安江工務店のIPO評価分析 ~売り出し規模も小さく、初値は上昇予想~

名古屋を中心に建築・リフォーム事業を展開する老舗工務店の安江工務店(1439)がJASDAQスタンダードに上場することが決まりました。

想定価格は1130円

BB期間は2017年1月25日から1月31日

仮条件は1月23日

公開価格は2月1日

上場日は2月10日です。

仮条件や追加情報は日本取引所グループのホームページから確認できます。

名古屋市内を中心に多数の店舗を出店、地域密着型の事業展開を行っています。契約の約50%が過去に同社を利用したリピーター客ということですので、仕事の質に伴う満足度は高いようです。

ただ、業績は老舗企業らしく横ばいが続いており、ここからの大きな成長は難しいでしょう。大株主も創業者である安江一族で占められており同族経営である実態が浮き彫りになっています。

株式投資という観点から見ると特別投資したいと思えるような魅力は感じません。

IPO投資として見ると、大株主に180日間のロックアップが掛かっており、売出し規模も大きくは無いので需給の関係で初値は上昇すると予想します。

公募割れは無い案件だと思うので、今回のおすすめ指数は60です。

以下では、安江工務店の事業内容などのIPOに関わる情報を解説していきます。

安江工務店のIPOの参加の是非に役立てて下さい。

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安江工務店の事業内容

安江工務店の事業内容は「住宅リフォーム事業、新築住宅事業、不動産流通事業」と有価証券報告書に記載されています。

安江工務店のリフォーム事業

家に関わる事業をトータルで請け負う安江工務店の中心事業はリフォーム事業です。

安江工務店のリフォーム事業は、窓や網戸の張替えなどの小規模のリフォームから、家を丸ごと改修するような大規模なリフォームまで幅広く対応しています。

驚くことに顧客の約50%は、過去に安江工務店を利用したリピーター客で占められています。そのリピート率の高さから同社の施工技術に対する、顧客の信頼感と満足度が非常に高いことが伺えます。

また、安江工務店は住宅施工技術コンテストに積極的に参加して数々の賞を受賞しており、客観的にも高い技術を保持していることを証明しています。

そして、安江工務店は工務店なので価格帯は住宅メーカーよりも割安で、シッカリとした性能の物を低価格で提供しています。勿論ただ安いだけでなく施工時には請負賠償責任保険に加入すると共に、最高10年間の保証を付けて顧客に安心感を与えています。

安江工務店の新築住宅事業

安江工務店は新築住宅事業も行っており、CASTELLO DIPACE、Storiaという坪単価40万円〜50万円の2種類のブランド住宅を展開しています。自然派素材を原料に安心安全な住宅を提供しています。

安江工務店の不動産流通事業

安江工務店では中古住宅を購入して中古住宅をリフォームして顧客に販売したり、土地を購入して安江工務店の住宅とのセットで顧客に販売するといった不動産流通事業も行っています。

自社で不動産流通事業を行うことで幅広い客層に対して販売のチャンスを広げることができます。

安江工務店の事業 まとめ

安江工務店はリフォーム、新築住宅、土地や中古住宅といった様々な家に関わる事業を幅広く手掛けています。

家のことなら何でも頼める!

街の頼れる工務店!

それが安江工務店です。

工務店と住宅メーカーの違いとは?

住宅を建てる、住宅を直す、住宅を改築する、全て工務店・住宅メーカーどちらでも行えます。

家に関わる事業を行うことは、どちらも共通していますが両者はどう違うのかハッキリしていない方も多いのではないでしょうか?

ここでは間違えがちな工務店と住宅メーカーの違いを解説します。

住宅メーカーの定義

住宅メーカーとは日本の幅広いエリアを対象に営業活動を行っていて、高い資金力に裏打ちされた保証と技術力と知名度を持つ住宅事業社を指します。

メリット:高い知名度と資金力があるので問題が起こっても保証してもらえるので安心感があります。

デメリット:値段は工務店と比較して数段値段が高いです。

工務店の定義

工務店は、ある特定の地域に特化して営業活動を行っていて、地域密着型の事業展開を行っている住宅事業社を指します。

メリット:住宅メーカーと比較して価格が安い

デメリット:知名度が低いので問題が起こらないのか?問題が起こったら本当に保証されるのか?といった不安感がある

住宅メーカー、工務店どちらもメリットデメリットがあります。その点を理解して納得できる形で利用していくのが良いでしょう。

安江工務店の財務情報

売上
2010年3月 2,541,241,000円
2011年3月 2,530,340,000円
2012年3月 3,019,869,000円
2013年3月 3,895,320,000円
2014年12月 2,419,706,000円
2015年12月 4,132,242,000円
2016年9月 2,614,182,000円

