余命から考えて保障が最低いくら必要という保障額の根拠にもなるので保険加入時もしくは見直し時には把握しておいた方が良いでしょう。

           

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