日宣のIPO評価分析、初値は公開価格を堅実に上回ると予想

各種メディアを駆使して日本全国を舞台に大手企業に総合広告事業を行う老舗広告代理店 日宣(6543)がJASDAQスタンダードに上場することが決まりました。

想定価格は1540円

BB期間は2017年2月1日から2月7日

仮条件は1,540~1,600円

公開価格は2月8日

上場日は2月16日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

最近新規上場する広告関連企業の広告事業は、その殆どがウェブ広告ですが、今回上場する日宣は電通や博報堂のようなイベント・看板・雑誌、CM・ウェブなど幅広い媒体を駆使する総合広告事業会社です。

事業内容を見ると、広告展開は時代に合わせて柔軟にウェブやスマートフォンなどの新媒体も取り入れて展開していますし、何十年もプロモーションを継続している広告もあるので、柔軟で硬い企業なのだと推察できます。

IPOの諸条件を見ると、堅調な業績であると共に、しっかりと大株主にロックアップが掛かっています。その為、今回のIPOはある程度リターンが期待できる案件だと予想します。

今回のおすすめ指数は70です。

それでは、日宣のIPO情報を解説していきます。貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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日宣の事業内容

日宣の事業内容は「広告・セールスプロモーションを中心としたコミュニケーションサービス全般の提供」と有価証券報告書に記載されています。

日宣はテレビやラジオのCM、新聞広告、雑誌広告、インターネットなどの各種メディアを顧客の目的に応じて、最適な形に企画設計して提供しています。

日宣の強みは自社内に媒体制作に関わる人員を一通り用意しているので、顧客とのレスポンスの早いやり取りが可能であり、更に必要であれば自社内でオリジナル媒体を作成して広告展開することもできます。

日宣の有名な広告手法

  • チャンネルガイド(月 150万部発行)
  • ケーブルテレビ100社に対して番組情報をまとめたチャンネルガイドを制作して提供しています。
  • Pacoma
  • ホームセンター向けの無料情報誌、この雑誌を始めとして40年以上に渡って日宣は住宅メーカーのプロモーションを手掛けています。
  • KiiTa/Re:KiiTa

ドラッグストア向けの無料情報誌KiiTaと、ドラッグストアの売り場担当向けの無料情報誌Re:KiiTa、この2つはどちらも日本チェーンドラッグストアの公認情報誌であり広く全国のドラッグストアで配布されています。

広告事業と残業の切っても切れない関係

先日、大手広告企業の電通で違法な長時間労働の実態が暴かれ大きな問題となっています。この問題は連日ニュースで流され、国も長時間労働の取り締まりに乗り出すと報道されたので、気になっている方も多いのではないでしょうか?

実は、私は過去に広告業界にいたことがあるので、広告業界に長時間労働が蔓延していることを報道前から知っておりました。ここでは、なぜ広告業界に長時間労働が蔓延しているのか?そして長時間労働が是正されないのか?について過去に広告業界にいた私なりの解釈をお伝えします。

結論から言いますと、規制を設けても広告業界で長時間労働を是正するのは難しいでしょう。

これは広告という媒体は正解がない事業だということが大きく関係しています。

広告の目的は目標の達成です。予算を決めて、予算の範囲で最大の効果を得る!これです。

そして、広告はやってみなければ成功するか分からない物なので、多岐にわたる広告手法を組み合わせて予算の範囲で顧客と自分が効果が出るだろうと納得ができる方法を模索していきます。

この方法もあれば、あの方法もある、これとそれを組み合わせて、途中で広告の方法を変えて、、、

その作業は正解が無い故に、やろうと思えば延々とやり続ける事ができます。

また、大概の場合複数のクライアントを同時進行で進めていくので、その作業には終わりが見えません。苦労して成功すれば会社から信用でも給料でも報われますが、失敗すれば信用を損ない社内でも辛い立場に追い込まれるので大きなプレッシャーが掛かります。

