JR九州が東証1部に上場!九州旅客鉄道のIPO評価分析~初値は限定的か~

言わずと知れた九州の雄「JR九州」九州旅客鉄道(9142)が東証1部と福証に上場します。

上場規模はLINEを超える今年最大の3900億円です。この規模ですから、IPO当選は容易で複数の取得も期待できます。

想定価格は2450円

BB期間は2016年10月7日から10月14日

上場日は10月12日です。

仮条件は10月6日

公開価格は10月17日に決まります。

仮条件や追加の正確な情報は、決まり次第日本取引所グループのホームページで確認できます。

主幹事は、野村証券、JPモンガン証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、SMBC日興証券の4社です。

狙い目の証券会社はSMBC日興証券です。

JR九州は誰もが知っている有名企業です。知名度・上場規模は共に郡を抜いています。公募価格も他の上場しているJR各社と比較しても割安な価格ですので、参加して良い案件だと予測します。

しかし、上場規模が規模だけに初値上昇は限定的でしょう。そして、公開比率は100%です。これ程の規模の企業の株式が100%市場で売り出されると、正直どうなるのか全く分かりません。

株主優待も新設されるので、個人の長期保有を期待しているのでしょうが、上手くいくかどうかは分かりません。

そういった不明確な要素も含んでいるので、今回参加お勧め指数は60です。

注目度も高く話題性もあるので、私は是非参加をお勧めしますが、参加の是非は自分で決断した方が良いでしょう。以下では、九州旅客鉄道の企業内容を解説していきます。是非目を通して検討を進めて下さい。

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九州旅客鉄道の事業内容

九州旅客鉄道の事業内容は「旅客鉄道事業、貨物鉄道事業、不動産業、旅行業など」と有価証券報告書に記載されています。

・具体的な業務内容

JR九州の業務内容は九州全土を対象として多岐に渡ります。ここでは分かりやすく5グループの事業内容に分けて解説していきます。

①運輸サービスグループ

このグループには、旅客鉄道事業、バス事業、レンタカー事業、船舶事業、その他関連事業が所属しています。

鉄道事業
JR九州、豊肥本線高速鉄道保有(株)

バス事業
JR九州バス(株)

船舶事業
JR九州高速船(株)

レンタカー業
JR九州レンタカー&パーキング(株)

その他
JR九州メンテナンス(株)、JR九州鉄道営業(株)、JR九州リネン(株)

鉄道から船舶まで、九州全土を対象にサービスを展開しています。この部門に置いて、九州NO.1といっても言い過ぎではありません。

②建設グループ

このグループには、建設事業、車両機械設備工事事業、電気工事事業などが所属しています。

建設業
九鉄工業(株)、三軌建設(株)、JR九州住宅(株)

車両機械設備工事業
(株)ケイ・エス・ケイ

電気工事業
九州電気システム(株)

その他
JR九州コンサルタンツ(株)

JR九州の建設はこのグループが担っています。

また、これらの企業は自社グループ内の工事だけでなく民間工事や公共工事にも携わっており、幅広く事業を展開しています。

③不動産グループ

このグループでは、主に駅周辺の駅ビル、九州の主要都市での賃貸、分譲マンション事業などを行っています。

不動産業

  • JR九州
  • (株)JR博多シティ
  • 小倉ターミナルビル(株)
  • 長崎ターミナルビル(株)
  • (株)JR大分シティ
  • 鹿児島ターミナルビル(株)
  • JR九州ビルマネジメント(株)

このグループがJR九州の収益の多くを稼いでおり、グループ内の稼ぎ頭となっています。自社の主要駅に直結する形で駅ビルやホテルを建設して誘致するのですから、そりゃ儲かると思います。

④流通、小売りグループ

このグループでは、JR九州が行う駅の売店、ドラッグストア、コンビニなどの様々な小売り事業、居酒屋やファーストフードなどの飲食事業、農業事業などとそれらの関連事業が所属しています。

小売業
JR九州リテール(株)、JR九州ドラッグイレブン(株)

飲食業
JR九州フードサービス(株)、JR九州ファーストフーズ(株)、(株)トランドール、分鉄開発(株)、上海捷尔餐饮管理有限公司

農業
JR九州ファーム(株)

小売りから飲食店、農業まで、食に携わる事業を幅広く行っています。

自社グループ内で生産して自社グループ内で消費、流通することができるので、この部門も非常に強い競争力を持っています。

⑤その他グループ

その他にもホテル、ゴルフ場、複合観光施設、広告業、物品賃貸業、シニア事業などを行っています。

ホテル業
JR九州ハウステンボスホテル(株)、JR九州ホテルズ(株)、小倉ターミナルビル(株)

ゴルフ場経営
JR九州リゾート開発(株)
複合観光施設の運営:(株)おおやま夢工房

広告業
JR九州エージェンシー(株)

物品賃貸業
JR九州フィナンシャルマネジメント(株)

シニア事業
JR九州シニアライフサポート(株)

その他
JR九州、JR九州商事(株)、JR九州システムソリューションズ(株)、JR九州ライフサービス(株)、JR九州セコム(株)

その他グループでまとめられていますが、どの事業を見てもある程度の規模があり、自社グループ内での活用も期待できます。

全体のまとめ

本当に規模が大きいので、いざとなれば自社グループ内で事業をある程度回せます。そのため、恐らくは九州自体が衰退しない限りは、経営が大きく傾くとは考え辛いので、堅実な投資先だと判断できます。

