廃棄物処理やリサイクルを行う、総合処理企業リファインバースの東証マザーズへの上場が決まりました。
リサイクル事業はIPOでは人気になり難い事業ですが、このIPOでは売出し数は少なく、また、昨年の財務実績から見ると売出し価格に割安感があります。
但し、大株主にVC系がズラッと並んでおり、ロックアップは掛かっていますが、公募価格1.5倍で解除されるので、恐らく初値は公募価格の1.5倍辺りで抑えられるのではないかな?と思います。
これらを総合的に判断すると、リファインバースの上場は有る程度のリターンが期待できるIPOです。
参加オススメ指数は70です。
BB期間は2016年7月12日から7月19日、上場日は7月28日です。
想定価格は1700円です。
公開価格は7月20日に決まります。
追加の正確な情報は決まり次第日本取引所グループのホームページで確認できます。
ここまで読んで「無難そうだし参加しようかな」と思っている方もいるかもしれませんが、参加は以下で紹介する、事業内容や財務情報を御自身で見極めてからの方が良いと思います。
リファインバースの背景
リファインバースはグループで総合的な廃棄物の収集処理、リサイクルを行っています。
- 廃棄物のリサイクル事業を担当するリファインバース株式会社
- 廃棄物の再資源化をサポートしているインバースプロダクツ株式会社
- 廃棄物の収集処理を行う株式会社ジーエムエス
このグループ3社が協力して総合的な廃棄物関連事業を行っています。その力は財務諸表を見ても明らかで、連結の売上利益はグングン伸びておりグループの総合的な力を感じます。このグループの力が、リファインバースのバックボーンとなっているのだと思います。
リファインバースの事業内容
リファインバースの事業内容は、廃棄物に再資源化処理をおこなうことで合成樹脂を製造し販売する再生樹脂製造販売事業と、産業廃棄物の収集運搬・中間処理を行う産業廃棄物処理事業の2種類の事業を展開しています。
具体的な事業内容 再生樹脂製造販売事業
リファインバースは、タイルカーペットの再資源化に大きなノウハウを持っており、廃棄物として出たタイルカーペットをリファインバース、インバースプロダクツが協力し再資源化し商社やメーカーに販売しています。
リファインバースのタイルカーペット再資源化率は驚異の90%て有り、しかも、現在開発中の新技術が実用されれば100%も可能になるとリファインバースでは想定しています。
既に首都圏のタイルカーペットの廃棄物の約6割をリファインバースが再資源化しており、この分野ではトップ企業だと言えます。首都圏の好調具合から、今後は他の国内都市や海外にも拠点を出し、世界的なシェアを獲得していく予定です。
また、タイルカーペットの再資源化技術は他の廃棄物素材に流用できる可能性が有り、将来的には様々な廃棄物を再資源化していきたいと考えているそうです。
産業廃棄物処理事業
この事業は、主にグループ企業のジーエムエスが行っています。首都圏の廃棄物を収集し処理場に運んでいます。また、自社で中間処理工場を2箇所持っており、そこで収集した廃棄物の一部の処理もしています。
リファインバースの財務情報
売上
2011年6月単体 \510,334,000
2012年6月単体 \481,475,000
2013年6月単体 \562,856,000
2014年6月単体 \626,282,000
連結 \1,702,227,000
2015年6月単体 \702,781,000
連結 \1,809,389,000
2016年3月連結 \1,597,385,000
経常利益
2011年6月単体 △\16,058,000
2012年6月単体 \11,315,000
2013年6月単体 \33,776,000
2014年6月単体 \19,647,000
連結 \102,666,000
2015年6月単体 \5,586,000
連結 \149,030,000
2016年3月連結 \193,038,000
純利益
2011年6月単体 △\350,601,000
2012年6月単体 △\207,666,000
2013年6月単体 △\91,231,000
2014年6月単体 \16,632,000
連結 \68,803,000
2015年6月単体 \285,000
連結 \70,111,000
2016年3月連結 \130,553,000
一株辺りの純利益
2011年6月単体 △\441.01
2012年6月単体 △\204.02
2013年6月単体 △\87.87
2014年6月単体 \12.91
連結 \53.41
2015年6月単体 \0.22
連結 \54.42
2016年3月連結 \101.34
リファインバースの財務諸表を見ると、近年急速に売上、利益が上昇した事が分かります。
恐らくは、近年の売上、利益が上がる苦境の時期に現在の大株主にズラッと並んでいるVC系に融資を求めたのではないかと予想できます。
現在の姿を見ると、その時融資したVCには先見の明があったと言えるでしょう。資源が無い日本では今後もリサイクル事業の拡大が予測されており、リファインバースもその波に乗れる企業だと思いますので、今後の事業の拡大も期待できます。
今後日本国内ではリサイクル事業の拡大が予測されており、リファインバースもその波に乗れる企業だと思いますので、今後の事業の拡大も期待できます。
リファインバースでは、配当はまだ実施されていませんが、成長拡大期の企業では珍しくは無いので問題無いと思います。
日本取引所グループから公開されたリファインバースの有価証券報告書
リファインバースのIPOは買いなのか?見送りなのか?
