ソウルドアウトのIPO評価分析【売り出し規模が大きく初値は伸びないか】

インターネット広告事業を中心に数々の事業展開している株式会社ソウルドアウト(6553)が東証マザーズに上場します。

ホームページを開くと、問答無用でいきなり表示される『ともに覚悟する。ともに挑む』というキャッチフレーズからも分かるように、ホームページ内の随所で熱い心意気を前面に押し出しています。

投資を始めたばかりの純情な頃は、私も熱い心意気を汲み好印象を持ちましたが、、、その結果、何度も痛い目を見たので、今では全く心に響きません。

今回もクールな視線で分析していきます。

想定価格は1080円

BB期間は2017年6月23日から6月29日

仮条件は6月21日

公開価格は6月30日

上場日は7月12日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

今回上場するソウルドアウトはネットビジネス大手のオプトホールディングスのインターネット広告事業を担う中核企業です。

ソウルドアウトは中小企業をターゲットにインターネット広告を売り込み、その過程で需要を掘り起こし、オプトホールディングスの、他の企業が開発したAIを活用した販売ツールや、グループ内の人材派遣会社の派遣先として紹介していきます。

顧客はソウルドアウトから最新の広告・ツール・人材に至るまで、まるっと入手することができます。

素晴らしいビジネスモデルです。

IPOの案件として見ると売出し規模は約30億円と、結構大きめの案件です。

主要株主に対して満遍なく期間でのロックアップは掛かっていますので、公募割れはしないと思いますが、上場後に大幅な上昇は期待できません。

無理に参加する必要は無いでしょう。

そこで、今回のおすすめ指数は60です。

次項以降では、ソウルドアウトのIPOに関する情報を解説します。

是非、貴方のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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ソウルドアウトの事業内容

ソウルドアウトの事業内容は

「地方および中堅・中小企業向けネットビジネス支援事業(Webマーケティング、HR、IT化領域を支援するサービスの提供)」

と有価証券報告書に記載されています。

ソウルドアウトの主な事業は中小企業を対象としたインターネット広告事業です。ソウルドアウトでは、親会社や大株主の関係でヤフーの広告をメインに取り扱っています。

ソウルドアウトの広告事業について、、、正直、特筆すべき何かはありません。

地方や中小企業をメインターゲットにしていることが真新しいと言われればそうですが、他に無いのか?と言われれば同様のターゲットを狙った企業は沢山あるでしょう。

よくある企業だなと言う感じです。

しかし、ソウルドアウトの組織力には特筆すべきポイントが有ります。ソウルドアウトはネット総合事業大手のオプトホールディングスの中核企業です。

その為、事業内容にもAIやHRがどうこうとカッコよく書いて有りますが、この分野はオプトホールディングスの他のグループ会社から協力してもらって事業を提供することができています。

つまり、高い組織力を事業に活かして、グループ力で事業展開を計っていることがソウルドアウトの強みだということです。

ソウルドアウトの財務情報

売上

2012年12月 5,206,735,000円
2013年12月 6,561,239,000円
2014年12月 7,207,917,000円
2015年12月 単体 7,465,137,000円
連結 7,785,719,000円
2016年12月 単体 7,930,615,000円
連結 8,552,708,000円
2017年3月 単体 2,719,071,000円

経常利益

2012年12月 211,049,000円
2013年12月 52,960,000円
2014年12月 143,730,000円
2015年12月 単体 234,168,000円
連結 278,464,000円
2016年12月 単体 310,280,000円
連結 491,959,000円
2017年3月 単体 200,733,000円

純利益

2012年12月 117,219,000円
2013年12月 29,473,000円
2014年12月 89,487,000円
2015年12月 単体 144,660,000円
連結 147,577,000円
2016年12月 単体 186,085,000円
連結 293,683,000円
2017年3月 単体 129,029,000円

業績は好調です。昨年度からはグループとしての利益も拡大しており財務基盤は盤石です。

日本取引所グループに公開されているソウルドアウトの有価証券報告書

ソウルドアウトのIPOは買いなのか?見送りなのか?