JR九州の稼ぎ頭は不動産業

JR九州と言えば、豪華電車「ななつ星」に代表されるように旅客鉄道事業が有名ですが、実は旅客鉄道事業は赤字と黒字の狭間辺りで推移しており決して儲かってはいません。

では何で稼いでいるのか?というと、不動産業事業です。

JR九州は主要駅の土地を所有しており、それらの利便性の高い土地にホテルやデパートなどを建設して収益を得ています。なんだか不思議な収益体制に見えますが、この不動産業事業の利益も旅客鉄道事業の知名度が後押ししてくれているのでしょう。

JR九州は、この収益体制で長年継続して安定した収益を上げているので、これからもこの流れは続いていくことでしょう。

九州旅客鉄道の財務情報

売上
2012年3月          190,73百万円
2013年3月          193,002百万円
2014年3月          196,145百万円
2015年3月  単体 200,151百万円
連結       357,422百万円
2016年3月  単体 211,101百万円
連結       377,989百万円

経常利益
2012年3月          10,281百万円
2013年3月          7,587百万円
2014年3月          11,615百万円
2015年3月  単体 16,375百万円
連結       25,574百万円
2016年3月  単体 18,284百万円
連結       32,035百万円

純利益
2012年3月          3,326百万円
2013年3月          2,057百万円
2014年3月          7,232百万円
2015年3月  単体 9,502百万円
連結       15,012百万円
2016年3月  単体 △444,439百万円
連結      △433,089百万円

前期に特別損失を計上していますが、これはIPO前に損失を片付けておいたのだと予測でき問題はありません。前期の特別損失を除けば、堅実な業績だと判断でき、財務諸表から問題点は見当たりません。

日本取引所グループから公開された九州旅客鉄道の有価証券報告書

九州旅客鉄道のIPOは買いなのか?見送りなのか?

九州旅客鉄道のIPOは買いでしょう!

規模が大きいので初値で大きく上昇することは難しいでしょうが、圧倒的な知名度と事業の安定性から需要は高いと思います。

また、仮に初日の初値が下降しても、配当と株主優待を貰いながら長期保有しながら様子を見れば良いので、初値が上昇しても下降しても上手く動く事ができます。

参加して問題無いです。

買い要因

  • 圧倒的知名度
  • 圧倒的な事業の安定性
  • 素敵な株主優待

権利日3月

①乗車割引券
乗車料金が50%オフになる株主優待券を株式保有数に応じて頂けます。

100株~1,000株未満
100株ごとに1枚

1,000株~10,000株未満
10枚+ 1,000株超過分200株ごとに1枚

10,000株~20,000株未満
55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚

20,000株以上
100枚

②JR九州グループ株主優待券

JR九州グループで利用できる割引券を頂けます。こちらは100株式保有していると一律5枚の割引券を頂けます。

見送り要因

売り出し規模が大きく、しかも売り出し比率100%、過去に一度にこれ程の規模の売り出しの例は少なく、上場当日、その後どうなるか分からない不明確な部分がある。

九州旅客鉄道の関連銘柄

広い意味では九州の企業は全て関連銘柄になりますが、特に関連が深いのは九州旅客鉄道が株式を保有して協力体制を構築している

  • T&Dホールディングス(8795)
  • スターフライヤー(9206)
  • ふくおかファイナンシャルグループ(8354)
  • みずほファイナンシャルグループ(8411)
  • 第一生命保険(8750)
  • 西日本シティ銀行(8327)
  • グリーンランドリゾート(9656)

です。

主幹事情報

九州旅客鉄道は規模が規模だけに、大IPO幹事団です。

主幹事は、野村証券、JPモンガン証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、SMBC日興証券の4社です。

副幹事は、みずほ証券、大和証券、岡三証券、東海東京証券、SMBCフレンド証券、いちよし証券、エース証券、SBI証券、岩井コスモス証券、マネックス証券、東洋証券、丸三証券、藍澤証券、水戸証券、エイチエス証券、極東証券、高木証券、立花証券、ちばぎん証券、内藤証券、日本アジア証券、安藤証券、松井証券、むさし証券、あかつき証券、ふくおか証券、日の出証券、丸八証券、光世証券、西日本シティTT証券、リテラクレア証券、カブドットコム証券、ゴールドマンサックス証券、UBS証券、クレディ・スイス証券、シティグループ証券、バークレイズ証券、マッコーリーキャピタル証券、メリルリンチ日本証券、今村証券、ウツミ屋証券、岡三にいがた証券、岡地証券、木村証券、共和証券、上光証券、第四証券、長野証券、中原証券、西村証券、日産証券、ニュース証券、八十二証券、ばんせい証券、フィリップ証券、三木証券、三田証券、山和証券、豊証券、リーディング証券です。

この中で特に狙い目の証券会社は、主幹事のSMBC日興証券です。ここはネットからも応募できますし、主幹事なので当選数も多く複数入手も期待できます。

また、上場規模が大きいので、副幹事から応募しても普段のIPOと比較すれば格段に入手し易いでしょう。

まとめ

私は全力で参加します。上場初日に株価が上がれば良いですし、仮に上場初日は株価が上昇しなくても、JR九州が突然潰れることは無いと思いますので、ゆっくり保有して株価の上昇を待とうと思っています。

IPO投資の当選確率を上げる方法 ~おすすめの証券会社SBI証券のIPOチャレンジポイントとは~

★2016年10月19日追記:JR九州IPO株当選しました!
九州新幹線IPO株当選!主幹事のSMBC日興証券で結果が出る

上場後株価分析はこちら
九州旅客鉄道(JR九州)の上場後株価分析 ~IPOは見事当選!~

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