そして、プレッシャーを感じるからこそ、正解の無い広告方法を練り込んで考えます、、、、そして、その結果、ますます時間が掛かります。

このような基本的な構造は広告手法が多岐に渡る総合広告企業なら、どこも似たような構造になっています。

そして、この構造を変えなければ国がいくら規制を強化しても、結局は家で仕事をするだけになり、広告業界から長時間労働を排除することはできないでしょう。

日宣の財務情報

売上
2012年2月 2,506,469,000円
2013年2月 2,620,032,000円
2014年2月 3,153,562,000円
2015年2月 単体 3,589,684,000円
連結 3,939,512,000円
2016年2月 単体 4,136,773,000円
連結 4,338,421,000円
2016年11月 連結 3,600,427,000円

経常利益
2012年2月 230,749,000円
2013年2月 167,266,000円
2014年2月 204,958,000円
2015年2月 単体 197,447,000円
連結 190,327,000円
2016年2月 単体 320,222,000円
連結 331,316,000円
2016年11月 連結 423,419,000円

純利益
2012年2月 95,378,000円
2013年2月 77,259,000円
2014年2月 106,602,000円
2015年2月 単体 114,750,000円
連結 84,032,000円
2016年2月 単体 144,779,000円
連結 199,849,000円
2016年11月 連結 260,839,000円

財務諸表を見る限り堅調な業績だと判断できます。

売上は年々上昇を続けていますし、利益も売上を追い掛けるように上昇しています。1947年に創業した老舗企業とは思えない成長性を感じます。

この成長ペースを維持できるのであれば大化けするかもしれません。

日本取引所グループに公開されている日宣の有価証券報告書

日宣のIPOは買いなのか?見送りなのか?

日宣のIPOは買いです。総合広告事業はIPOでは人気の高い業種ですし業績も堅調です。

企業としての魅力は高いでしょう。

また、IPOの諸条件を見ると売出し規模は小規模ですし、ロックアップの掛かり具合も良好です。これらの事から、ロックアップの外れる公開価格から+50%までは問題なく上昇する案件だと予想します。

買い要因

  • 総合広告事業はIPOにおける人気業種
  • 小規模の売出し規模
  • 大株主にシッカリとロックアップが掛かっている

見送り要因

  • トランプ大統領による要因などによって市場は世界的に不安定です。予期せぬ暴落も起こり得るので、今の時期は市場への参加を見送るのも1つの選択です。

日宣の関連銘柄

日宣の関連銘柄は、主要顧客となる旭化成(3407)です。

日宣は旭化成の住宅事業を担う旭化成ホームズのプロモーションを大々的に手掛けており、その規模は日宣の売上の約25%にもなります。

有価証券報告書内でも旭化成ホームズに触れており、今後も友好的な関係を維持ていく予定ですが、今後何らかの事情で取引が無くなると業績に大きな影響を与える、と懸念事項として記載されています。

良くも悪くも旭化成の住宅事業の行方に日宣の業績は大きく左右され株価も反応するでしょう。

日宣 初値予想は?

日宣の初値は、大株主のロックアップが外れる公開価格から+50%辺りになると予想します。

仮に想定価格の1540円で公開されたとしたら、初値は2310円辺りになるでしょう。

主幹事情報

日宣のIPO主幹事は大和証券です。

副幹事は、SBI証券SMBC日興証券、いちよし証券、マネックス証券岩井コスモ証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、大和証券SBI証券SMBC日興証券マネックス証券岩井コスモ証券です。

幹事団の中でオススメの証券会社は、主幹事で1番当選本数が多い大和証券、副幹事の中では公平な抽選方式で口座数の少ない岩井コスモ証券岩井コスモ証券、IPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券がオススメです。(参考:IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~

まとめ

日宣は手堅くリターンを確保できる良案件です。問題無く参加して良いでしょう。

私は当選を期待して、SBI証券SMBC日興証券から応募します。

今回のIPOでSBI証券のIPOチャレンジポイントを使おうか悩みましたが、日宣は爆発的な利益を確保できるような案件では無さそうですので温存する事にしました。

まだ、今年は始まったばかりです。焦らずにIPOチャレンジポイントを爆発させるような素敵な案件が来るチャンスを伺っていきます。