ソウルドアウトのIPOはどちらかと言えば買いですが、無理に参加する必要はありません。

ソウルドアウトの業績は好調に推移していますし、オプトホールディングスという高い組織力の有る事業体に属しているのも高ポイントです。また、ロックアップも期間で掛かっています。

ただ、1つ気になるのは、売出し規模が大きめの約30億円だということです。

上場初日は需給関係で多少押される展開が予想されます。

公募割れは無いと思いますが、高い上昇は期待できないでしょう。

無理に参加する必要は無いと思います。

買い要因

・業績好調

・ロックアップ良好

・オプトホールディングスの中核企業

見送り要因

・売出し規模が約30億円

ソウルドアウトの関連銘柄

ソウルドアウトの関連銘柄は、親会社となる株式会社オプトホールディングス(2389)と、大株主で広告事業で深い繋がりのあるヤフー(4689)です。

ソウルドアウトは事業展開をする過程で、親会社のオプトホールディングス(2389)のコネクション(ソウルドアウトとヤフーの繋がりもオプトホールディングスに依るものです。)やグループ会社と連携しているので、オプトホールディングスに問題が起これば、事業展開にも株価にも大きな影響を受けます。

ヤフー(4689)はソウルドアウトの武器とする広告事業の重要クライアントで在ると共に大株主です。ヤフーに問題が起これば、ソウルドアウトもその影響は免れないでしょう。

ソウルドアウトを保有するのなら、この2社の動向はチェックしておきたいですね。

ソウルドアウト 初値予想は?

ソウルドアウトの初値は好調な業績と良好はロックアップの具合と、大きめの売出し規模による綱引きの様な進行具合になるのではないかと考えています。

売出し規模は大きめといっても、中規模程度なので公募割れは無い思いますが、高い上昇は見込めないでしょう。

その為、公開価格から+10%前後で膠着して取引を終えると予想しています。

仮に公開価格が想定価格の1080円になったとしたら初値は1188円辺りになると考えています。

セカンダリーが狙えるか?

今回のソウルドアウトの案件でのセカンダリーはパスです。

現段階で今後の大きな上昇要素は見込みめないので、セカンダリーで購入しても、いつ上昇するのか分かりません。

ソウルドアウトでセカンダリーを狙うよりも、もっと他に良い案件は沢山あるので、そちらでセカンダリーを狙った方が良いでしょう。

主幹事情報

ソウルドアウトのIPO主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(カブドットコム証券)です。

社名から東京が取れたので変な感じがしますが、グローバルな視点で見たら東京が付いている方が変だったのかもしれないですね。

副幹事は、松井証券、SBI証券、SMBC日興証券、いちよし証券、マネックス証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、松井証券SBI証券SMBC日興証券マネックス証券です。

また、今回の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券ですので、後からグループ会社のカブドットコム証券からもIPOへ参加できる可能性があります。

そして、今回の参加オススメ証券会社は、証券会社内の口座数が少なく公平な抽選を採用している松井証券とマネックス証券、そして、IPOに参加するとIPOチャレンジポイントが貯って、参加する度に当選確率が高くなるSBI証券の3社です。

まとめ

ハッキリ言うとソウルドアウトの案件は良くも悪くもない案件ですので、無理に参加する必要はありません。

他にも良案件のIPOが発表されているので、そちらに注力するのなら見送っても良いでしょう。

私は今回は見送るつもりです。

でも、IPOチャレンジポイントはゲットしたいので、SBI証券から一応参加しておきます。

日経も2万円を境に行ったり来たりを繰り返しています。

何だか今年はずっと穏やかに時が流れていきますね。

何も起こらなければ良いですが、何か起きても慌てないように心の準備だけはしておきます。