経常利益
2010年3月 31,314,000円
2011年3月 55,315,000円
2012年3月 83,105,000円
2013年3月 132,546,000円
2014年12月 ▲278,875,000円
2015年12月 205,006,000円
2016年9月 125,804,000円

純利益
2010年3月 26,265,000円
2011年3月 25,460,000円
2012年3月 44,339,000円
2013年3月 73,313,000円
2014年12月 ▲191,707,000円
2015年12月 120,040,000円
2016年9月 82,271,000円

2014年から12月決算に移行した関係で2014年度は9ヶ月間の変則決算となっています。また、その時期に上場を視野に入れて準備を始めた為に一時大きな減損決算となっています。

その時に負債を決算したからか現段階の財務諸表からは大きな負債や問題は見当たりません。今後は2014年度以外の時期の業績で安定推移していくと予想されます。

日本取引所グループに公開されている安江工務店の有価証券報告書

安江工務店のIPOは買いなのか?見送りなのか?

安江工務店のIPOは買いです。

小規模の売出し規模で大株主にシッカリとロックアップか掛かっているので需給の関係で初値は上昇するでしょう。まず、公募割れすることは無い案件ですので参加して問題無いです。

ただ、失礼ですが安江工務店は企業として特別な魅力がある訳では無いので、買い需給は弱く上場後数日経てば株価は暴落すると予想します。そのため、当選したら上場当日にサッと売却することをオススメします。

買い要因

  • 小規模の売出し規模
  • 大株主にシッカリとロックアップが掛かっている

見送り要因

  • 特別な企業としての魅力は乏しい

安江工務店の関連銘柄

安江工務店の関連銘柄は、事業関係強化の為に、それぞれ10000株式保有している三井ホーム(1868)名古屋銀行(8522)です。

三井ホームと安江工務店の具体的な事業関係の記載は有価証券報告書の中にはありませんが、恐らくは三井ホームの下請けとして事業協力していると予測されます。三井ホームの事業に何か問題が起これば、その影響は安江工務店の業績にも多少影響を与えます。

名古屋銀行は安江工務店のメインバンクであり相互に株式を持ち合っています。名古屋銀行の経営に問題が起これば、安江工務店も影響を受けるでしょう。

安江工務店 初値予想は?

安江工務店の初値は公開価格から+10%辺りになると予想します。

仮に想定価格の1130円で公開されたとしたら、初値は1243円辺りになるでしょう。

主幹事情報

安江工務店のIPO主幹事は東海東京証券です。

副幹事は、SBI証券、SMBC日興証券、みずほ証券、エース証券、安藤証券、藍澤証券です。

この中でネットから応募できる証券会社は、東海東京証券SBI証券SMBC日興証券みずほ証券安藤証券です。

当選を狙うなら当選本数の1番多い主幹事の東海東京証券から応募するのが良いでしょう。

副幹事の中では、口座数が少なくIPOの抽選ルールが明確な安藤証券
(参考:安藤証券のIPOは応募者が少なく狙い目か?【本気でIPOに当選したいならおすすめの証券会社】

IPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券からの応募がオススメです。
(参考:IPOの当選確率を上げる方法 ~IPOにおすすめの証券会社SBI証券のメリット~

まとめ

安江工務店は私の地元名古屋では有名な工務店ですので、私も小さい頃から名前は知っていました。同社の客層にリピーターが多いのは、高い信頼感の現れだと推察でき、良い企業なのだと思います。

そもそも、昔から地元にずーっとあるので、地元民にとって安江工務店の信頼感は絶大な物です。今後も何か問題を起こさなければ、安定した業績を上げ続けることでしょう。そのため、長期保有に向いている銘柄だと言えます。

また、IPO投資として見ても公募割れするような案件では無いので、私はSBI証券SMBC日興証券から参加します。

当選したら上場初日に欲を欠かずに、サッと売却して利益を得るつもりです。