ベイカレント・コンサルティングが上場決定 ~初値公募割れ予想、見送りが正解か~

M&AやIT導入など経営コンサルティングを生業とする、ベイカレント・コンサルティング(6532)の東証マザーズへの上場が決まりました。

想定価格は2360円、BB期間は2016年8月16日から8月22日、日本での上場日は9月2日です。

仮条件は8月12日、公開価格は8月23日に決まります。

仮条件や追加の正確な情報は、決まり次第日本取引所グループのホームページで確認できます。

ネットから購入の応募ができるのは、SMBC日興証券SBI証券です。

ハッキリ言います。このIPOは参加しない方が良いでしょう。

今回のベイカレント・コンサルティングのIPOで売り出される株式は、その殆どが既存大株主からの売り出しです。そのため、このIPOは大株主の換金イベントなのか?と思わずにはいられません。

しかも、その売り出しは300億を超えます。超超大規模な価格です。マザーズでこの価格を買い支えるのは現実的に非常に難しいでしょう。

そのため、公募割れの確率も高いので、このIPOは避けた方が良いでしょう。

そこを踏まえての今回参加お勧め指数は20です。

と、いうのが私の意見です。

ただ、意見はその人の見方によって変わってきます。是非貴方の目と頭で事業内容や財務諸表を、しっかりと把握して参加の是非を決めて下さい。この記事を読んで、参加の検討を進めて頂ければ幸いです。

ベイカレント・コンサルティングの背景

ベイカレント・コンサルティングは株式会社ピーシーワークスとして1998年に創業、その後売上を拡大し、2007年にベイカレント・コンサルティングと社名を変更、そして、その後2014年に現社長の江口氏が経営していたバイロンホールディングスに吸収合併され、統合後バイロンホールディングスから、ベイカレント・コンサルティングに社名を変更しています。

そのため、合併前と後でベイカレント・コンサルティングという名前は一緒ですが、全くの別会社という形になります。

ベイカレント・コンサルティングの事業内容

べイカレント・コンサルティングは

  • 戦略・ビジネスコンサルティング
  • ITコンサルティング
  • システムインテグレーション

を主たるサービスとした企業の総合コンサルティング事業を行っています。

具体的な業務内容 戦略・ビジネスコンサルティング

経営戦略のアドバイスやサポートを行い、企業の課題を解決する手助けを行う事業です。

有価証券報告書に記載されている具体的には

  • 企業の経営戦略
  • 事業戦略立案
  • マーケティング戦略立案
  • 新規事業立上げ
  • M&Aに係るPMI
  • 中期経営計画策定
  • 組織改革
  • ビジネスプロセス変革
  • 事業継続計画策定
  • コスト削減等のサービス

を総合的に組み合わせて行っています。

ITコンサルティング

クライアントにITを活用した事業の効率化の提案、設計、導入までをトータルで行う事業です

有価証券報告書に記載されている具体的には

  • IT戦略立案
  • システム化推進の構想策定
  • ITデューデリジェンス
  • ITガバナンス策定
  • RFP作成
  • 要件定義等のサービス

を総合的に組み合わせ行っています。

システムインテグレーション

ベイカレント・コンサルティングの優秀なコンサルタントが有する経験や技術力を活かし、情報システム開発フェーズから保守運用フェーズまでのシステムインテグレーション領域の様々な各種支援を行う事業も展開しています。

有価証券報告書に記載されている具体的には

  • システム基本設計
  • ソフトウェア開発
  • ソフトウェア導入
  • インフラ構築
  • 保守運用等のサービス

を提供しています。

その他の事業

ベイカレント・コンサルティングは、国内企業の回転寿司進出や、外資系企業の国内進出などのサポートを行う海外関連コンサルティングサービス事業も行っています。

ベイカレント・コンサルティングの財務情報

売上

旧ベイカレント・コンサルティング
2012年2月 \10,103,621,000
2013年2月 \10,699,579,000
2014年2月 \11,221,968,000
2014年9月 \7,550,161,000

新ベイカレント・コンサルティング
2015年2月 \5,554,931,000
2016年2月 \15,833,677,000
2016年5月 \4,328,022,000

経常利益
旧ベイカレント・コンサルティング
2012年2月 \486,125,000
2013年2月 \384,921,000
2014年2月 △\54,457,000
2014年9月 \1,085,960,000

新ベイカレント・コンサルティング
2015年2月 \44,249,000
2016年2月 \2,204,146,000
2016年5月 \637,237,000

純利益
旧ベイカレント・コンサルティング
2012年2月 \370,811,000
2013年2月 \103,021,000
2014年2月 △\38,342,000
2014年9月 \624,697,000

新ベイカレント・コンサルティング
2015年2月 △\10,195,000
2016年2月 \1,106,771,000
2016年5月 \358,254,000

昨年度は過去最高益ですが、業績は上がったり下がったりと安定していません。

この財務諸表から、ベイカレント・コンサルティングはコンサルティングの受注案件の具合によって売上、利益が大きく左右され、安定した収益を得られる事業の比率が少ないのかな?と感じました。

日本取引所グループから公開されたベイカレント・コンサルティングの有価証券報告書

ベイカレント・コンサルティングのIPOは買いなのか?見送りなのか?

ベイカレント・コンサルティングのIPOは見送りだと思います。

売り出し価格300億以上はマザーズでは大き過ぎます。率直に、それ程需要が有るとは思えません。

また、業績も安定せず、将来性も私には判断ができませんので、よく分からない物には投資しないを信条としている私の意見としては、ベイカレント・コンサルティングのIPOは見送ることをお勧めします。

買い要因

・コンサルティング事業はIPOの人気業種

見送り要因

・300億を超える売り出し価格

・安定しない業績

・私が記事を書いている8/4現在、急激な円高が進んでいる、市場の地合いは決して良くない

主幹事情報 ベイカレント・コンサルティングIPO取扱証券会社

ベイカレント・コンサルティングのIPO主幹事は野村証券です。

その他の引き受け金融機関は、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、SBI証券です。

この中で、ネットから購入の応募ができるのは、SMBC日興証券SBI証券です。

まとめ

ベイカレント・コンサルティングは、総合的なコンサルティング企業です。その対象は国内に留まらず海外にも進出しています。

素晴らしい企業だとは思いますが、余りの売り出し規模の大きさと、現在までの業績推移を見ると、IPOとしては怪しさを感じてしまいます。

また、そもそも他の企業のコンサルティングをしてお金を稼いでいるのに、自社の業績がこんなに右往左往することに、何か感じないのでしょうか?

それとも、それさえも超高度な事業戦略なのでしょうか?ちょっと、私には分からない所が多いように見えます。

今回私は見送ります。が、SBI証券からは応募してIPOチャレンジポイントを貯めようと思っています。

IPO投資の当選確率を上げる方法 ~おすすめの証券会社SBI証券のIPOチャレンジポイントとは~

ようやく私のポイントが100の大台に乗るので、今後は使い所をワクワクしながら検討していきます。

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