ライフスタイルが多様化している現代においては、当然一人ひとりライフステージも異なるため一人ひとりに合わせた保障というものが必要になってきます。
以前は万人受けする保障をセットした「パッケージ型」の商品が主流でしたが、今では一人ひとりのための「オーダーメイド型」の商品が主流となってきており、今ではほとんど「パッケージ型」の商品は販売されておりません。ただとはいってもまだ「パッケージ型」の保険に加入している人は多く、多くの保険会社がその見直しを勧めているところでしょう。
アカウント型保険とは:イメージは貯蓄をして、一部を保険料に充てる
「パッケージ型」の一つである「アカウント型」保険もまた同様です。「アカウント型」は一昔前では多数の国内生保が販売していたベストセラー商品でした。「アカウント」とは口座であり、すなわち積立による貯蓄を表します。
この口座は一般的な銀行の普通預金のイメージそのままに途中で引き出したり、余裕があれば多く預け入れたりすることができます。「アカウント型」の主契約はこの口座への積立金による貯蓄であり、それに死亡保障や入院保障などの特約がセットされた「パッケージ型」保険です。
積立金部分は保険料の払い込み満了時にその積立金額に基づいて終身保険や個人年金に切り替えることが可能であり、また保障を買い増すことも出来れば解約すれば解約返戻金という形で支払いがあるなど、一見すれば柔軟な保険見直しが可能な自由度の高い保険商品であると言えます。
もともとはアメリカで販売されていた「ユニバーサル保険」を参考にしており、保障額や保険料額について自由度は劣るものの「アカウント型」保険はその自由度の高さで大衆に受け入れられたちまち保険の主流という位置づけにまでなりました。
大きな落とし穴:特約部分が更新で保険料が上がり、積立金が充当される
しかし一見すると非常に自由度の高い優れた保険商品であるように思えますが、実は大きな落とし穴があったりする商品でもあるのです。そのため今ではほとんどの会社で販売停止となっており、多くの顧客が見直しを迫られています。実は最大の特徴である「アカウント」について大きな問題があるのです。
この「アカウント型」は毎月の保険料から一定の部分を積立金として積み立てるようなイメージがありますがそうではなく、いったん支払った保険料はすべて「アカウント」に積み立てられますが、その後優先的に特約などの保険料に充てられてしまうため、その特約保険料の金額によってはほとんど積立がされないという事態が起こります。
契約当初はある程度積立が出来ていたとしても、特約部分は10年もしくは15年の定期保険タイプのものなので、更新時に一気に保険料が跳ねあがった時に積立から充当されてしまい、やはり積立金が貯まらないということになります。
アカウント型保険の理解不足:セールスマンにも問題がある
ただこういった事態も結局はセールスマンの理解不足と説明不足、それに基づく顧客の理解不足に起因するところもあるようです。
もちろんこの「アカウント型」保険の商品内容をしっかり理解していれば上手に「アカウント」を利用することが可能なのですが、前述のとおりセールスマン自体も完璧に理解しているわけではなく、またこの保険に関して言えば綿密なアフターフォローが必要となるためそれが出来ないと無駄な保障ばかりにお金をかけ、肝心の積立金の方は全く貯まっていかないという最悪の事態になってしまうのです。
ただもちろんこういったことはなにも「アカウント型」だけに限らず、すべての保険商品について言えることだと思います。「アカウント型」を見直した後の「オーダーメイド型」保険(参考:オーダーメイド型保険について【自分にピッタリなプランを組み立てる!】)についてもライフステージに合わせて見直す必要というのはありますし、住宅や車と同じでどうしてもメンテナンスというのは必要になってきます。
「アカウント型」でもしっかりと理解し、しっかりとメンテナンスをすれば優れた商品であることには変わりないのです。