リファインバースのIPOは買いだと思います。リファインバースは、近年急速に売上利益を拡大させており財務諸表を見る限り、売り出し価格は割安だと言えます。
また、廃棄物の処理リサイクル事業は今後も継続される事業で有り、継続して利益を上げる事ができると思います。但し、大株主にVC系がズラッと並んでいるので、それらのロックアップが解除される公開価格1.5倍以上の上昇は難しいと思います。
また、イギリスのEU離脱問題によって市場は不安定になっており、もしかすると、何らかの急な下落が起こる事も考えられます。その為、手堅くいくのなら落ち着くまではIPO参加を見送るという選択肢も有りだと思います。
買い要因
- 売上、利益、共に急速に拡大、今後も継続性有る事業
- 昨年実績から見ると売り出し価格に割安感有り
- 上位株主の殆どにロックアップが掛かっている(公開価格1.5倍で解除)
見送り要因
- 大株主にVC系が多いので上昇は限定的(恐らく公開価格1.5倍辺りが目処)
- イギリスのEU離脱問題による不透明感
主幹事情報
リファインバースIPOの主幹事は、大和証券、その他の引き受け金融機関は、SMBC日興証券、ちばぎん証券、エース証券、いちよし証券、みずほ証券、SBI証券などです。
この中で、ネットから購入の応募ができるのは、SMBC日興証券、大和証券、SBI証券です。
まとめ
リファインバースのIPOは、有る程度リターンが期待できるIPOです。株主にVC系が多いので、初値が抑えられると予想し、参加を見送る方もいると予測し、私はいつもよりも当選の期待を多め持って参加するつもりです。
また資源に乏しい日本では、廃棄物をリサイクルして資源を取り出す技術に大きなビジネスチャンスが有ります。
しかも、リファインバースは独自技術が有り、既に海外にも進出することを想定しており、将来的には海外での売上拡大も期待できます。私は何度もこういった企業が独自技術を活かして、大きくなる姿を見てきました。
リファインバースは、数年後には大企業に成長する可能性を感じます。その為、ここで長期的な視点を持って保有を決断する選択も有りでしょう。会社の成長を楽しむというのもIPOに参加する醍醐味の1つです。購入前に、色々検討して貴方の方針を立てておくと良いでしょう。
私の今回の投資方針はIPOでは入手できたら直ぐに売ります。
英国EU離脱の動揺で市場が不安定になっているので、とりあえず利益を確保します。
そして、上場後の1年後に様子を見て、海外に進出する経営方針や国内事業の具合を見て拡大傾向に有るのなら、売上、利益の様子からPER10倍以下の割安な株価で購入をしよう。と考えています。私は今回SMBC日興証券とSBI証券の2社から応募します。
それぞれ、1口応募、VC乃影響による上値の限定性を考慮しSBIチャレンジポイントは使わずに温存する方向でいきます。
参加をするにしても見送るにしても、自分で検討を重ねて、じっくり決めるのが良いと思います。この記事が、皆様の参考になれれば幸いです。
⇒IPOの当選確率をアップさせるためにはIPO投資のテクニック、当選確率を上げる方法をご覧ください。
上場後株価分析追記
IPO抽選結果と上場後の株価分析、今後の見通しを書きました。
⇒上場後から株価急騰!リファインバースの株価はどこまで上がるのか?今後の見通し
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